シェールガスとは?シェールガスが家庭にもたらすこと
シェールガスってなに?
近年注目されている「シェールガス」とは、通常の油田・ガス田以外から生産される天然ガスのことです。
天然ガスの種類は大きく分けて2種類あり、通常の油田・ガス田から生産されるガスを、「在来型ガス」と呼んでおり、在来型とは異なる場所から生産される天然ガスのことを「非在来型ガス」と呼んでいます。在来型ガスは、砂岩に貯留しているのに対して、シェールガスは泥岩に貯留することから、「非在来型の天然ガス」と呼ばれています。
シェールガスのもととなっている「シェール」は頁岩(けつがん)のことで、シェールガスは堆積岩の層から採取することができ、非常に粒子が細かく液体や気体を通す隙間がほとんどない事から、そこから資源を回収するには高度な採掘技術が必要とされています。
なぜシェールガスが話題になっているの?
シェールガスは100年以上も前から生産されていました。それがなぜ今になって話題になっているのでしょうか。それは、2000年代になって新たな採掘技術が確立したことにより、この技術を用いた開発がアメリカで急速に進み、生産量が増えて世界のエネルギー事情に革命を起こすと期待されたことから話題になっています。これが俗に言う「シェールガス革命(シェール革命)」です。シェールガスのような非従来型ガスの生産技術がさらに進歩することで、世界の200年〜250年分以上を賄えると言われています。
シェールガスはどこにあるの?
これまでの「在来型ガス」は、イラン、カタール、アラブ首長国連邦のある中東や旧ソ連、豪州を中心にアジア太平洋、アフリカなどに広く分布しています。それに対して、「非在来型ガス」であるシェールガスの多くは、中国やアメリカなどガスの輸入国の上位とされてきた国から発見されています。特に北米において、2020年頃には天然ガス生産量の50%がシェールガスになると予想されており、世界最大のガス輸入国から一転、ガス輸出国になると言われています。
原発停止から天然ガスの輸入量がダントツで世界一となっている日本はどうなのかというと、日本の地層は地質年代が新しく頁岩層が少ないため、シェールガス埋蔵量は期待できないとされています。そのため、日本のガス会社などはカナダやアメリカなど海外のシェールガス事業へ参加し、日本のエネルギー政策に生かそうという試みが行われています。東京ガスではアメリカのシェールガスの権益を取得し、積極的にシェールガス事業の強化に乗り出しています。
シェールガス革命で与える家庭への影響は?
アメリカの技術革新によって大量にガスを生産できるようになったことで、近い将来日本でもシェールガス由来のLNG輸入が始まるとも言われています。日本の天然ガス輸入国がさらに分散することで、価格も長期にわたって落ち着いていくという見方が強いです。今後は、ガスを輸入する国の選択肢が広がることで、ガスの輸入価格が安価になること、また、2017年4月から始まるガス自由化によって、一般家庭でガス会社を自由に選択できるようになることから、家庭に供給されるガス料金の軽減が期待できそうです。