ヘッドホンアンプ・DACの選び方
ヘッドホンアンプとは音声信号を増幅し、イヤホン・ヘッドホンで迫力ある音を楽しむための機器で、自宅で使うなら端子が豊富な据え置き型、外出先でも使用するならポータブル型が便利です。そのほか、「ハイレゾ」などの音質の違いや、接続端子の種類など、ヘッドホンアンプ選びのポイントを紹介します。
2022/7/7 更新
目次
ヘッドホンアンプは、イヤホン・ヘッドホンで迫力ある音量や高音質の音楽を聴けるようにしてくれる機器で、DACとはPCなどのデジタル音源の信号をイヤホン・ヘッドホンやスピーカーなど視聴機器にあった信号に変換してくれる機器のことです。共通するのは、ともに再生機器から発せられた音を、より良い音質で楽しむための機器であることです。どちらか片方だけの機能を持つ製品もあれば、両方の機能を搭載した製品もあります。それぞれの特徴を理解し、自分の環境に合った機器を選びましょう。
イヤホン・ヘッドホンで音楽を楽しむとき、イヤホンやヘッドホンの音量出力能力に見合った、音声信号に増幅してくれる機器です。「ウォークマン」などの携帯デジタルオーディオプレーヤーやスマートフォン、ヘッドホン(イヤホン)端子を搭載したPCなどにも音声信号を増幅させるアンプが内蔵されていますが、能力が低いのが実情です。そこで、音声信号を増幅して出力してくれるヘッドホンアンプを使用することで、迫力あるボリュームや高音質の音がイヤホン・ヘッドホンで楽しめるようになります。
据え置き型は、自宅で音質にこだわって音楽を楽しみたい人に向いています。低価格の入門用モデルからマニア向けの高級モデルまで、製品ラインアップが豊富。入出力端子の種類や数も多めに用意されており、さまざまな機器に接続することができます。
ハイレゾリューション(高解像度)のことで、 「ハイレゾ音源」とは、スタジオで録音したマスター音源に限りなく近い高解像度の音源(データ)のことを指します。CDよりも情報量の多いハイレゾ音源対応製品なら、きめ細やかで、空気感と臨場感のある音を表現できます。
DSDとは、Direct Stream Digitalの略で、音声をデジタル化する方式の1つです。ソニーとフィリップスが開発し、スーパーオーディオCD(SACD)で採用されました。デジタル記録ながら、アナログの質感に近い音の再現が可能です。
電源にはAC、乾電池、USB、Lightningの4つの形式があります。AC電源は主に据え置き型アンプに多く採用されており、高音質を意図した強力な電源回路を設計することもできます。乾電池はコンパクトなため、小型・軽量なポータブル型のアンプに多いタイプです。雑音が発生しないという特長もあります。USBやLightningはPCの端子に接続することで電源の確保が可能です。
電源のタイプで選ぶ
ポータブルアンプならバッテリーの持続時間をチェック
多くのイヤホン・ヘッドホンに搭載されている端子は「ステレオミニプラグ」といい、左のプラス・右のプラス・左右共用のマイナスの3接点がある「3極構造」になっているものが一般的です。この構造はマイナスを共用することにより微細なノイズが発生してしまいます。一方、ヘッドホンアンプには左右のチャンネルそれぞれにプラスとマイナス両方を備えたモデルがあります。マイナスを共用しないため、よりクリアな音を再現できると言われ、この方式を「バランス出力」と呼びます。なお、バランス出力で音楽を楽しむには、イヤホン・ヘッドホンもバランス入力に対応している必要があります。
2007年に設立された、中国の音響機器メーカー。特にポータブルオーディオ製品の開発に力を入れており、DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプやDAPを中心に世界各国に製品を展開しています。
2004年に中国で設立されたオーディオ機器メーカーです。DACでは据え置き型やポータブル型などコスパの高い製品を豊富にラインアップ。累計で10万台の出荷実績を持つ「X1」シリーズの代表モデル「X1sGT」が人気です。
1988年に中国で設立されたShanling(シャンリン)。HiFiステレオパワーアンプの製造からスタートし、現在では、HiFiアンプ、真空管アンプ、チューナー、AVアンプなど数多くのオーディオ製品を手がけています。特にポータブル型のヘッドホンアンプのラインアップが豊富で、バランス接続対応のポータブルDACアンプケーブル「SHANLING UA2」が人気です。
音源データをアナログ信号からデジタル信号へ変換する際、「1秒あたりに取得するオーディオ信号のデジタルサンプル数」を示すのが「サンプリング周波数」です。この数値が大きいほど音の波形は原音に近い形状となる、つまり原音の再現品質が高くなります。対応サンプリング周波数が高い製品ほど、高品位な音源データを楽しめます。
サンプリング周波数で選ぶ
各端子の系統数は「外部機器の接続可能数」を表しています。1系統であれば1台、2系統であれば2台までの機器を接続することが可能です。
本体にヘッドホンを接続するための端子です。一般的にミニプラグと標準プラグが使われており、ミニプラグは直径が3.5mm、標準プラグは直径が6.3mmあります。
ヘッドホン端子(ミニプラグ)搭載製品を探す
ヘッドホン端子(標準プラグ)搭載製品を探す
音声をデジタル信号で伝送するための端子で、アナログの音声端子と同じ形状のRCA端子(ピンジャック)を用いています。オーディオマニアの間では、「光デジタルよりも音がよい」といわれています。
同軸デジタル入力端子搭載製品を探す
同軸デジタル出力端子搭載製品を探す
パワーが足りないので、スピーカーを鳴らすことはできません。
スピーカーは電気信号を物理的な振動に変換し、コーン紙などを動かすことで音を発生させます。イヤホン・ヘッドホンと比べて大きなパワーが必要になり、ヘッドホンアンプの出力では小さいため、スピーカーをしっかり鳴らすことができません。
ヘッドホンアンプの音質のほうが、よいと考えられます。
ヘッドホンの能力を最大限に生かすように設計されたヘッドホンアンプを利用するほうが音質は期待できます。オーディオ用アンプにもヘッドホン端子がありますが、多くの場合、ヘッドホンへの出力を抑えるための抵抗器が挿入されています。実は、この抵抗器が音質低下につながりやすいということがあります。そのため、音質を追求するのであれば、専用設計されたヘッドホンアンプを利用するほうがよいと考えられます。
DDC(D/Dコンバーター)
デジタル信号を別のデジタル信号に変換する機器のことです(D/Dコンバーター=デジタル−デジタル コンバーター)。PCに保存された音楽などを、USBケーブルを通じて伝送し、他のAV機器に出力するときに使います。DDCを使うことで、PCなどで扱われているデジタル信号(USBやFireWireなど)を、AV機器で使われる別規格のデジタル信号(光や同軸など)に変換して出力できます。