ホームシアター スピーカーの選び方
「ホームシアター スピーカーってどういうものなの?」「部屋の中にスピーカーをたくさん置かなきゃいけないの?」など、ホームシアター スピーカーを選ぶ際のお悩みや疑問を解決できるのが選び方ガイドです。ホームシアター スピーカー選びに必要な基礎知識や用語解説はこちらでチェックしましょう!
目次
自宅で映画館のような迫力ある音響効果(サラウンド)を楽しむには、ホームシアターの整備が必要になります。ホームシアター スピーカーは、テレビやプロジェクタなどから出力された音を立体的に伝えてくれる重要な役目を担っています。中でも、ケーブル接続が不要なワイヤレススピーカーモデルや、設置や設定が手軽なサウンドバーが人気を集めています。
そもそもホームシアターとは、テレビやプロジェクタなどの映像機器をAVアンプに接続し、複数のスピーカーから出力することで、映画館で体験するような音響効果を楽しむものです。自宅にいながら、前後左右から音が聞こえる環境を実現してくれます。
ワイヤレススピーカーを採用した製品であれば、音声信号を無線で伝送できるので、ケーブル接続が不要。床や壁際などにもケーブルが敷かれることがないので、スッキリした室内環境で、ホームシアターを楽しめます。
ホームシアター スピーカーは、設置や設定が手軽なサウンドバーやテレビ台とスピーカーが一体化したラック型など、5つのタイプに分かれています。視聴スタイルや室内環境に応じて最適なタイプを選びましょう。
台座タイプで、テレビの下に設置して使います。ボード型はAVアンプと一体になっているため、ラック型と同様、接続も簡単に行えます。対応するサラウンドチャンネルは、2.1〜7.1まで幅広く用意されています。
豊富なラインアップが特長で、バータイプ、ボードタイプ、マルチスピーカータイプのなかから好みのシステムを選べます。高音域用のツイーター2基と中低音再生用のウーハー2基の2ウェイスピーカー構成(2.0ch)により、人の声がクリアに聞こえるタイプが人気です。
本格的マルチスピーカーから、ラックタイプやバータイプなどのホームシアター製品まで幅広く展開しています。なかでも、リアルサラウンドを追求するサウンドバーは、前方スピーカーの音を壁に反射させることで左右や後方から実際に音が聞こえてくる技術を搭載。横幅60cmのコンパクトボディタイプも人気です。
1910年創業のオーディオブランドです。高品質を追求した製品には定評があります。人の声を強調して聴きやすくする「ダイアログエンハンサー」機能を搭載したモデルや、コンテンツに応じたムービーモード、ミュージックモードに切り替えが可能なモデルを展開しています。
プロアマを問わず魅了するオーディオメーカーです。独自のMultiBeam技術による「リアルサラウンド」と、Dolby Atmosによる「バーチャルハイト」で立体的な音響空間を楽しめるモデルや、あえてボタン数を最小限に絞ったミニマムなリモコンが付属するモデルが人気です。
高い音響技術で世界的に評価の高いメーカー。大音量再生と深みのある重低音が特長で、自宅にいながら映画館さながらの迫力のあるサウンドを楽しむことができます。GoogleアシスタントやAmazon Alexaと連携し、音声操作に対応したモデルも豊富です。
音楽と同様に、サラウンドサウンドプラットフォームは、複数の規格で利用できます。ほとんどのハイエンドホームオーディオシステムでサポートされているのが、DolbyDigital(ドルビーデジタル)とDTSの2つです。
米国ドルビーラボラトリーズ社による音声のデジタル圧縮・再生の方式で、映画やブルーレイ、ゲーム機器など多くのジャンルで採用されています。規格は5.1チャンネルのDolby Digitalから最新のDolby Atmos(ドルビーアトモス)まであります。
規格 | 速度 |
---|---|
Dolby Digital | 基本となる5.1チャンネル |
Dolby Digital EX | 5.1チャンネルに、真うしろの方向にサラウンドバックチャンネルを追加した6.1チャンネルシステム |
Dolby Digital PLUS | 最大7.1チャンネルサラウンドに対応。Dolby Digital PLUS搭載のPCやモバイル機器もあります |
Dolby TrueHD | ブルーレイなどに採用される高音質の音声規格で、最大で192kHz/24bitの音声を収録でき、7.1チャンネルサラウンドに対応 |
Dolby Atmos | 従来の5.1や7.1チャンネルに天井部分のスピーカー2台(4台)を加えた、5.1.2(5.1.4)や7.1.2(7.1.4)チャンネルの最新フォーマット |
米国DTS社による音声のデジタル圧縮・再生の方式で、ドルビー同様、映画、DVD、ブルーレイ、ゲーム機器などで採用されています。基本となる5.1チャンネルのDTSデジタルサラウンドから最新のDTS:Xまで多数あります。
規格 | 速度 |
---|---|
DTS | 基本となる5.1チャンネル |
DTS-ES | 5.1チャンネルに、真うしろの方向にサラウンドバックチャンネルを追加した6.1チャンネルシステム |
DTS-HD High Resolution Audio | ブルーレイなどに採用されている音声規格(96kHz/24bit)で、7.1チャンネルサラウンドに対応 |
DTS-HD Master Audio | ブルーレイなどに採用されている高音質の音声規格。2チャンネルでは最大で192kHz/24bitの音声収録も可能 |
DTS:X | Dolby Atmosと競合するDTS社の最新フォーマット。チャンネル数にこだわらないフレキシブルなスピーカーレイアウトに対応していることが特長 |
DTS Virtual:X | DTS社の最新フォーマット。バーチャルサラウンドは、人間の聴覚の特性を利用することで、少ないスピーカーでサラウンド感を生み出す技術 |
近距離の無線規格です。スマートフォンやタブレット、PCなどとワイヤレスで接続し、スマートフォン内の音楽を自宅のホームシアターで楽しめます。
NFCとは、10cm程度の近距離で通信を行うために開発された規格。NFC対応のスピーカーであれば、スマートフォンをタッチさせるだけで、簡単にBluetoothのペアリング設定ができます。
無線LAN規格の1つです。Wi-Fi対応機器ならメーカーに関係なく家庭内のネットワークに接続でき、PCやスマートフォンなどに収録された音楽も楽しめます。
企業や家庭内のネットワークのことをいいます。LANケーブルを使って機器をインターネットに接続したり、家庭内のネットワークに組み込んだりする際に使います。
AirPlayは、ビデオや写真、音楽などをiPhoneやiPod、iPadなどのApple製デバイスからApple TV、スピーカー、スマートテレビにストリーミングできる機能です。AirPlay対応のスピーカーであれば、Apple製デバイスから音楽などを再生できます。
数千万を超える楽曲を楽しめる世界最大級の音楽ストリーミングサービス「Spotify」と連携できる機能です。
設置する室内の形状や配置された家具などのデータを、付属マイクで測定。最適なサラウンド効果が得られるようにチューニングする機能です。
ハイレゾとは、高解像度を意味する「ハイレゾリューション」の略。ハイレゾ音源はCDよりも音の情報量が豊富で、より原音に近い音を楽しむことができます。
HDMIなどで映像伝送するときに用いられる著作権保護規格に「HDCP」というものがありますが、その最新のバージョンが「HDCP 2.2」です。高画質の映像などを視聴する際に、この規格に対応した機器が必要です。
テレビの電源がオンになると、スピーカーの電源も連動してオンになる機能です。個別に電源を入れる手間がなく便利です。
本体の電源をオン・オフや、音量のボリューム調整、入力の切り替えなどを行えるリモコンが付属している製品です。
最新の4Kテレビやレコーダーなどに採用されているHDCP2.2および4K/60p(YCbCr 4:2:0)映像信号を伝送できる、入出力端子を備えています。
従来のHDMIでは音声は光ケーブルなどを別途接続する必要がありましたが、ARC対応端子であれば、HDMIケーブルだけで接続可能。現在はほとんどがARC対応です。
多くのデジタル家電で採用されています。信号の劣化がほとんどなく、1本のケーブルだけで、高音質・高画質な音声と映像の両方をデジタル信号で伝送します。
本体にDVDを再生できるプレーヤー機能が搭載されている製品です。ブルーレイプレーヤーが搭載されたものもあります。
「コアキシャル」とも呼ばれる端子で、音声をデジタル信号で伝送する端子です。アナログの音声端子と同じ形状のRCA端子(ピンジャック)を使用しています。
さまざまな周辺機器を接続するための端子です。スピーカーのUSB端子を通じて、PCなどに保存された音楽を再生できます。
Bluetoothでのオーディオデータ伝送における必須のコーデックであり、多くの機器が対応しています。ただし、音質は他のコーデックに劣ります。
iTunesやデジタル放送などで使用されているものと同じコーデックです。元の音楽ファイルがAACで圧縮されていれば再圧縮されずに伝送されます。主にiPhoneなどで採用されています。
SBCよりも圧縮率が低く、広い音域の音をしっかりと再現できます。主にAndroid OSのスマートフォンで採用されています。
ソニーが開発した新しいコーデックです。96kHz/24bitのハイレゾ音源をダウンコンバートせずに伝送できます。
HDMIセレクター(AVセレクター)を接続することで増設できます。
ただし、機器を増設することで、映像や音質の劣化が発生する恐れがあります。
ミュートまたは音が出ないように設定します。
テレビのスピーカーとホームシアタースピーカーの音を同時に出すと、音がずれて聴こえるなどの問題が起きます。ホームシアタースピーカーを使用する場合は、テレビのスピーカーから音声が出ないようにしましょう。
ワイヤレス化することでケーブルをなくすことができます。
ホームシアタースピーカーの中には、リアスピーカーをワイヤレスで設置できるタイプのものもあります。専用のレシーバーで音声を受信してレシーバーとスピーカーを接続するタイプ、スピーカーに受信機能が搭載されているタイプがあります。
絶対必要ということはありませんが、調整することでよりよくなることがあります。
バータイプのスピーカーでは、映画の音楽、スポーツなどのコンテンツに合わせて最適な音質を選べる機能を用意していますが、微調整することで、より快適なサウンドに変わることもあります。
イネーブルドスピーカー
Dolby AtmosやDTS:Xを効果的に楽しむために必要な天井スピーカーと同様の効果が得られるスピーカーのこと。部屋の天井(天井高2.5〜3m程度)の反射を利用して3次元音場を作り出します。フロントスピーカーやリアスピーカーの上に置いて使います。
トールボーイ型
スピーカーの形状の1つで、横幅が狭く縦に細長いタイプのスピーカーです。設置面積が小さく、床に置けるので、現在主流となっています。
ハイトチャンネルスピーカー (フロントハイト/リアハイト/トップスピーカー)
5.1チャンネルを超える、7.1や9.1などのマルチチャンネルのホームシアター環境で用いられるスピーカーで、高い位置に設置するもののこと。5.1チャンネルサラウンドに新たに「高さ」の要素が加わり、フロントに設置するものをフロントハイトスピーカー、リアに設置するものをリアハイトスピーカーといいます。Dolby Atmosなどで必要な天井スピーカーは、トップスピーカーやオーバーヘッドスピーカーなどといわれます。
WAY(ウェイ)
WAYとは、電気信号を音として出す、「異なるスピーカーユニットの数」をさします。1WAYは、「フルレンジ」と呼ばれる低音から高音まで対応した全域用スピーカーユニット1つを使用した場合です。2WAYは低音用の「ウーハー」と高音用「ツイーター」のように2種類のスピーカーユニットを使ったもの。さらに中音用の「ミッドレンジ」が加わると3WAY、超高音用の「スーパーツイーター」などが加わると4WAYとなります。2本以上のスピーカーユニットで構成されたスピーカーは、マルチウェイといわれます。