活動量計の選び方
「活動量計とは?」という素朴な疑問から、移動距離や消費カロリーなどの「計測・表示可能な機能」やリストバンド型、クリップ型などの「装着方式の違い」まで、活動量計を選ぶためのポイントを解説。タニタ、オムロンなど主要メーカーの特徴も紹介します。
2025/3/21 更新
目次
活動量計は、身に着けることで本体のセンサーが身体の揺れを検知して動きを判断し、運動量(消費カロリー)を計測できる機器です。歩数計が歩行時のデータのみを計測するのに対して、身体の動き自体を加速度で計測し、計算式に当てはめて消費カロリーを算出します。歩行時だけでなく家事やオフィスワークなどの動きまで含めた消費カロリーを把握できるため、健康管理やダイエットを効果的に行うことが可能です。最近ではスマートフォンと連携してアプリ上でデータを管理できるものが一般的になっています。
日常の消費カロリーを把握する場合には、歩数・カロリー・睡眠の基本項目が計測できれば十分です。心拍数計測機能があれば消費カロリーをより正確に測れるとされているため、本格的なダイエット目的であれば同機能を搭載したものがよいでしょう。
カロリズムは、スティック状の本体をクリップで胸元やウエストなどに装着して使うタイプで、独自の計算式により消費エネルギー量を推定します。ジョギング用、ウォーキング用、ダイエット用など、さまざまな機種がラインアップされています。最新モデルには、1時間ごとの活動量の変化がわかり、生活リズムの見直しに役立つ「24時間カロリズムグラフ」が搭載されています。
「HUAWEI Band」は、パソコンやスマートフォン、タブレット端末などを展開するファーウェイが手がけるスマートバンドシリーズ。コンパクトさと多機能性で人気の同シリーズは、心拍数や睡眠、ストレスのモニタリングのほか、月経周期のトラッキングなど健康管理に役立つ機能を搭載。1.47型AMOLEDフルビューディスプレイを備えた「HUAWEI Band 9」が人気。スタイルに合わせて使える10,000以上の多種多様な文字盤が用意されています。
オムロンのベーシックな活動量計シリーズ。気圧センサーと加速センサーの2種類のセンサーで平地と階段歩行を識別し、階段上りの歩数を記録する機能や、早歩きの歩数をカウントする機能を持つ機種もあります。1か月の減量目標達成に必要な1日あたりの活動カロリーを自動算出し、達成度合いを表示するモデルも人気。同社のスマートフォン健康管理アプリ「OMRON connect(オムロンコネクト)」を使って測定データを管理できます。
活動量計には、移動距離、歩数計、消費カロリーなど、さまざまな計測・表示可能な機能があります。個々の目的に合った機能を備えた製品を選びましょう。
移動した距離を計測する機能です。ランニングやウォーキングなどで移動した距離を計測することで、どの程度の運動をしたかの目安になります。
歩行や家事などによる脂肪の推定燃焼量を表示します。通常、消費カロリーは脂肪と糖質の燃焼量を合計した数値ですが、脂肪と糖の消費割合が運動継続時間によって変化することを加味して脂肪燃焼量に特化した数値を表示します。
現在時刻など時間を表示する機能です。リストバンドタイプを腕時計としても使いたい場合はこの機能を備えた製品を選ぶとよいでしょう。
歩いた歩数を計測する機能。歩数に応じて運動量や食事量の目安がわかります。
すべての活動の消費カロリーを計測する機能です。ダイエット
睡眠時間や睡眠の質などを計測し、記録する機能です。睡眠の時間や質を計測するには、就寝中も装着し続けることになるため、コンパクトで軽量、かつ着け心地のいいモデルを選ぶとよいでしょう。
心拍数を計測する機能。生活の中で変化する心拍数を確認できます。心拍数計測機能があれば消費カロリーをより正確に測れるとされているため、本格的なダイエット目的であれば同機能を搭載したものがよいでしょう。
装着する方式、場所は製品によって異なります。自分の使用スタイルに合わせて選びましょう。近年はスマートウォッチ・スマートバンドが主流です。
活動量計の給電方法には、主に電池式と充電式の2タイプがあります。充電式のバッテリーは、USBやマグネット、ワイヤレス方式があり、製品によって1日〜数日ごとに充電する必要があります。電池式(ボタン電池)で稼働するタイプは数か月や1年単位で使用することができ、電池がなくなった場合は交換が可能です。睡眠トラッキング機能など、24時間装着して測定する端末の場合は、ボタン電池式か、できるだけバッテリー駆動時間が長い製品を選ぶようにしましょう。
活動量計は主要機能のほかにも機種ごとにさまざまな付加機能を有していますので、必要に応じて選択しましょう。最近のモデルの大半が備える代表的な付加機能の例として次のようなものがあります。
iPhoneやAndroidなどのスマートフォンと連携させることで、電話の着信やメールの通知を知らせてくれる機能です。そのほか、タスク管理・スケジュール管理が行える製品や電子マネー等の決済に対応したモデルもあります。
汗や軽いしぶき程度の生活防水はもちろん、入浴時、プールなどのウォーターシーンでも装着できるタイプや、ちりや埃が入るのを防げるタイプも人気です。
運動の強さを加味して消費カロリーを計測できます。
同じ歩数であっても運動の強さが異なれば消費カロリーには差が生じてしまいます。そのため、厚生労働省の健康づくりにおける指針でも、現在は歩数を基準としたものから運動の強さを加味した基準に切り替えられており、活動量計ではそれに準じた計測が可能になります。
自転車での運動を認識できる製品を選べば測定できます。
自転車での運動を認識できるものとできないものがあります。主な利用シーンが自転車であれば、対応した製品を選ぶとよいでしょう。
安静時代謝量
快適な室温の部屋で、座って安静にしている状態で消費されるエネルギー量のことです。基礎代謝量と比較して条件設定が緩く、起床後の活動や食事などの影響により多少変動がありますが、基礎代謝量の約1.2倍で設定されています。
総消費カロリー
基礎代謝量を含む、身体が消費したすべての消費カロリーのことです。
メッツ・エクササイズ
厚生労働省が2006年に策定した「健康づくりのための運動指針2006」で定義した用語で、メッツが身体運動の“強さ”、エクササイズがその“量”を表す単位です。個人の体重によって同じ運動でも数値が変動してしまう消費カロリーに対して、体重差に関係なく生活習慣病を予防するために必要な身体運動量を示す統一指標として設定された基準です。