スマートフォンの選び方
今や、生活に欠かせないアイテムとなっているスマートフォンですが、「機種や料金プランが多すぎて選べない!」とお困りの方も多いのでは? ここでは、OSやキャリアの違い、格安SIMの解説、主なメーカーと代表的なシリーズの紹介など、スマホ選びのポイントを解説します。
2025/2/21 更新

スマートフォンでもはや外せないキーワードとなった「AI」。アップル「Apple Intelligence」やGoogle「Gemini」、サムスン「Galaxy AI」など、各社は独自の生成AIモデルをスマートフォンに実装し、それを活用した独自機能をアピールしています。イラストや画像、文章の生成、翻訳や通訳、テキストの要約、アイデアの草案作成など、スマートフォンの新しい使い方が登場しただけではなく、日々進化を遂げています。今までは考えられなかったことが、スマートフォンでできるようになる可能性があるため、今後も生成AIを注視していて損はないでしょう。
iOSも、Androidも、ゲームやスケジュール管理、書類の作成・閲覧など、多数の魅力的なアプリを利用できるという点では共通しています。一部例外はありますが、大きな違いは、OSと端末を開発するメーカーが同じかどうか、また、それに伴うカスタマイズのしやすさなどが挙げられます。
iOSは、iPhoneのメーカーであるAppleが開発したOSです。iOSを搭載しているのは、Apple製品のみです。OSとハードのメーカーが同じであるため、最適な動作になるようにチューニングされているのが強みです。
Googleが開発したスマホ・タブレット向けのOSです。Androidは、メーカーの壁を越えて提供されており、世界中でAndroidを搭載したスマホが製造、販売されています。Google自体が発売しているスマホ「Pixel」シリーズもあります。
キャリアとは、携帯電話の通信サービスを提供する通信事業者のことです。自社のモバイル回線を所有する事業者のことで、日本では主にdocomo・au・SoftBank・楽天モバイルを指し、「MNO」と呼ばれることがあります。これに対して「MVNO」と呼ばれるのが、自社で回線を持たず「MNO」の回線を借りて通信サービスを行っている事業者です。キャリアを選択する際には、自分が使いたい端末を取り扱っているか、料金プランや通話エリアは自分のニーズに合っているかなどをポイントにしましょう。
MNO(Mobile Network Operator)は、日本語では「移動体通信事業者」。自社のモバイル回線を所有している事業者のことを指し、日本では主にドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルを指します。つまり「キャリア」=MNOとなります。
MNOから選ぶ
格安SIMとは?

格安SIMとは、大手携帯電話会社よりも格安の料金で利用できる携帯電話サービスのことを指します。具体的には、格安SIMカードを提供する企業から、小さなICチップ「SIMカード」を購入し、それを手持ちのSIMフリーのスマートフォンに挿入することで、通信が可能になります。ただし、格安料金で利用できますが、大手携帯電話会社と比べて通信速度が遅くなることもしばしば。実際に格安SIMを契約する際は、料金だけではなく、通信速度や提供エリアも確認したほうがよいでしょう。
昨今はスマートフォンの大型化が進み、6.0〜6.2インチが主流で、それよりも大きな6.5インチ以上のスマートフォンも多数あります。たとえば、ディスプレイの見やすさよりも、携帯のしやすさ、持ちやすさといったことを優先するのであれば6.0〜6.2インチを、アプリ使用時や動画鑑賞、ゲームプレイ時にできるだけ大きな画面で見たいのであれば6.5インチ以上を選ぶのがよいでしょう。


スマホを世界に定着させた立役者ともいえる存在。標準モデルに加えて「iPhone Pro」「iPhone Pro Max」などサイズやスペックの異なるモデルが複数ラインアップされています。標準モデルでもスペックは総じて高く、Apple製品の高いクオリティーを体験可能。ただし、最新モデルは高価な傾向があるので、予算とのバランスを考えて型落ちモデルも候補に入れましょう。型落ちモデルでも、普段使いには十分すぎるほどの高いスペックを備えています。
シャープの「AQUOS」は、長年バッテリーと頑丈ボディに注力してきたスマートフォン。その電力効率の高さ、経年劣化に対するバッテリーの耐久性は他社と比較して頭ひとつ抜きんでており、長時間駆動が長期間続くのが大きな特徴です。エントリークラスの「AQUOS wish」、ミドルクラスの「AQUOS sense」、ハイエンドの「AQUOS R」が展開されており、特に「AQUOS sense」は価格と性能のバランスがとれた製品として人気があります。
かつてはクリエイター向けの機能を強化していたソニーの「Xperia」ですが、昨今は一般ユーザーでも使いやすくという新しいアプローチを取り入れ、誰もが使いやすいスマートフォンへと生まれ変わりました。ミドルクラスの「Xperia 10」、ハイエンドの「Xperia 1」をラインアップ。特に、「Xperia 1」シリーズは、カメラに同社のデジタルミラーレス一眼カメラ「α」シリーズと似た機能を搭載しており、カメラデビューの第1歩としてもよいでしょう。
Androidを開発・提供するGoogleのスマートフォン。Androidの最新機能がいち早く体験でき、同社のAI「Gemini」がプリインストールされているのもポイントです。ミドルクラスの「Pixel a」、ハイエンドの「Pixel/Pixel Pro」、折りたたみスマホ「Pixel Fold」が展開されています。どちらのシリーズでもカメラに定評があり、AIを活用した最新のカメラ機能により手軽にキレイな写真、動画が撮影可能です。
Androidスマートフォンとして日本でも長く親しまれ、世界的にも知名度の高い「Galaxy」。ミドルクラスの「Galaxy FE」、ハイエンドの「Galaxy S」、その上をいく「Galaxy S Ultra」、折りたたみスマホ「Galaxy Z Fold/Flip」がラインアップされています。どのモデルも性能とカメラ機能に定評があり、「Galaxy S Ultra」はAndroidスマートフォンの中でも最高峰クラスです。また、同社のAI「Galaxy AI」は、通訳や翻訳、議事録作成、要約などのAI機能が非常に充実しています。
コストパフォーマンスにすぐれたスマートフォンとして注目されている「Xiaomi」(シャオミ)。日本ではハイエンドの「Xiaomi」、エントリー〜ミドルクラスの「Redmi」、ゲーミングスマホの「POCO」の3シリーズを展開しています。どのシリーズも、価格以上の機能性の高さを備えており、購入者の満足度が高いのが特徴。いい製品をなるべく低価格で求める人にはピッタリです。
ミドルクラスの価格帯で2モデルをラインアップする「arrows」。耐衝撃性の高さや、ハンドソープで洗える防水性能など安心して使える機能に注力しています。また、自律神経の状況を見える化する、ほかの製品にはない機能も搭載。レノボ傘下に加わってからは、動作の快適性やカメラ機能、コストパフォーマンスの高さも評価されています。
ハイエンドクラスの「Zenfone」、上位モデルの「Zenfone Ultra」、ゲーミングスマホ「ROG Phone」を展開するASUS。どのモデルもパフォーマンス、カメラ機能、ディスプレイが高いクオリティーで、上質なスマートフォン体験が味わえます。特に、「ROG Phone」は、ゲームを快適に遊ぶ処理性能に加えて、冷却機構やライティング、システム管理用アプリなどゲーミングに特化した機能を搭載。ゲーマーなら一見の価値があるスマートフォンです。
iPhoneライクなユーザーエクスペリエンスと、コストパフォーマンスの高さで知られるOPPO。エントリークラスの「A」シリーズ、ミドルクラスの「Reno」シリーズ、ハイエンドの「Find X」シリーズを展開。そのなかでも、特に「Reno」シリーズが人気を得ています。
エントリークラスの「moto g」からミドルハイクラスの「motorola edge」、そして折りたたみスマホ「razr」まで幅広い価格帯で製品を展開するモトローラ。価格と性能のバランスが取れたスマートフォンながらも、端末を振るとカメラが起動するなど、多彩な操作を提供する「motoアクション」というモトローラならではの独自機能も魅力のひとつです。

スマホは搭載しているバッテリーの容量により、一度の充電で連続使用できる時間が異なります。現在、一般的なバッテリー容量は3,000〜3,500mAh程度で、4,000mAh以上のバッテリーは大容量といってよいでしょう。一度の充電で長時間使用したい人は大容量のバッテリーを搭載した製品を選びましょう。
バッテリー容量から製品を探す
スマホに掛かっているロック(キャリアや機種ごとの制限)が解除されている端末のこと。端末を購入した会社のSIMカードだけでなく、割安なMVNO事業者のSIMカードを挿入して利用できます。
スマホに内蔵された本体一体型のSIM機能のこと。遠隔操作で契約情報を書き換えられるようになっているため、設定が書き込まれたSIMカードが届くのを待ったり、扱いにくい小さなSIMカードを差し替えたりする必要がありません。

「無線LAN」とも呼ばれ、家庭やオフィス、公共機関に設置された無線LANブロードバンドルーターを経由してインターネットに接続できる機能です。ほぼすべてのスマホがWi-Fiに対応しています。

ヘッドセットやイヤホン、キーボードなどをワイヤレスで利用するための通信規格で、ほぼすべてのスマホに搭載されています。接続が簡単で、消費電力も小さく、手軽に利用できるのが特徴です。

スマホをかざすことでデータを通信するための機能です。現在は、無線LANブロードバンドルーターの設定や、写真などのデータ交換などの用途で使われています。

スマホの通信回線を利用し、ノートパソコンやタブレット端末などをインターネットに接続する機能です。外出先でWi-Fi環境にないときなど、ポケットWi-Fiなどのモバイルルーター代わりにスマホを利用できるので、便利です。

スマホをタッチすることで、買い物の支払いをしたり、駅の改札を通過したりすることができる機能です。国内メーカーだけでなく、AppleもiPhone 7/7 Plusより対応し、広く普及しています。
Apple独自の決済サービスです。iPhoneなどの端末をお財布代わりにして支払いが可能。「Suica」や「PASMO」などの交通系ICにも対応しており、交通機関の利用も可能。そのほか、「iD」、「QUICPay」などにも対応しています。
※PASMOは、iPhone8以降対応

水にぬれても故障せずに使用できる機能です。雨や水滴に耐える生活防水から、水没した状態でも利用できる完全防水まで、製品によって耐久性に差があるので、購入時に確認しましょう。ホコリに強い防じん性能を備えたモデルもあります。

イヤホンのケーブルを差し込む端子のこと。ワイヤレスイヤホンの普及により、イヤホンジャックを搭載していないスマホが増えています。有線イヤホンを使用している人はスマホ購入時に注意が必要です。

フルハイビジョン(フルHD)の約4倍の情報量を持つ、高精細な映像を撮影可能です。なお、フルハイビジョンの解像度が1,920×1,080ドットなのに対し、4Kは3,840×2,160ドットです。カメラの性能を重視する人はチェックしておくとよいでしょう。
高解像度を意味する「ハイレゾリューション」の略。ハイレゾ音源はCDよりも音の情報量が豊富で、より原音に近い音を楽しむことができます。スマホで頻繁に音楽を聴く人や音質を重視したい人に最適な機能です。

iPhoneやiPadなどのiOSデバイスで使われている端子。Apple独自の端子として開発され、iPhoneやiPad、Apple Watchの充電や同期に使用されています。「平たい楕円形の形状」が特徴で、表裏の区別がありません。なお、「iPhone 15シリーズ」の充電端子は、汎用規格である「USB Type-C」が採用されています。

2015年ごろに登場した、上下左右を対称の形にしたUSBコネクタ。端子の上下を問わずに挿入可能で、最新のAndroid端末などに採用されています。なお、USB Type-C規格に対応しているPCや周辺機器は両端が同一の形状の製品が多いため、この規格で統一できるようになったことが大きな特徴です。

スマホを充電器に置くだけで充電することができる機能のこと。充電のたびにコネクタを抜き差しする手間がなく、コネクタの接触不良を回避できるほか、複数のワイヤレス充電対応機器を1つの充電器で充電できます。

ゲーミングスマホとは、その名のとおりゲームに特化したデザインや機能性、性能を備えるスマートフォンの総称です。3Dゲームを快適に遊べるパフォーマンスの高さ、ゲームのじゃまにならないUIや操作性、熱暴走を防ぐための冷却機構、ライティングを備えた派手なボディデザイン、ゲームを有利に進める機能など、ゲーマーなら欲しくなる魅力が満載。スマートフォンでゲームを毎日遊ぶ人なら、ゲーミングスマホを視野に入れてもよいでしょう。
ゲーミングスマホを探す
携帯電話番号ポータビリティ制度を利用すれば可能です。
現在使用している電話番号のままで他社に乗り換えることができるサービス「MNP」(携帯電話番号ポータビリティ)を利用します。現在利用している通信事業者からMNP番号を入手し、それを新たに使う通信事業者に伝えることで、電話番号を変えずに利用できます。
場所(エリア)や時間帯などで速度差が出る可能性はあります。
各MVNOはデータ通信時の通信速度を公開していますので、参考にするとよいでしょう。ただし、格安SIM事業者であるMVNOは、大手キャリアMNOから回線を借りて運用しているため、混雑しやすい場所・時間帯などでは大手キャリアと速度差が出る可能性があります。
手続き次第では、使用できない期間が発生する可能性もあります。
MNP転出手続きを行ってから新しいSIMカードが手元に届くまでの間、使用できない期間が発生する可能性もあります。それが困る場合は新しい格安SIMが到着してから切り替えができる「即日MNP」が可能な事業者を選択するとよいでしょう。
1GBで通信できる目安を参考にしましょう。
スマートフォンを使用して1GBで通信できる目安を紹介します。Webページなら「Yahoo!」のトップページを3,000回程度、動画なら「YouTube」で4分40秒の動画を約86回、インターネット電話なら「Skype音声テストサービス」を約18時間利用できます。これらの数値を把握したうえで、自分の動画視聴時間、Webページの閲覧時間(回数)などから判断しましょう。
可能です。
1回の使用時間が購入直後の半分程度になったら、電池の寿命が近づいている証拠です。大手キャリアの製品はもちろん、格安スマホなどでも交換が可能です。有償交換のほか、メーカー保証の適用条件に当てはまっていれば無償で交換できる場合もあります。
できます。
割れてしまったスマホの画面を直すには、①スマホのメーカーに持っていく、②契約している携帯電話会社に持っていく、③修理専門のショップに持っていくというの3つの方法があります。なお、メーカーの有料保証プランに加入している場合は、無料で修理ができます。
内蔵ストレージ自体を増やすことはできません。
パソコンのように内蔵ストレージ自体を増やすことはできませんが、microSDカードを挿入し、写真や動画の保存先をmicroSDカードに設定しておく、既存の写真や動画をmicroSDカードに移動させる、などの方法は可能です。
できます。
最近は大手キャリア各社でも端末の購入や修理依頼などは電話・オンラインでの手続きが可能になっています。ただし、回線の解約や名義変更、契約者の氏名変更など、店頭でしかできない手続きもあります。また、オンラインでの契約しかできないサービス会社もあります。
国際ローミング
「Roam」とは「歩き回る、放浪する」の意味で、国内で契約をしている携帯電話などを海外でも利用できるようにすることを「国際ローミング」といいます。
速度制限
通信事業者の契約プランごとに定められているデータ通信量の上限を超えて通信を行うと、通信速度を低速に制限されることをいいます。
App Store
Apple社が運営するiPhone/iPod touch/iPad向けアプリケーションのダウンロードサービス。ゲームや音楽、映画、書籍など多数のアプリケーションをダウンロードできます。
Google Play
Googleが提供するコンテンツ配信サービス。Google Playストアにアクセスすれば、Androidスマートフォン/タブレットで使えるアプリや動画、音楽、電子書籍などを入手することができます。
MNP
MNP(携帯電話番号ポータビリティ)とは、今の電話番号そのままで他社に乗り換えることができるサービスのことです。
SMS
ショートメッセージサービスの頭文字を取ったもので、携帯端末間でテキストをやり取りできる仕組みのこと。国際規格のため専用のアプリなどを必要とせず、基本的に世界中の携帯端末同士で送受信できます。