お正月は、なぜおせちを食べるの? 食材にはどんな意味がある? そんな疑問を徹底解説!
2023/10/19 更新
おせちの語源は「節供(せちく)料理」。元々はお正月だけでなく、桃の節句(3月3日)、端午の節句(5月5日)など、節目の行事ごとに神様へお供えする料理のことでした。それが長い年月を経て「正月の節供料理」をさすようになり、"おせち"と略され、定着していったのです。正式なおせちは五段重ですが、現代では簡略化され一段重も人気です。おせちには、旬の食材やその土地の特産物、縁起物などがふんだんに盛り込まれます。それらのもつ力を心身に取り込み、新年の幸せを授かりましょう。
おせちは、日本料理の礎となる「五味(甘い、塩からい、からい、苦い、酸っぱい)」、「五色(白、黒、黄、赤、青)」、「五法(生のまま、焼く、煮る、揚げる、蒸す)」を基本に構成されます。数の子、黒豆、エビや昆布巻きなど、縁起のよい食材をふんだんに使い、「一年を幸せに過ごせますように」と、願いを込めた料理が重箱に並びます。
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おせちの主役。祝い肴をたっぷりと一の重
祝い肴とは、読んで字のごとく「祝いの席に出される酒の肴」のこと。おせちに欠かせない祝い肴は「三種肴」とも呼ばれ、関東では数の子・田作り・黒豆をさし、 関西では黒豆がたたきごぼうに変わります。おせちが用意できない年でも、この3品は押さえておきたいですね。
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焼き物の重。海の幸を豪快に盛り付け二の重
栗きんとんや伊達巻などはともかく、お魚や根菜などはいろいろな調理方法がありますよね。おせち料理には5種類の調理方法(生のまま、焼く、煮る、揚げる、蒸す)を取り入れるとよいとされていますので、 ここがしっかり網羅されていれば、ご家族が食べやすいように献立を工夫してもOKです。
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食べ応えたっぷりの煮物を中心に三の重
食材や調理方法など、すみずみまで気配りがされているおせち。実は、一段に詰める料理の品数にも「縁起がよい」とされている数字があります。5種類、7種類、9種類などの奇数は、昔から「吉数」とされ、縁起がよいといわれています。煮物が主体で色のバランスが難しい三の重ですが、吉数も意識しながら盛り付けをしてみましょう。
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酢の物、和え物の重。箸やすめにもぴったり与(四)の重
昔の人は「言霊(ことだま)」という概念を大事にしていました。言葉には魂が宿り、いずれ実現すると考えていたのです。 四という字は読み方によっては「死」とも読めるため、お祝いの席にはふさわしくありませんでした。そこで「よん」という読みを元に、おせちの四段目には「与」という字を当てたのです。
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おせち料理を食べるときに気をつけることは? 「祝い箸」を必ず使いましょう。
祝い箸とは、両側を細く削ったお箸のこと。いっぽうは人間が、もういっぽうは年神様が使うと考えられています。年神様と一緒に食事をすることがおせち料理の目的ですから、祝い箸はしっかりと準備しておきましょう。
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お正月の料理はいろいろあるけど、どこまでが「おせち料理」? お屠蘇(とそ)・お雑煮・お重の3つ。特にお雑煮が大事です。
「おせち」に定義されるのは「お屠蘇」「お雑煮」「お重料理」の3つ。なかでも、最も重要な意味をもつのはお重料理ではなく、実はお雑煮なのです。鏡餅には年神様の魂が宿るといわれ、それをお雑煮にしていただくことで、魂を心身に取り込めるとされています。
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お屠蘇の味が苦手……。飲まなくてもよい? 飲むまねごとだけでもOKです。
「邪気を払い、魂を蘇らせる」という意味があり、不老長寿を願うお屠蘇。屠蘇散(とそさん)と呼ばれる漢方薬を、お酒かみりんに浸していただきます。独特の風味が苦手という人やドライバーの人、子どもは、ちょっと口をつけて飲むまねをするだけでもOKです。お屠蘇は、まず一家で最も若い人が飲み、同じ杯を年齢順に進めていって、最後に年長者が飲むのが本来の形です。若い人がもつ生命力を年長者へ分け与え、一家全員の長寿を願うのです。