業務の効率化やクリエイティブな業務支援に注目が集まるAI搭載パソコン（AIPC）。本特集では、最新AIPCの特徴やビジネスでの活用事例をはじめ、各メーカーのイチオシモデルを紹介。導入メリットと選び方をわかりやすく解説します。次世代PC選びの参考にぜひご覧ください。
Writer/Editor：価格.comマガジン編集部
公開日 2025/9/1
AI搭載パソコン（AIPC）とは？
AI搭載パソコン（AIPC）って何？ 従来のパソコンとの違いは？
AI処理専用チップ「NPU」を搭載した次世代PC
AIPCとは、「AI Personal Computer（AI搭載パソコン）」の略称で、最大の特徴はAI処理専用のチップ＝NPU（Neural Processing Unit）を搭載していることです。NPUは、AIによる要約、翻訳、画像生成などのさまざまな処理を、スピーディーかつ省電力で実行できる専用プロセッサー。これにより、日常業務にAIを活用するための処理能力がパソコン本体に備わっているのが特徴です。
“第3の頭脳”NPUが仕事を支える存在に
パソコン内部では、目的別に異なる「頭脳」が協力して動いています。例えるならば、CPUは全体を指揮する“現場監督”、GPUは映像やグラフィックを担う“職人”。そしてAIPCに搭載されるNPUは、AI処理を専門に担う“優秀なアシスタント”です。
NPUを搭載することで、「議事録の自動生成」「資料作成のたたき台づくり」「メール文の文章提案や要約処理」といったAI処理業務を手間なく、素早くこなすことが可能に。AIPCは単なる高性能PCではなく、「業務の進め方そのもの」を変える存在と言えます。
AI非搭載のパソコンでAIツールを利用することとの違いは？
ネットに頼らずAIが使える
AI搭載パソコン（AIPC）でなくても、ChatGPTなどのAIツールをWEB経由で使っている方は多いかもしれません。しかし、こうした従来のAI利用は、基本的にインターネットを通じてクラウド上のAIにアクセスする方式です。いっぽうで、AIPCはAI処理専用のチップ（NPU）を内蔵しているため、AI機能をパソコン本体でローカル処理できるのが大きな違いです。
ローカル処理だからこそ、速くて安心
クラウドを介さずに、要約・翻訳・音声認識・画像生成などの処理をPC内で完結できるため、
- 応答速度が速い
- ネット環境に左右されない
- データが外部に送られない
というメリットがあります。特に、社外秘の情報や機密文書の処理でも安心してAIを活用できるのは、ビジネスシーンにおける大きな価値です。
さらに、AIPCではOSやソフトウェアにAI機能が統合されているため、アプリを切り替えることなく、より自然な操作でAIを使いこなせます。ただし、利用するAIツールやアプリによってはクラウドを介して処理するため、すべてのAI処理（AIタスク）をローカル処理するわけではないということを覚えておきましょう。
ひと目でわかる！ 従来PCとAI搭載パソコン（AIPC）の比較一覧
| 従来のPC | AI搭載パソコン（AIPC） | |
|---|---|---|
| AI専用プロセッサ | なし（CPU/GPUのみ） | NPU搭載 |
| AI処理を行う場所 | クラウド中心（オンライン環境必須） | ローカル処理が中心（PC内で処理） |
| 処理速度 | 遅い | 高速（NPUによる処理） |
| バッテリー消費 | 多い（CPU・GPUに依存） | 少ない（NPUが省電力のため） |
| 作業効率 | 手動作業が中心 | AI自動化・最適化で大幅に向上 |
| セキュリティ | 入力内容がクラウドに送信される可能性あり | データはPC内にとどまり、プライバシー保護にすぐれる |
注目のAIPC「Copilot+PC」とは？
現在、AI搭載パソコン（AIPC）の代表格として注目されているのが、Microsoftが発表した「Copilot+PC」です。これは、AI機能をPCのOSレベルで統合し、日常の操作そのものをスマートに進化させたWindowsの新しいカテゴリです。「Copilot+PC」と名乗るためには、一定以上のAI処理性能（最小システム要件）を満たす必要があります。この要件を満たすことで、Copilot（AIアシスタント）によるリアルタイムの要約、翻訳、検索支援、画像生成などが、クラウドに頼らずローカル環境で高速かつ安全に実行可能。ビジネスの生産性とセキュリティを両立する次世代の業務端末として注目されています。
Copilot+ PC 必要スペック（最小システム要件）
- 互換性のあるプロセッサまたはシステム オン チップ (SoC)
Microsoftが承認したプロセッサまたはSoCで40TOPS以上の処理性能を持つNPUを搭載 - RAM
メインメモリが16GBのDDR5またはLPDDR5 - ストレージ
256GB以上のストレージ（SSDまたはUFS）
AIPCの特徴・まとめ
- AI専用の“第3の頭脳” NPUが、業務をスムーズに支援
- オフラインでも使える、ローカルAI処理に対応
- データが外に出ないから、セキュリティ面でも安心
- NPU搭載により、省電力でバッテリーも長持ち
AI搭載パソコン（AIPC）の選び方
重視すべきは、搭載されているNPUの性能
NPUの性能は「TOPS」に注目！
AI搭載パソコン（AIPC）を選ぶ際にまず注目したいのが、NPUの処理性能です。NPUの性能は一般的に「TOPS（トップス）」という単位で表されます。これは「Tera Operations Per Second（1秒間に何兆回の演算ができるか）」を示す指標で、数値が高いほどAI処理が高速・高精度に行えることを意味します。 最新のAIPCモデルの多くが、40TOPSを超える高性能NPUを搭載しており、複数のAI機能を同時に使用しても快適に動作します。処理の重い画像生成やリアルタイム音声認識などを使いたい方は、なるべくTOPS値が高いモデルを選ぶと安心です。
AIPCの処理性能を見分けるには、CPUやメモリー、ストレージにも注目！
スペックはバランスのよい“総合力”が重要
AI処理に特化したNPUは、AIPCの核となる重要な要素ですが、快適なパフォーマンスを得るには、CPUやメモリーなどのスペックもバランスよく整っていることが大切です。注目したいのは、CPU（中央演算装置）。AI以外の処理、たとえばOSの起動やアプリケーションの操作、ファイル管理などは引き続きCPUが担うため、最新世代の高性能CPUを搭載しているかどうかが、AIPC全体の動作スピードを左右します。
また、メモリー（RAM）も見逃せないポイントです。AI処理は一時的に多くのデータを扱うため、ビジネス用途なら16GB以上を推奨。画像生成や同時並行の作業が多い場合は、32GB以上の構成が安心です。
さらに、ストレージ（SSD）も重要。AI処理に関する一時ファイルや、生成された画像・音声などのデータ保存のために、512GB以上の容量があると実用的です。
各スペックの役割と推奨スペック目安
| 推奨 | 役割・解説 | |
|---|---|---|
| CPU |
|
|
| メモリー | 16GB以上 |
|
| ストレージ | 512GB以上 |
|
| 画面サイズ | 携行性を重視するなら、14インチ以下 据え置き用途なら、15.6インチ以上 |
|
| バッテリー駆動時間 | 10時間以上 |
|
AIPCの選び方・まとめ
- NPUの性能は「TOPS」に注目！
- 全体の動作を支えるCPUは高性能＆最新世代を選ぶと安心
- メモリー（RAM）は16GB以上を推奨
- ストレージはSSDで512GB以上を目安に！
メーカー別・2025年注目のAI搭載パソコン（AIPC）
Dynabook（ダイナブック）
「Dynabook」は長年の技術力と信頼性を強みとしています。ノートPCを世界で初めて(※)開発したメーカーで、モバイルノート、大画面ノート、2in1デタッチャブルなど、さまざまな製品をラインアップ。「dynabookブランド」は36年にわたり培ってきた技術力をもとに、高品質な製品と人に寄り添うサービスを提供し続けています。※1989年にA4サイズのノートPC「Dynabook J-3100 SS001」を発売
DynabookのすべてのAI搭載ノートパソコンを見るDynabook（ダイナブック）の注目モデル
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iiyama PC（イイヤマ）
パソコン工房WEB通販サイトで購入できるiiyama PCは、BTO (Build to Order)パソコンを中心に、幅広いニーズに対応した製品を展開しています。長野県飯山市を拠点とした「国内生産による品質の高さ」と、細かな仕様変更ができる「カスタマイズ性の高さ」が特徴。24時間365日対応のコールセンターや、全国店舗での対面サポートなど、充実したサポート体制も魅力です。
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インテル Core Ultra 5 226V(Lunar Lake)
2.1GHz/8コア - NPU：
Intel AI Boost
40TOPS - ビデオチップ： Intel Arc Graphics 130V
- メモリー容量： 16GB
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軽さと堅牢性を兼ね備えた14型のモバイルノート
1kg以下の軽さを実現しつつ、堅牢性も備えた14型のモバイルノートPCです。CPUには次世代AI体験を実現するために構築された高効率プロセッサー「インテル Core Ultra 5 226V」を搭載。NPUのAI処理能力は最大で40TOPSを実現します。キーボードには「Copilotキー」を搭載し、キーを押すだけで「Copilot」が簡単に起動できるため非常に便利。オフィスワークやクリエイティブな作業まで、あらゆるニーズに対応します。この商品の詳細を見る iiyama PC公式サイトで詳しく見る -
最安価格(税込)¥
- 画面サイズ： 16 型(インチ)
- CPU：
インテル Core Ultra 7 256V(Lunar Lake)
2.2GHz/8コア - NPU：
Intel AI Boost
47TOPS - ビデオチップ： Intel Arc Graphics 140V
- メモリー容量： 16GB
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大画面ながら薄型・軽量を実現したAIPC
16型液晶パネルを採用しながらも、約1.3kgを切る軽量・薄型ボディを実現したノートPC。CPUには「インテル Core Ultra 7 256V」を搭載し、画像や動画の編集なども快適にこなせます。NPUのAI処理能力は、最大で47TOPS（1秒間あたり47兆回の整数演算）を実現。キーボードにはAIアシスタント「Copilot」キーを搭載し、簡単に起動できて便利です。自宅や職場でのメインPCとして頼りになる1台と言えます。この商品の詳細を見る iiyama PC公式サイトで詳しく見る
![STYLE∞ Core Ultra 5 226V・16GBメモリ・500GB NVMe M.2 SSD・14インチ WUXGA・Windows 11 Home [DSP版]・STYLE-14FH129-U5-UHX](https://img1.kakaku.k-img.com/images/productimage/fullscale/K0001658054.jpg)
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Dell（デル）
Dellは、BTO（受注生産）での販売をいち早く手掛けた世界を代表するパソコンメーカーの1つ。カスタマイズ性の高さが魅力です。エントリーモデルから最新のAIPCまで、最短当日出荷の即納モデルも多数展開。法人向けにも強く、サポート体制も充実しています。
DellのすべてのAI搭載ノートパソコンを見る DellのすべてのAI搭載デスクトップパソコンを見るDell（デル）の注目モデル
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Dell 16 Plus Core Ultra 7 258V・32GBメモリ・1TB SSD・2.5Kディスプレイ搭載モデル(DB16250) [アイスブルー]
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インテル Core Ultra 7 258V(Lunar Lake)
2.2GHz/8コア - NPU：
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「オンデバイスCopilot+」で、最新のAI体験を実現！
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Dell スリム デスクトップ Core Ultra 5 225・16GBメモリ・512GB SSD搭載モデル(ECS1250)
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省スペース設計の高性能デスクトップPC
置き場所を選ばない省スペース設計のデスクトップPC。AI内蔵のインテル「Core Ultra 5 225」プロセッサーへのアップグレードにより、生産性と創造性を新たなレベルに引き上げることができます。また、このAIPCはシステムの冷却性と静音性を維持しながら、全体的な効率性を向上させ、時間を節約するように設計されています。この商品の詳細を見る Dell公式サイトで見る
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AI搭載パソコン（AIPC）の活用事例と導入メリット
AI搭載パソコンでどんなことができるの？ メリットは？
AI搭載パソコン（AIPC）は、単に高性能なパソコンというだけでなく、日々の業務をアシスタントのようにサポートしてくれる存在です。AI専用チップ「NPU」の搭載により、これまで手作業で行っていた作業をスピーディーかつスマートに処理できるようになり、業務の効率化や時間短縮に大きく貢献します。ここでは、主要なビジネス職種ごとに、具体的な活用法とその効果を整理して紹介します。
職種別｜ビジネスシーンでのAIPC活用事例
人事・総務職
採用対応や日程調整をAIが効率化
応募者対応や面接日程調整、社内文書作成など、手作業が多く煩雑。
できること
AIが履歴書・職務経歴書を自動でスクリーニングし、適性に応じて分類。
メール文面の下書きも自動生成し、内定通知やリマインド対応も効率化。
採用対応や事務連絡が迅速化し、人的リソースを戦略人事へとシフト可能。
面接後の議事録作成やフィードバック整理もスムーズに。
経理・管理部門
定型処理の自動化でミス削減
請求書や経費精算など、反復的な処理業務に時間を取られがち。
できること
AIが請求書の内容を読み取り、自動で仕訳・金額チェックを実行。
定型フォーマットの帳票作成や文書要約も対応可能。
処理スピードが大幅に向上し、ミスのリスクも軽減。
人が対応すべき判断業務に時間を回せるように。
クリエイティブ職
制作作業の“下準備”はAIに任せる
構成案の立案や素材づくりに手間がかかり、表現の仕上げに時間が回らない。
できること
画像生成やトリミング、不要物除去、色補正などをAIが自動で実施。
動画編集でも、テロップ生成や場面の分類・要約などに対応可能。
反復作業から解放され、より創造的な工程に集中できる。
短納期の案件対応力が向上。
経営層・マネジメント職
判断の質とスピードを両立
資料確認や意思決定に必要な情報収集・整理に手間がかかる。
できること
社内外の情報やドキュメントをAIが自動要約・分析。
会議の議事録もリアルタイムで整理され、意思決定に必要な要点がすぐに把握できる。
情報収集・判断のサイクルが高速化。
定型的な読み込み・資料整理の手間がなくなり、戦略立案に集中できる。
AIPCのメリット・まとめ
- 日常業務の“自動化”で作業時間を大幅に短縮
- 作業スピードと正確性が向上
- 創造的・戦略的な業務に集中できる環境を実現
- 情報収集・意思決定がよりスムーズに
- 人手不足対策・働き方改革にも貢献
Q&A（よくある質問と回答集）
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Q
CPUとNPUって何が違うの？
ACPUはパソコン全体の処理を担う中心的なチップ、NPUはAI処理専用の補助チップです。AIの要約・翻訳・画像生成などを効率的にこなし、CPUの負担を軽減する役割もあります。
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Q
NPUの指標となる「TOPS」は数値が高いほどいい？
ATOPS（Tera Operations Per Second）は、NPUのAI処理能力を示す指標です。数値が高いほど処理が速く、複数のAI機能を同時に使っても快適に動作します。迷ったら、40〜50TOPS以上を目安に選ぶと安心です。
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Q
ローカルAIとクラウドAIはどう違う？
AクラウドAIはインターネットを介して処理するため、通信環境に依存します。いっぽう、ローカルAI（AIPC）はPC本体内で処理を完結。応答が速く、オフラインで利用できるため、セキュリティ面でも安心です。
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Q
NPU搭載のパソコンはバッテリー持ちもよくなるの？
Aはい。NPUはAI処理に特化しているため、CPUやGPUよりも少ない電力で高速処理が可能です。そのため、AIPCはバッテリー効率にすぐれ、長時間の外出先作業でも安心です。
-
Q
「Copilot+PC」は通常のWindows PCとどう違う？
A「Copilot+PC」は、Microsoftが定義するAI活用に最適化されたハードウェア要件を満たすパソコンです。通常のWindows PCと異なり、NPU搭載・40 TOPS以上・長時間バッテリー駆動などの要件があり、AI機能を最大限活かす前提で設計されています。
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Q
AIPCを導入することで従業員の業務はどう変わる？
AAIが議事録や資料作成などの手間を軽減するため、提案・判断・調整といった本来の業務に集中しやすくなります。
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Q
AIPCの導入コストやコスパの目安は？
A10〜20万円台が主流です。業務効率やセキュリティ向上によって、中長期で十分な費用対効果が見込めます。
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