iPad AirとiPad mini Retinaディスプレイモデルの料金やスペックを価格.comが徹底解剖。SoftBank、auが実施しているキャンペーンの違いなどもご紹介します。
基本スペック比較
iPad Air | iPad Retinaディスプレイモデル |
iPad mini Retinaディスプレイモデル |
iPad mini | |
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液晶画面 | 9.7インチ (2,048×1,536) |
9.7インチ (2,048×1,536) |
7.9インチ (2,048×1,536) |
7.9インチ (1,024×768) |
Retinaディスプレイ | ○ | ○ | ○ | × |
カラー | スペースグレイ/シルバー | ブラック/ホワイト&シルバー | スペースグレイ/シルバー | ブラック/ホワイト&シルバー |
幅x高さx厚み | 169.5×240.0×7.5 mm | 185.7×241.2×9.4 mm | 134.7×200.0×7.5 mm | 134.7×200.0×7.2 mm |
システムチップ | 64ビットアーキテクチャ搭載A7チップ M7モーションコプロセッサ |
Apple A6X | 64ビットアーキテクチャ搭載A7チップ M7モーションコプロセッサ |
Apple A5 |
インカメラ | 500万画素の写真 720p HDビデオ (裏面照射CMOSセンサー) |
500万画素の写真 720p HDビデオ (裏面照射CMOSセンサー) |
500万画素の写真 720p HDビデオ (裏面照射CMOSセンサー) |
500万画素の写真 720p HDビデオ (裏面照射CMOSセンサー) |
重量 (Wi-Fiモデル) |
469g | 652g | 331g | 308g |
重量 (Wi-Fi+Cellularモデル) |
478g | 662g | 341g | 312g |
バッテリー駆動時間 (Wi-Fi通信) |
約10時間 | 約10時間 | 約10時間 | 約10時間 |
コネクタ | Lightningコネクタ | Lightningコネクタ | Lightningコネクタ | Lightningコネクタ |
Wi-Fi | 802.11a/b/g/n | 802.11a/b/g/n | 802.11a/b/g/n | 802.11a/b/g/n |
Bluetooth | Bluetooth 4.0 | Bluetooth 4.0 | Bluetooth 4.0 | Bluetooth 4.0 |
考察スペックについて
今回発表されたのは、画面サイズ9.7インチの「iPad」シリーズに「iPad Air」、7.9インチの「iPad mini」シリーズに「iPad mini Retinaディスプレイモデル」の2製品となる。それぞれ個別に、その進化ポイントを見ていこう。
まず、画面サイズ9.7インチの「iPad Air」であるが、こちらは「iPad」シリーズとしては5世代目にあたる製品。ただ、従来からのボディデザインが一新されており、違うシリーズと言ってもいいくらいの進化を遂げた。まず何と言っても、ボディが大幅にスリムかつ軽くなっている。従来の第4世代「iPad」(Retinaディスプレイモデル)は、厚みが9.4mmあったが、「iPad Air」では7.5mmまでスリム化。また、重量は従来の第4世代「iPad」が652gあったのに対し、「iPad Air」では、500gを切る469gまで軽量化されている(いずれも、Wi-Fiモデルでの比較)。以前の「iPad」は、通勤中などに片手で持って使うには重すぎる、と言われてきたが、469gという軽さとなった「iPad Air」なら、そうした用途にも十分耐えうるはず。ボディも薄くなっているので、持ちやすさもアップした。なお、この重量は、画面サイズ10インチ前後のタブレット製品としては、2013年10月時点で世界最軽量となる。
進化したのはボディだけではない。性能も大幅にアップしており、CPUに最新の「A7チップ」を搭載。これに加えて、センサー関係のコントロールを主に行う「M7コプロセッサ」を採用している。この組み合わせは、ひと足早く9月に発売された「iPhone 5s」と同じ構成で、従来モデルに比べて処理能力、グラフィック能力とも2倍のパフォーマンスを発揮するとされる。この先進スペックに加えて、こちらも一新された「iOS 7」を搭載するため、ハードウェア、ソフトウェア両面で、64ビットネイティブでの高速処理が行えるのも、「iPad Air」の特徴だ(対応アプリのみ)。実際の使用感覚でも、この新OSとの組み合わせは、非常にキビキビとした動作感が特徴で、処理速度でストレスに感じることはほぼないと言っていいだろう。
このほか、カメラ機能は、従来モデルと同じく、500万画素の裏面照射CMOSセンサーを搭載する。最新の「iPhone 5s」と比べると画素数的には若干劣るが、一般的な使用では十分高精細な撮影が行えるようになっている。
また、Wi-Fi性能もアップしている。内蔵されるアンテナが1本から2本になり、Wi-Fiの感度自体がアップしたほか、2本のアンテナを使って2つのバンドを束ねて使える「MIMOテクノロジー」にも対応。これに対応するWi-Fiルーターなどがあれば、従来よりも高速で安定したワイヤレス通信が行えるようになった。
しかも、これだけのスペックアップを実現しながら、バッテリーの駆動時間は従来と変わらず約10時間を維持。もちろん、2048×1536ドットという高解像度の「Retinaディスプレイ」による精細で美しい画面表示はそのままだ。従来よりも大幅に軽く、薄くなったのに、大幅に機能がアップしたのが、この「iPad Air」と言えるだろう。
いっぽうの「iPad mini Retinaディスプレイモデル」であるが、こちらは「iPad mini」シリーズとしては2世代目となるモデルである。見た目自体は、初代「iPad mini」とほとんど変わらないように見えるが、製品名にもあるように、今回のモデルでは高精細な「Retinaディスプレイモデル」を採用しているのが最大のトピック。しかも、7.9インチという画面サイズでありながら、上位モデルである「iPad Air」と同じ、2048×1536ドットという高解像度を実現しているのだ。つまり、表示性能の点では、「iPad Air」と「iPad mini」では差がないということになる。従来は、1024×768ドットの解像度しかなかったことを考えると、これは驚くほどの進化といえる。
さらに驚くのは、CPUなどのスペックも、「iPad Air」とまったく同じになっていることだ。CPUに最新の「A7チップ」を搭載するほか、「M7コプロセッサ」も採用している。初代の「iPad mini」の基本スペックが、「iPad」第2世代の「iPad 2」とほぼ同じだったことを考えると、一気に3世代分も進化し、兄貴分の「iPad Air」とすっかり肩を並べた格好だ。このほかのカメラ機能や、Wi-Fi性能も「iPad Air」と同等。つまり、今回の「iPad mini Retinaディスプレイモデル」は、「iPad Air」の小型版と言っていいほどの高性能を詰め込んだ製品であり、ユーザーからすれば、性能差を気にすることなく、自分の使用目的やライフスタイルに合ったサイズの製品を選べばいいということになる。そういった意味で、今回の新型「iPad mini」は、初代「iPad mini」と形こそ似ていても、まったく異なる製品と言ってもいいくらいなのだ。
唯一注意しておくべき点としては、これだけのハイスペックを小さなボディに詰め込んだことで、若干ではあるが、ボディが厚くなり、重くなっていること。初代「iPad mini」と比べて、厚さが0.3mm増えて7.5mmとなり、重さが29g増えて341gとなった(いずれも、Wi-Fiモデルでの比較)。これは主に高解像度の「Retinaディスプレイモデル」を採用したための増加分となるが、上記のようなスペックアップ分を考えると、よくここまで抑えられたという印象のほうが強い。バッテリー駆動時間も従来と同じ約10時間をキープしており、使い勝手はさらによくなった。
ここ1年ほどの為替相場の円安傾向や、スペックアップ分のパーツ代上昇によって、「iPad Air」「iPad mini Retinaディスプレイモデル」ともに、若干本体価格は上がっているが、製品の進化度としては、両モデルともこれまでの「iPad」シリーズの進化の中ではもっとも大きな進化と言っていい。どちらの製品を選んでも基本的なスペックは変わらないため、ユーザーにとっては、画面サイズやボディの大きさなどの好みで選べばよくなっており、どちらを選ぶか悩ましい日々が続きそうだ。