Mac デスクトップの選び方
MacのデスクトップPCを使ってみたいけれど、どのような種類があり、どれが自分に適しているのかわからない、という人も多いのでは? 直感的で使いやすく、iPhoneやiPadなどのApple製品とも連携ができるMacデスクトップPC。ここでは、各シリーズの特徴やスペック、選び方のポイントを詳しく解説します。
2023/4/4 更新
目次
MacのデスクトップPCは、「iMac」「Mac mini」「Mac Studio」「Mac Pro」の4タイプに分類されます。液晶ディスプレイ一体型の「iMac」、コンパクトなサイズの「Mac mini」、Mac miniよりも少し大きく性能面でもすぐれた「Mac Studio」、高負荷な作業をするプロ向けの「Mac Pro」。ここでは、それぞれのシリーズの違いや特徴について詳しく解説します。
M1チップを採用したiMacは、ディスプレイ一体型のデスクトップPCです。ディスプレイには24インチ4.5K Retinaディスプレイを採用し、キーボードとマウスも同梱されているため、購入後すぐに使うことができます。また、本体の色をカラフルな7色から選べるのも特徴。ディスプレイは11.5mmと薄く、コンパクトで軽いので、さまざまな場所に置くことができ、使い方の幅が広がります。ディスプレイ上部に配置されたWebカメラには1080p FaceTime HDカメラを搭載しているほか、スタジオ品質のマイクも備え、オンラインミーティングや家族とのビデオ通話も快適。ディスプレイを別途購入する必要がなく、手軽に使い始められるのがメリットです。高解像度の画面で映像を楽しみたい人、Web閲覧やOfficeでの作業が中心の人、Appleのデザインが好きな人にも適しています。
M2チップまたはM2 Proチップ搭載したMac miniは、その名のとおり小さなデスクトップPCです。M2チップはさまざまな作業をスピーディーにこなし、さらにM2 Proチップは大きな画像や8K ProResビデオの編集といった高負荷のタスクもスムーズに処理することができます。幅・奥行きともに19.7cm、高さ3.58cmというコンパクトなボディで、ワークスペースをすっきり使えるのも特徴。Thunderbolt 4、USB-A、HDMI、Ethernet端子を装備し、さまざまな機器との接続が可能です。また、ストレージはオプションで最大8TBまで変更可能なため、大容量ストレージが必要な人にも対応。ディスプレイやキーボード、マウスなどの周辺機器は別途必要になりますが、手持ちのディスプレイなどと組み合わせ、コストを抑えつつ高性能なPCを入手したい人に適しています。
M1 MaxチップまたはM1 Ultraチップを搭載したMac Studioは、Mac miniと同じ幅・奥行き19.7cm、高さはやや高くした9.5 cmで、ディスプレイの下にも収まるコンパクトかつ高性能なデスクトップPC。ハイスピードなM1 Max搭載モデルと、M1 Maxを2つ組み合わせたM1 Ultra搭載モデルの2種類がラインアップされています。前面と背面に合計12個のポートを備え、前面ではカメラや外付けストレージ、その他のデバイスをつないだり外したりでき、背面には最大5台(4台のPro Display XDRと1台の4Kテレビ)のディスプレイを接続可能。多くの写真を並べて編集する、プロレベルの音楽をミキシングするといった、より高性能なPCを求めている人に適しています。
Mac Proは、Intel Xeon W搭載のプロ向けデスクトップPC。「Pro」の名のとおり、MacデスクトップPCのなかで最もハイスペックで、CPU、グラフィックス、メモリーなど、すべての仕様が高次元で構成され、高負荷な作業も難なくこなします。また、ステンレススチールの立体フレームを中心にして作られたアルミニウムの筐体が取り外せるので、PC内部のパーツに360度どこからでもアクセスでき、システム構成をカスタマイズできるのも大きな特徴。もちろん、高性能なCPUとGPUをしっかりと冷却するすぐれた排熱システムを備え、高い処理能力を必要とするクリエイターの強い味方となる1台です。
Appleの公式直販サイトならカスタマイズが可能
AppleのPCは、ノート、デスクトップともに、スペックが固定された数パターンのラインアップだけではありません。Appleの直販サイトで購入すれば、いくつかの基本モデルをベースとしてスペックのカスタマイズが可能です。メモリーやストレージを強化できるので、基本モデルでは一部のスペックが物足りない、といった場合など、ぜひ活用してみましょう。
自分に適したタイプがわかったら、各タイプごとの選び方のポイントを確認しましょう。同じタイプでも、搭載チップやメモリー、ストレージといった構成の異なるモデルがラインアップされています。自分にちょうどよいスペックを理解するために、参考にしてください。
以前は21.5インチや27インチもラインアップされていたiMacですが、現行モデルのディスプレイサイズは24インチの1種類のみです。また、搭載チップもM1の1種類ですが、現行モデルでは本体カラーをカラフルな7色からチョイスできるという楽しさが加わりました。ブルー、 グリーン、 ピンク、 シルバーの4色は、8コアCPU+ 7コアGPU、もしくは8コアCPU +8コアGPUの2種類から選択可能。イエロー、 オレンジ、 パープルの3色は8コアCPU+ 8コアGPUの1種類のみの展開です。また、8コアCPU+ 8コアGPUのモデルに関しては、ストレージを256GB、512GBから選ぶことができます。好きなカラーを選んだら、あとはコア数とストレージを決めるだけ。
インテル Core プロセッサー搭載のiMacも選択可能!
M2チップ搭載のMac mini | |
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CPU | Apple M2チップ |
メモリー | 8GB |
ストレージ(SSD) | 256GB、512GB |
M2 Proチップ搭載Mac mini | |
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CPU | Apple M2 Proチップ |
メモリー | 16GB |
ストレージ(SSD) | 512GB |
現行のMac miniには、より多くのタスクをすばやく処理する、スピード重視の「M2チップ」搭載モデルと、プロ向けで画像や8K ProResビデオの編集といった負荷の高いタスクにも対応する「M2 Proチップ」搭載モデルの2種類がラインアップされています。また、「M2チップ」搭載モデルは最大2台のディスプレイを同時サポートするのに対して、「M2 Proチップ」搭載モデルは最大3台のディスプレイを同時サポートします。なお、M2チップファミリーを性能の高いほうから並べると、「M2 Max」「M2 Pro」「M2」の順になります。より負荷の高い作業をする場合は「M2 Pro」チップ搭載モデルを選ぶとよいでしょう。
M1チップを搭載した従来機種も選択可能!
M1 Maxチップ搭載のMac Studio | |
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CPU | Apple M1 Maxチップ |
メモリー | 32GB |
ストレージ(SSD) | 512GB |
M1 Ultraチップ搭載のMac Studio | |
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CPU | Apple M1 Ultraチップ |
メモリー | 64GB |
ストレージ(SSD) | 1TB |
Mac Studioには、「M1 Maxチップ」搭載モデルと「M1 Ultraチップ」搭載の2モデルがラインアップされています。「M1 Ultraチップ」は、2つの「M1 Max」を組み合わせたものなので、高負荷のかかる作業をよりパワフルにこなすことができます。M1チップのファミリーを性能の高いほうから並べると、「M1 Ultra」「M1 Max」「M1 Pro」「M1」の順となり、より高性能を求める場合は、「M1 Ultraチップ」搭載モデルを選ぶとよいでしょう。
Mac Pro | |
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CPU | Intel Xeon W |
コア数 | 8コア、12コア、16コア、24コア、28コア |
メモリー | 32GB、48GB、96GB、192GB、384GB、768GB、1.5TB |
グラフィックス | AMD Radeon Pro W5500X、AMD Radeon Pro W6600X、AMD Radeon Pro W5700X、AMD Radeon Pro W6800X、AMD Radeon Pro W6900X、AMD Radeon Pro W6800X Duo |
ストレージ | 512GB、1TB、2TB、4TB、8TB |
ほかのMacデスクトップPCがコンピューターと呼ばれるのに対し、Mac Proはワークステーションと呼ばれるほど、一線を画したプロ専用機となっています。購入時に自分の思い通りに仕様を選べるほか、内部にアクセスしパーツの交換、増設などが可能になっています。Apple公式サイトで購入する場合、「購入」に進むと、筐体のタイプ、CPUのコア数、メモリー、グラフィックス、ストレージをそれぞれ選択でき、自分だけのカスタマイズされた1台を作ることができます。筐体のタイプは、脚付きタワー型とラック型の2種類があり、脚付きタワー型はオプションでキャスター付きに変更可能、ラック型はラックマウントレールが付属します。
Appleが展開する現行のデスクトップPCはすべて、CDやDVD、ブルーレイディスクを読むための光学ドライブが搭載されていません。映画作品の視聴などで必要となる場合には別途外付けドライブを購入しましょう。
iMacがディスプレイ一体型であるのに対して、それ以外のMac mini、Mac Studio、Mac Proはすべて本体のみとなっており、別途ディスプレイを調達する必要があります。すでに持っているディスプレイや自宅のテレビを活用する、といったことも可能です。
AppleのデスクトップPCは、発売年やモデルによって、メモリーの増設ができないモデルもあるので注意が必要です。将来の増設する可能性がある場合は、購入前にしっかりと把握しておきましょう。
AppleのデスクトップPCは、発売年やモデルによって、メモリーの増設ができないモデルもあるので注意が必要です。将来の増設する可能性がある場合は、購入前にしっかり把握しておきましょう。
ワイヤレスで使える充電式のマウス。デスクの上をなめらかに滑るように動き、表面はMulti-Touchに対応しているので、簡単にウェブページをスワイプしたり書類をスクロールしたりできます。バッテリーは1回の充電で約1か月以上駆動し、Macと自動的にペアリングされます。
アップル製のワイヤレスキーボード。テンキーの有無や日本語JIS対応モデルなど、さまざまなラインアップが展開されています。人気モデルの「Appleシリコン搭載Macモデル用Touch ID搭載Magic Keyboard(テンキー付き)- 日本語(JIS)」は、1回の充電で約1か月以上駆動し、Macと自動的にペアリングされるので、すぐに作業を始められます。
Retinaディスプレイとは、Apple製品で搭載している高精細なディスプレイをさします。画面解像度とコントラストにすぐれ、見やすいのが特徴。画像や映像はもちろんですが、文字の表示もなめらかで見やすいため、Web閲覧や書類作成などの用途でも恩恵を得られます。現行のiMac、Macノート、MacディスプレイにはすべてRetinaディスプレイが搭載されています。
「サンダーボルト」と読みます。高速なデータ転送技術で、インテルとAppleが共同開発しました。現在、MacデスクトップPCでは「Thunderbolt 4」が採用されています。
ディスプレイの上部に搭載されたカメラで、オンライン会議やビデオチャットなどで使います。MacデスクトップPCシリーズでは、ディスプレイ一体型のiMacに「1080p FaceTime HDカメラ」が搭載されています。
最新のOfficeなら問題なく使えます。
かつて、Mac用OfficeとWindows用Officeは別々に開発されていたこともあり、画面デザインに違いがあったり、Windows用Officeで作成した文書をMac用で開くとレイアウトが崩れたりと、互換性に問題がありました。しかし、最新のOffice(Office365でもOK)は互換性も上がっています。MacとWindowsで、Officeデータをやりとりするのであれば最新のOfficeを選びましょう。
いいえ。現在では、きちんと左クリックと右クリックを使い分けられます。
かつてのMacといえばワンボタンマウスで有名でしたが、現在はそうではありません。Appleの純正マウスには見かけ上ボタンがありませんが、きちんと左クリックと右クリックを使い分けられます。
純正品でなくても大丈夫です。
周辺機器は必ずしも純正品を使用しなくてはいけないというわけではありません。対応している商品であれば、好みのものを使用できます。ただ、純正品であるMagic Mouse やMagic Trackpad などはAppleならではの使用感を楽しめますので一度体験してみるのもよいでしょう。
必要に応じて導入しましょう。
MacはWindowsに比べるとシェアが低いこともあり、Macに感染するウイルスなどのマルウェアが比較的少ないのは事実ですが、被害を受ける可能性はあります。Mac用のセキュリティソフトが出ていますので、必要に応じて導入するとよいでしょう。
フラッシュストレージ
フラッシュメモリーを使ったストレージ(記憶媒体)で、「SSD」とも呼ばれます。HDDドライブと比べてデータへのアクセス速度がすぐれています。
Apple ID
Appleのサービスを利用するためのアカウントです。iPhone/iPadと共用すれば、MacとiPhone/iPadを連携させて使うことができます。iCloud(メールやオンラインストレージなど)サービスや、アプリや音楽、映画の購入などに使います。
Mac App Store
iPhone用App StoreのMac版がMac App Storeです。Apple IDを使ってソフトを購入します。macOS のアップデートもApp Storeを介して行われるので、Apple IDの登録が必須です。
macOS
「macOS」とは、Mac用に開発されたオペレーションシステムのことで、安定性にすぐれています。