今回の価格.comリサーチでは、2016年4月に始まる電力小売り自由化を前に、電気料金についてのアンケート調査を行いました。
まずは、電力小売り自由化がどのくらい浸透しているのかを聞きました。全体としては、電力小売り自由化という言葉を聞いたことがあるという人は90%以上いるものの、内容を把握している人は全体の約4分の1程度にとどまる結果となりました。
続いて、電力小売り自由化の開始後に、電気を購入する電力会社の切り替えを検討したいと思うかどうかについて聞きました。結果としては8割以上が「電気料金が今より安くなるなら検討したい」と回答し、「検討したくない」はわずか3.9%だったことから、切り替えに対する消費者意欲の高さがうかがえました。
また、電力会社の切り替えにあたっては、価格がかなり重要なファクターとなることがわかりました。約6割の人が、電気料金が今より1割以上安くなれば変更の検討を考えており、電力会社選択時に重視する点では「料金の安さ」(60.2%)がダントツとなったこと、比較サイトを通じて価格差を認識すれば変更したいと答えた人が約半数にのぼることなどから、価格がある程度下がるのであれば電力会社を積極的に切り替えようと考えている人が多いようです。
この背景として、現在の電気料金に対する不満が見て取れます。各家庭における月々の平均電気代のボリュームゾーンは5,000〜11,000円で、約9割が「高い」と感じており、ほとんどの家庭が電気料金の節約に取り組んでいます。
いっぽうで、電力小売り自由化にあたっては不安もあるようです。
「検討したくない」と回答した人(全体の3.9%)からは、その理由として「どういった会社を選んでいいのかわからない」(50.3%)、「手続きが面倒」(36.5%)や「想像がつかないため考えられない」(22.4%)などがあがっており、検討にあたっての情報不足が要因となっているようです。また、不安な点としては、「切り替えする際の手続きが面倒なのではないか」(65.6%)、「停電になるのではないか」(42.4%)などの意見も目立ちました。
電力小売り自由化まであと半年を切り、主に電気料金の値下がりという点への関心は高まってきていますが、実際にどれくらいの節約になるのか、また手続き方法や、その他のメリット・デメリットがよくわからないといった意見も出てきているため、今後も、消費者にしっかりと情報を伝えていく必要がありそうです。
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- 調査対象:
- 価格.comID 登録ユーザー
- 調査方法:
- 価格.comサイトでのWebアンケート調査
- 回答者数:
- 4,051人
- 男女比率:
- 男93.1%:女6.9%
- 調査期間:
- 2015年10月20日〜2015年10月26日
- 調査実施機関:
- 株式会社カカクコム
