加湿器の選び方
「加湿器ってどうやって選べばいいの?」「気化式とスチーム式の違いは?」「ハイブリッド式ってどんなもの?」など、加湿器を選ぶ際に疑問に感じそうなことを解説。最適な加湿器を選んで、快適な湿度の部屋で過ごしましょう!
2024/12/12 更新
目次
使用する部屋を十分加湿できる能力を備えている製品を選ぶのが大切。それと同時に、使いたい加湿方式を決めましょう。
定格加湿能力 | 適用床面積 | |
---|---|---|
木造和室 | プレハブ洋室 | |
200mL/h | 3畳 | 6畳 |
300mL/h | 5畳 | 8畳 |
350mL/h | 6畳 | 10畳 |
450mL/h | 8畳 | 13畳 |
500mL/h | 8.5畳 | 14畳 |
600mL/h | 10畳 | 17畳 |
700mL/h | 12畳 | 19畳 |
800mL/h | 13.5畳 | 22畳 |
900mL/h | 15畳 | 25畳 |
1,000mL/h | 17畳 | 28畳 |
1,200mL/h | 20畳 | 33畳 |
加湿能力は「○mL/h」というスペックで確認でき、数値が大きいほど加湿能力が高くなります。ただ、このスペックでは部屋に適しているかわかりにくいので「適用床面積」をチェックしましょう。なお、適用床面積は木造、鉄筋コンクリートなど建物のタイプによって異なります。加湿能力が足りないと最適な湿度になるまで時間がかかることもあるので、使用する部屋より適用床面積が小さな製品は選ばないほうが快適に過ごせるはず。また、天井が高い部屋で使用するときは部屋よりも適用床面積が大きい製品を選んだほうがいいでしょう。
加湿器は加湿方式により主に「スチーム式」「気化式」「超音波式」「ハイブリッド式(温風気化式)」「ハイブリッド式(加熱超音波式)」の5つのタイプに分類されます。清潔性やお手入れ性、電気代などに影響するので、それぞれの特徴を知っておきましょう。
水をヒーターで沸騰させ、発生した蒸気で加湿します。煮沸するため雑菌が繁殖しにくく、衛生性が高いのがメリットですが、ヒーターを使うので電気代は高め。また、蒸気の温度が熱いため、室温が上昇しやすい傾向。ただ、お手入れの手間がかからないモデルが多く、近年、最も人気が高いタイプです。
水を湿らせたフィルターに風を当てて湿気を含ませ、その風を放出して加湿します。ヒーターを使わないので電気代は抑えられますが、加湿スピードは遅め。構造上、本体サイズは大きめです。定期的にフィルターなどのお手入れや交換が必要。
超音波振動で水を細かいミストにし、そのミストを放出して加湿。ヒーターを使用しないため電気代が安く、運転音が静か。ただし、お手入れを怠ると雑菌が繁殖する恐れがあるほか、水道水に含まれたミネラルなどで、部屋が白い粉で汚れる(ホワイトダスト)ことがあります。
気化式にヒーターを組み合わせたもの。水を含ませたフィルターにヒーターで温めた風を当てるため、気化式よりも効率よく加湿でき、水が蒸発しにくい低温下でもすぐれた加湿が期待できるでしょう。なお、ヒーターを使う点は同じですが、水を沸騰させるスチーム式と比べると電気代は抑えられます。
超音波式にヒーターを組み合わせたもの。ヒーターで水を加熱し、温めた水を超音波振動で細かいミストにして加湿するため、超音波式よりも素早く加湿できるほか、雑菌の繁殖が抑えられます。ヒーターを使用する分、超音波式と比べると電気代はかかります。
加湿方式による電気代の差をチェックしておきましょう。製品や運転モードによって異なりますが、ヒーターを使うスチーム式やハイブリッド式(温風気化式/加熱超音波式)は消費電力が大きく、電気代が高くなります。ただし、ヒーターを使うタイプのほうが加湿能力は高く、加湿スピードも速い傾向。
加湿能力300mL/hの加湿器の電気代比較
消費電力 | 1か月(31日)の電気代 (1日10時間使用した場合) |
|
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スチーム式 | 250W | 約2,400円 |
気化式 | 5〜11W | 約48〜106円 |
超音波式 | 22W | 約215円 |
ハイブリッド式(温風気化式) | 11〜98W | 約106〜942円 |
ハイブリッド式(加熱超音波式) | 75W | 約721円 |
※ハイブリッド式(加熱超音波式)のみ350mL/h
※1kWhあたりの電力量料金は31円で算出
電気ポットと同じ構造で、水を沸騰させて蒸気を発生させるスチーム式を全モデルに採用。フィルターがないため、お手入れが楽で、交換コストがかかりません。蒸気を約65度まで下げて加湿する機能や転倒湯漏れ防止構造など、安全性も配慮されています。
全モデル、水を含んだフィルターに風または温風を当てて加湿する「ハイブリッド式(温風気化式)」。加湿フィルター(気化フィルター)やトレイのお手入れが楽になる、取り替えるだけで済むトレイカバーやフィルター(別売り)を提案しています。
ハイブリッド式(温風気化式)を中心に展開。給水スタイルは、タンクを取り外して蛇口から水を入れる方法と、上から注ぎ入れる方法が用意されています。除菌効果のあるプラズマクラスターやタオルなどを通して本体内を拭き取れる構造など、清潔設計もこだわりのポイント。
センサーを使い、最適な湿度になるように自動調節する運転モードが搭載されていれば、加湿不足や加湿し過ぎが防げます。
時間を設定して、自動的に運転を開始/停止できる機能。製品により「入」のみ、「切」のみ、「入/切」両方を設定できると仕様が異なります。
小さな子どもやペットがいるなら、操作ボタンが押されてても運転モードなどが変わらないようにチャイルドロック機能を搭載した製品を選ぶと安心でしょう。
アロマオイルをセットし、加湿と同時に香りも放出する構造を採用した製品もあります。
湿度は40〜60%が最適。
湿度が40%以下になると肌や粘膜が乾燥するほか、ウイルスが活性化し、60%以上になるとカビが発生しやすくなるため、湿度40〜60%が最適です。
水道水を使いましょう。
水道水には微量の塩素などが含まれており、雑菌などが繁殖しにくいようになっています。きれいな水でも空気中の雑菌が混じって菌が繁殖する恐れがあるので、浄水器を通した水や井戸水、ミネラルウォーターなどは加湿器で使わないようにしましょう。
加湿タイプによっては離して設置したほうがいい。
超音波式やスチーム式の加湿器はミストやスチームが当たったり、濡れたりして故障の原因になることもあるので、精密機器から離して設置しましょう。
対応していない製品はNG
水タンクにアロマを入れると故障の原因となるほか、雑菌やカビが繁殖する恐れがあります。加湿と一緒に香りも楽しみたいときは「アロマ対応」の製品を選びましょう。
もちろん、問題ありません。
最近は、加湿機能を搭載していない空気清浄機の人気が高く、加湿器は別途用意する人が増えていますが、加湿空気清浄機を使っても問題ありません。設置スペースが抑えられるうえ、空気をきれいにしながら加湿できます。ただし、加湿空気清浄機で採用されている加湿方式は気化式となります。
定格加湿能力
室温20度、湿度30%時に放出できる「1時間あたりの水分量」のこと。この数値を基に「適用床面積」が決められているので、「定格加湿能力」が記されていない製品でも「適用床面積」で加湿能力がわかります。
加湿器病
加湿器内に雑菌やカビが繁殖した状態で使用すると、蒸気と一緒に雑菌やカビが室内に放出されます。その状況が長期間続き、空気と一緒に吸い込み続けたことで発症する肺炎が「加湿器病」(正式には「過敏性肺炎」)。加湿器病を防ぐために、フィルターやトレイなど、こまめなお手入れを怠らないようにしましょう。