DIGAの動画はダウンコンバートして転送されるが、本機のディスプレイで見るには十分な解像感で、ワンセグ動画と比べると高画質で文字なども読みやすい。ダビング転送時間は約3倍速程度。本機は16GBの内蔵メモリー(412kbpsの動画を約87時間20分記録)に加えてSDカードスロット(超大容量のSDXCカードにも対応)も装備しているので、メモリー容量が足りなくなる心配はないだろう。1タイトルのダビング転送でダビング10の権利を1つ使う仕組みだ。なお、逆転送してダビング10のカウントを復活させることはできない。
本機は携帯音楽プレーヤーとしても使える。対応する音楽フォーマットはMP3、WMA、AACと標準的だが、著作権保護のかかっていないファイルなら特別な管理ソフトなしに、PCからドラッグ&ドロップするだけで転送できる点はとても使いやすい。このあたりは使い勝手優先のトレンドをしっかり押さえている。
SD画質の動画ファイル(H.264、MPEG4、WMV)の再生にも対応している。バッテリーの持ちも動画で約12時間(画面輝度最小)から約7時間(画面輝度最大)、音楽なら約50時間と余裕があるので、1日の再生には十分だろう。
Webブラウザーでネット閲覧できるほか、YouTube動画も視聴できる。WebブラウザーはFlashに非対応なので、YouTubeへのアクセスはオリジナルサイトではなく、VIERAやDIGAで使われている同社専用サイトを使って行う仕組みだ。
このほか、電子メールの送受信やPodcastの再生、RSSリーダー機能も搭載しており、情報収集の能力は高い。
放送系ではワンセグチューナーとFMチューナーを内蔵。IPサイマルラジオ放送の「radiko.jp」にアクセスできるので、radiko.jpのサービス地域(首都圏1都6県と近畿圏2府4県)ならWi-Fiを活用してAMラジオも楽しめる。
SV-MV100はAndroid搭載タブレットほどの拡張性はなく、携帯音楽プレーヤー2強(アップル「iPodシリーズ」、ソニー「ウォークマンシリーズ」)と勝負するほど野心的ではない。こうした点で中途半端な印象もあるが、ポータブルAVプレーヤーと考えればかなり多機能と言える。
アジア製のAndroid搭載プレーヤーに近いレベルまで価格がこなれてくれば、パナソニックブランドに魅力を感じる人も多いのではないだろうか。特にDIGAシリーズのユーザーなら便利に使いこなせそうだ。後述するDIGA用の新ネットサービス「ミモーラ」と連携して使いこなせる点も大きな魅力になるだろう。