ブランド力が強く、ラインアップも豊富
ニベアフォーメン(ニベア花王)
濃いブルーのパッケージカラーでおなじみ「ニベアクリーム」。その男性用フェイスケアブランド「ニベアフォーメン」がドイツに本社を置くスキンケアビジネス企業「バイヤスドルフ」から発売されたのは1922年。日本では2002年にバイヤスドルフと花王の合弁会社であるニベア花王から発売された。現在、ニベアフォーメンはメンズフェイスケアでは世界シェアトップ(日本では化粧水・乳液部門で2位)。「欧州の乾燥した気候では保湿ケアは必須。また欧米人は彫りが深くシワが目立ちやすいため、男性でも保湿ケアに関心が高い」(ニベア花王 マーケティング部の林勝氏)。
そんな世界的に圧倒的なシェアを持つニベアフォーメンも、日本の男性スキンケア市場には苦労しているという。湿潤な気候の日本において保湿ケアの必要性を感じにくい一方、日本の男性のスキンケアといえば、洗顔による皮脂ケア一辺倒。そのため、加齢により肌内部の乾燥が進んでも、保湿ケアの必要性に気づかない人が多い。このように男性自身が自分の肌の状態や本当に必要なケアがわからないため、セルフでその人に合った商品を選んでもらうのが難しいわけだ。
そこでエイジングに絞って訴求したのが、肌のハリやツヤの衰えに悩む男性に向けて06年に発売した「リバイタライジングシリーズ」。肌知識の乏しい男性にもわかりやすい「ハリ、ツヤ」という具体的な効果を掲げたのが功を奏したのか、「売り上げはスタート時(2006年)の35億円から62億(2010年)と年々伸びています。着実にリピーターが増えているのも特徴です」(ニベア花王 広報の関口未来氏)。ちなみに多くの日本男性が続けている唯一のスキンケアといえばアフターシェーブローションだが、最近では安全剃刀や電気シェーバーの進化で肌へのダメージが著しく低減しているため、使用者が減少しつつあるという。
ニベアフォーメンが選ばれる理由は大きく2つある。ひとつは「ブランドに対する信頼感」。ニベアクリームはドイツでは100年前から発売され、現在世界200カ国で発売されているグローバルで古典的なスキンケアアイテム。「子供のころに母親につけてもらったという体験を持つ人が多い。そのため、“ニベア=品質がよく肌にやさしい”というイメージが定着している」。もうひとつは「肌への専門性の高さ」。日本で展開しているニベアフォーメンの商品は現在16種類。男性用スキンケアブランドでここまできめ細かく肌悩みにあわせて製品化しているものはほかにないという。
ただ今後の販売戦略として、根本的な意識改革が必要だと感じている。「サンプリングだけではなく、ベーシックな肌の構造や肌の加齢変化の内的要因、外的刺激の影響を知る機会を設けていくことが必要」(ニベア花王の林氏)という。
ニベアフォーメンのアンチエイジング商品。「リバイタライジングローションQ10」(100ml)、「リバイタライジングクリームQ10」(50g)、「リバイタライジングアイリリーフQ10」(15g)。価格はいずれもオープン