更新日:2024年04月17日
深夜料金を使って上手に節約
“夜中に電気を使うと料金が安くなる!”という話はよく聞きますし、“深夜の安い電力を使って・・・”というフレーズもよく見かけます。それなら、“電気はできるだけ夜中に使ったほうがお得!”ということになりますが、本当にそうでしょうか? 今回はそんな深夜電力についてのお話です。
深夜電力とは?
一日を通した電力使用量は、朝から日中に向けて増えていき、夜から朝に向けて少なくなっていきます。電力会社は、日中のピークの時間帯でもしっかりと電力を供給できる発電設備を備えているため、使用量が少なくなる深夜では発電能力に余剰があります。電力会社では、発電量をできる限り一定に保ちたいという思いもあり、需要の少ない深夜時間帯の電気を安くすることで需要を伸ばそうと工夫しているわけです。
なお、電力会社によって深夜料金の対象となる時間帯は異なりますが、23時から翌朝7時(または8時)というのが一般的です。
深夜電力を使った料金プラン
「日中は仕事だから電気は夜しか使わない。深夜電力を使って電気料金を安くする方法はないの?」という疑問はごもっとも。そんな方のために、時間帯別に料金が違うプランが用意されています。プラン内容や名称は電力会社によって異なりますが、一日を昼と夜の2つや3つ(昼間・朝晩・夜間)の時間帯に分けて、それぞれに異なる料金単価を設定しています。たとえば、東京電力の夜得プランでは、5時から21時までの昼間時間と21時から翌朝5時までの夜間時間によって電力量料金(1kWhあたりの料金単価)が異なります。夜間の電力量料金は12円48銭と従量電灯(最初の120kWhまで19円43銭)よりも安くなっています。仕事が遅く夜型の生活という方なら、電気料金が安くなる可能性があります。ただし、逆に昼間の料金が最初の90kWhまで24円03銭と従量電灯よりも高く、また基本料金が6kVA(60Aに相当)以下の場合、1,296円と従量電灯の40A(1,123円20銭)よりも高くなっていることも考えて選ぶ必要があります。
主な電力会社別深夜料金プラン一覧
東京電力
プラン名:夜トク8・12(関東エリア)
特長:夜トク8では電力量料金が安い夜間料金を23時から翌朝7時までの8時間に、夜トク12では21時から翌9時に設定。ほぼ夜間にしか自宅にいないというライフスタイルの方に向いています。
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基本料金
契約電力1kWあたり230円67銭
(最低月額料金は契約容量にかかわらず321円42銭) -
電力量料金
昼間時間:1kWhあたり42円80銭(44円36銭)
夜間時間:1kWhあたり31円84銭(33円53銭)注:契約電力は、30分ごとの使用電力により決定します。30分ごとの使用電力量のうち、月間で最も大きい値を2倍した値を最大需要電力といい、その月の最大需要電力と前11か月の最大需要電力のうち、いずれか大きい値が契約電力(kW)となります(スマート契約)。その契約電力の大きさによって基本料金が決定します。なお、()内の数値は「夜トク12」の場合です
中部電力
プラン名:スマートライフプラン
特長:平日の時間帯を昼間時間(デイタイム)を9時から17時、朝晩時間(@ホームタイム)を7時から9時と17時から23時、夜間時間(ナイトタイム)を23時から翌朝7時の3つの時間帯に細分化。それぞれの時間帯ごとで料金が異なります。なお、平日以外の日は、昼間時間(デイタイム・ホームタイム)を7時〜23時と夜間時間(ナイトタイム)を23時〜翌7時の2つの時間帯に分かれます。昼間時間の料金は、平日の朝晩時間(@ホームタイム)と同じです。夜間時間(ナイトタイム)は平日・休日ともに同じ料金となります。
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基本料金
最初の10kVAまでは1,597円04銭
11kVA以上は1,597円04銭+297円00銭×(契約容量−10kVA) -
電力量料金
平日・昼間時間:1kWhあたり38円95銭
平日・朝晩時間、休日・昼間時間:1kWhあたり28円76銭
平日・休日・夜間時間:1kWhあたり16円63銭注:料金は使用量にかかわらず一定です
関西電力
プラン名:eスマート10
特長:昼間時間(デイタイム)と生活時間(リビングタイム)、夜間時間(ナイトタイム)の3つの時間帯で電気料金が異なるプランです。昼間時間(デイタイム)は7月〜9月の夏季・平日13時〜16時までとなっており、生活時間(リビングタイム)は1年を通して8時〜22時までとなります。ただし、夏季・平日は8時〜13時と16時〜22時までとなっています。なお、生活時間(リビングタイム)は7月〜9月の夏季と10月〜6月のその他季で料金単価が異なります。夜間時間(ナイトタイム)は1年を通して平日休日ともに0時〜8時、22時〜24時までです。夜間は割安に、昼間は割高になるので、夜間の使用量の割合が多いほど電気料金はお安くなります。
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基本料金
1kWから6kWまでは1,302円40銭
7kW以上は1,302円40銭+416円94銭×(契約電力−6kW) -
電力量料金
昼間時間:1kwhあたり38円53銭
生活時間・夏季:1kwhあたり30円11銭
生活時間・その他季:1kwhあたり27円36銭
夜間時間:1kwhあたり15円53銭
それぞれの電力会社が今回ご紹介したような、深夜や夜間に安い電気料金を使ったプランを提供していますし、バリエーションも1つだけではありません。
夜間にお湯をためる(熱をためる)電気温水器などを使用している場合は、深夜や夜間の安い電気を使えるプランを申し込むのもよいですが、それ以外の場合は、良く考えて決断してください。というのは、料金プランを変更すると原則として1年間は再度の変更ができません。自宅で使っている電気機器、日中と毎月の電力使用量や契約アンペア数、さらにライフスタイルを考えて契約プランを検討しましょう。
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