いよいよ、地上アナログ放送の完全停波(一部地域除く)が今月7月24日に迫った。いわゆる「地デジ化」のタイムリミットまであと1か月を切ったわけだが、実際のところ、デジタル放送への対応状況はどうなっているのか。単なる対応率だけでなく、家庭内のどれくらいの機器までがデジタル化しているのかいないのかまで、詳しく調査してみた。
まず、全体としてのデジタル放送対応状況であるが、本調査では全体の94.9%がすでにデジタル移行を済ませたと回答している。ただし、この調査は価格.comの一般ユーザーを対象としているため、比較的テレビなどの購入意欲は一般よりも高めであることをお断りしておきたい。実際の世帯普及率では、もう少し低い値になることと予想される。なお、デジタル化が済んだと回答した世帯の中でも、4割程度の世帯ではすべての機器がデジタル化していないことも明らかになった。世帯によっては、複数台のテレビ(あるいはレコーダーなど)が家庭内に存在することもあるが、そのうちの1台ないしは2台はまだデジタルへと移行できておらず、今後もまだ若干の移行需要が残されているという状況だ。
ただし、全体として見た場合には、すでに家庭内のテレビ機器が1台のみならず、2〜3台程度までデジタル化が済んでいるという世帯が多いようだ。これには、今年3月で終了した「家電エコポイント制度」の後押しと、かなり手ごろな価格で買えるようになった液晶テレビなどの価格下落が大きく影響している。実際、昨年2010年までにテレビのデジタル化に対応したという人は全体の9割程度にまでのぼっており、特に家電エコポイント制度によって、テレビの購入時期が若干早倒しされたことは間違いない。また、最近の液晶テレビの価格下落によって、リビングのテレビだけでなく、寝室や個室に置いてあるセカンドテレビなどの買い替えも相当に進んだと見ていいだろう。全体的に見て、家庭のテレビのデジタル化は、かなり順調に進んでいると見ていい結果だ。
なお、デジタル放送に対しての満足度は全体的に高く、特にハイビジョン放送による画質面での満足度が非常に高いという結果になっている。また、電子番組表などによって録画が簡単になったことも、かなり高い評価を得ている。テレビ自体の視聴時間も若干ではあるが増加傾向だ。
ただし、テレビ以外の受信機について見ると、まだデジタル化が遅れている。DVDレコーダーやブルーレイレコーダーなどの録画機器については55.8%しかデジタル化が進んでおらず、まだこの先、製品の買い替え需要もある程度は残されているといえる。しかし、最近録画機能搭載のテレビが増加してきたことにより、デジタル化を行わないと考えている人も1割以上いるため、すべてのユーザーが機器を買い替えるということにはならなさそうだ。さらに、パソコンやカーナビとなると、テレビ機能への需要がかなり下がってきており、製品の買い替えサイクルで買い替えることはあっても、この7月にあわせて急いで買い替えを行うという需要はそれほど望めそうにない。
これから7月末にかけては、まだ若干残っているデジタル放送未対応世帯による、若干の駆け込み需要が起こるだろうが、それを過ぎてしまうと、これまで特需的に盛り上がっていたテレビ市場も急速に需要を失っていくことが予想される。レコーダー機器についてはまだ買い替え需要がある程度見込めるが、テレビへの録画機能の搭載が一般化してきていることもあり、テレビほどの買い替え需要は期待できない状況だ。2台目、3台目のテレビについても、すでにかなりの人が買い替えを終えていることを考えると、今後の需要もそれほど多くはないだろう。テレビ業界にとっては今後厳しい季節がやってくる。
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- 調査対象:
- 価格.comID 登録ユーザー
- 調査方法:
- 価格.comサイトでのWebアンケート調査
- 回答者数:
- 9,211人
- 男女比率:
- 男90.2%:女9.8%
- 調査期間:
- 2011年6月16日〜2011年6月22日
- 調査実施機関:
- 株式会社カカクコム
