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No.061 最新・カメラ購入意識調査!- デジイチ?コンデジ?ミラーレス?-

総評

今回は、久しぶりにデジタルカメラに関する調査を行った。前回調査時(2010年9月)からはすでに1年半ほどの期間が経過しており、その間にデジタルカメラ市場を取り巻く状況も大きく変化している。国内のデジタルカメラ市場全体はすでに飽和状態に達しており、消費者の購買意欲も以前ほどにはなくなってきている。また、デジタル一眼レフカメラの弟分ともいうべき「ミラーレス一眼カメラ」がかなり市民権を得てきており、すでに一大ジャンルになってきていることも大きく変化した点だ。そのいっぽうで、女性や主婦層をターゲットにしたデジタルカメラの勢いがここのところ失速気味で、再び硬派な男性向けのデザインを採用した「高級デジカメ」が大いに人気を得ている。こうした高級デジカメへ揺り戻す動きが広がっていく中で、この2012年春には、キヤノンやニコン、オリンパス、富士フイルムなどのカメラメーカーから、相次いで高級感を売りにしたハイエンドモデルが続々と登場してきており、久々に、デジタルカメラ市場が賑わいを見せている。こうした状況の中にあって、消費者はどのようなデジタルカメラを選ぼうとしているのか、そこに焦点を当てて調査を行った。

まず、現状のデジタルカメラの使用状況であるが、1人あたり1台ないしは2台程度を所有しているというのが一般的になっている。特に男性の場合は2台以上を所有する割合が多く、メインカメラとサブカメラとをシチュエーションによって使い分けるという人も多いようだ。メインカメラでもサブカメラでも、もっとも多く使われているのはやはり普及率の高いコンパクトデジタルカメラだが、利用シーンに関しては男性と女性とでは傾向がかなり異なる。男性の場合は、週末などにデジタル一眼レフカメラや、高級コンパクトデジタルカメラを外へ持って行き、風景や家族の写真などを撮影するケースが多いのに対し、女性ではコンパクトデジタルカメラなどを日常的に持ち歩き、週数回はスナップ撮影を行っているというケースが多い。なお、サブカメラとしては、携帯電話やスマートフォンのカメラもかなり活用されており、コンパクトデジタルカメラの役割は一部これらのモバイル機器に取って代わられている。ちなみに、最近話題の「ミラーレス一眼カメラ」の所有率はまだそれほど高くなく、メインカメラとしてもサブカメラとしても、それほど高い割合を確保するには至っていない。

次に、この春デジタルカメラを購入したいと思っているかどうかについては、全体の6割強の人が「購入したい」と回答した。久々に、デジタルカメラの高級モデルが多くモデルチェンジするタイミングということもあって、この春のデジタルカメラの購入意欲は全体的に高いといえる。製品別に見ると、キヤノンのフラッグシップモデル「EOS-1D X」や、ニコンの高級モデル「D800/D800E」、ソニーの「α NEX-7」といった製品が人気を呼んでいる。いずれも、販売価格で10万円を超える高級モデルであり、特に「EOS-1D X」や「D800/D800E」に至っては、売り出し価格で30万円以上する高級機だけに、市場としてはかなり期待できる結果だ。なお、この調査の開始時には、キヤノンの高級モデル「EOS 5D MarkIII」が発表されていなかったため、回答項目には入っていなかったが、こちらも含め、この春はこうしたハイエンドモデルが非常に人気となってくるのは間違いない。なお、ミラーレス一眼、コンパクトデジタルカメラの分野でも、ハイエンドモデルを中心に人気を呼んでおり、高額製品が多く売れそうな状況となっている。

なお、こうしたカメラを購入したい理由としては、この春はハイエンドモデルでの高画素化が進んだこともあって「解像度の高さ」がもっとも多い回答となったが、フリーアンサーなどを合わせて見てみると、デジタル一眼レフカメラを中心に解像度の高さなどの基本性能はもう十分と感じているユーザーが多い。むしろそれよりは、ボディの軽量化・コンパクト化、デザイン、使いやすさ、バッテリーの持ちなどを重視する声も多い。逆に、各メーカーが力を入れている動画撮影機能などについては、それほど重視していない傾向となった。

すでに国内のデジタルカメラ市場は、普及率、技術革新とも、すでに頭打ちとなってきており、驚くような新機能を備えた魅力的なモデルというのは登場しづらい状況になってきている。こうした中で、今年2012年春のデジタルカメラ市場は、ハイエンドモデルを中心に久々に話題豊富な状況になっており、消費者の購買意欲もかなり高まっている。ただし、消費者のニーズとしては、これ以上の高画素化を望む声はむしろ少なく、今の画質レベルを維持したうえでの小型化や、使い勝手の改良などを求める声が多い。そうした中で「ミラーレス一眼カメラ」という新ジャンルが、この先どのような進化を遂げていくのかは大きな意味がありそうだ。この春にわかに盛り上がっているデジタルカメラ市場ではあるが、ここが大きな転換点といってもいい状況にあるのは間違いないだろう。

調査対象:
価格.comID 登録ユーザー
調査方法:
価格.comサイトでのWebアンケート調査
回答者数:
9,755人
男女比率:
男91.5%:女8.5%
調査期間:
2012年3月1日〜2012年3月7日
調査実施機関:
株式会社カカクコム

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