今回の「価格.comリサーチ」では、最近何かと話題の多い「電子書籍」をテーマにした。この調査を行った期間は、2012年8月下旬から9月上旬にかけてとなるが、この7月には、楽天が買収したカナダの電子書籍サービス「kobo」から「kobo Touch」という日本向け電子書籍リーダーが7,980円という低価格で発売されたほか、9月上旬にはソニーが9,980円の「PRS-T2」を発表。さらに、Amazonの「Kindle」の新モデルが米国で発表されるなど、電子書籍を取り巻くニュースが非常に多い時期となった。残念ながら、ソニーやAmazonの新モデルの情報については、調査期間に間に合わなかったため、反映されていない部分もあるが、大まかな現状の認識としてとらえてもらえれば幸いである。
まず、電子書籍の利用率であるが、アンケート対象者全体の2割弱にあたる19.9%にとどまった。これはすべてのデバイスを通じての利用者数であり、かなり少ないと言わざるを得ない。また、現在電子書籍を利用していない人は全体の8割を占めるが、その約半数(すなわち全体の4割)は、今後も利用意向がないという結果になった。つまり、今後も利用意向がない人を除くと、電子書籍を利用したり、興味を持っている人は全体の6割程度にとどまる。これはいささか意外な結果であった。
電子書籍を利用している端末としては、タブレット端末が45.5%ともっとも多く、2位のスマートフォンを10ポイント近く上回った。利用している電子書籍ストアでは、アップルの「App Store」がダントツの1位という結果になっており、特にアップルの「iPad」のユーザーが多いことをうかがわせる。以前からパソコンや携帯電話で電子書籍を利用していたという層を除くと、最近になって電子書籍の利用者が加速度的に増えているが、これには主にタブレット端末、とりわけ「iPad」の普及が大きく影響している。
その陰で、専用の電子書籍リーダーの人気は思わしくない。この7月に7,980円という低価格で登場した「kobo Touch」は、専用ストアの利用者が、すでに電子書籍利用者の1割程度(複数回答)のシェアを占めるに至っているが、これ以外のリーダー専用ストアのシェアは5%程度にとどまった。その理由としては、本体価格が高いこともあるが、やはりタブレット端末の利便性には勝てないというものが多かった。なお、今後購入したいと思うリーダー端末としては、Amazonの「Kindle」が50%を超える支持率で1位となっており、近々と噂されている日本上陸が待ち望まれていることがわかる。
なお、電子書籍自体のメリットについては、「保管場所を取らない」「気軽に読める」「何冊でも運びやすい」など、携帯性のメリット・手軽さを感じている人が多いが、不満としては「コンテンツが少ない」「紙の書籍に比べてコンテンツが安くない」といったコンテンツ面の未整備と価格の高さをあげる人が多い。特に、コンテンツ価格については、電子書籍に興味を持っている人の8割以上が「高い」と感じており、これが国内での電子書籍の普及にとって大きな障壁となっていることは間違いない。今後期待することでも、「もっと価格が下がってほしい」「もっとコンテンツを増やしてほしい」といった声が多く、この2点をクリアしないことには、国内の電子書籍普及はなかなか難しいだろう。
![]()
- 調査対象:
- 価格.comID 登録ユーザー
- 調査方法:
- 価格.comサイトでのWebアンケート調査
- 回答者数:
- 5,847人
- 男女比率:
- 男91.1%:女8.9%
- 調査期間:
- 2012年8月28日〜2012年9月3日
- 調査実施機関:
- 株式会社カカクコム
