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No.071 夏のボーナス2013  -アベノミクス効果はいかに!?-

総評

2013年の夏のボーナスに関する調査を行った。2013年5月30日に経団連の発表した大企業のボーナス支給予想額は、前年比7.37ポイントアップの84万6,376円と、2年ぶりにアップに転じたが、本調査では、前年比-0.8ポイントダウンの54.4万円という結果だった。また、その内訳を見ても、必ずしも大企業がアップしているわけではなく、業種や会社規模によって、偏りが見られるわけでもない。上がっているところもあれば、下がっているところもあり、全体でならして見ると5,000円のダウンとなっている。「アベノミクス」効果による好況感が多くの報道で伝えられているが、たとえば公務員や公益法人・財団法人では大きくマイナスになるなど、全体としての好況感からはまだ程遠い感じだ。ただ、それほど大きなマイナスになっているわけではなく、消費者の感じ方としても「ほぼ横ばい」というイメージで、前年調査時に比べて、自由に使えるお金の額は「減っている」から「変わらない」というマインドに移行している。

ボーナスの使途については、相変わらず「貯金」にあてる割合が高く、金額ベースでも増加しているが、ただ、ここのところの円安・株高傾向の影響を受け、金融商品の購入にあてる割合が増加し、金額ベースでも増えている。これについては、今年2013年に入ってからの、日本の経済状況を如実に反映しているといえる。金融業のボーナス支給額も、前年比で11.6ポイントも上昇しており、ひとまず金融、証券といった業種から、アベノミクスによる経済効果が出始めているととれる結果となった。

そのほかの消費行動についても、若干の変化が見られる。ボーナスで購入したいものとしては、久々に「ノートパソコン」や「薄型テレビ」「エアコン」「洗濯機」といった大型家電や、「時計・アクセサリー・ブランド品」といった高額製品の割合が増加。ここ1年で大きく人気を高めている「タブレット端末」とともに、これらの製品の購買意欲が高まりつつある。ノートパソコンに関しては、来年に迫ったWindows XPのサポート終了と、Windows 8搭載パソコンの価格低下、薄型テレビに関しては、この夏いよいよ本格的な普及製品が登場する「4Kテレビ」といったトピックもあり、しばらく低調だった家電・パソコン業界も、この夏の販売は若干プラスに転じるのではないかという期待もできる。

全体としては、それほど大きく好景気を実感できるボーナス支給とはならなそうだが、消費者側のマインドとしては、景気の下げ止まり感が実感できていることから、消費行動に関しても、若干ではあるが、ここ数年固かった財布の紐がゆるみつつあるという状況と言えそうだ。

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