価格.comリサーチ第71回のテーマは、「夏のボーナス」!2013年の夏季ボーナスについてお聞きしました。 支給額の予想から、誰のために・何に使うかなど、ユーザーの本音がいっぱい! みんなのボーナス支給額は増えたのか!? 要チェックです!
![]()
夏のボーナス推定支給額:54.4万円で昨年より微減。拡がる「ボーナス支給なし」。中間所得層の割合も減少傾向。
今年2013年の夏のボーナスの推定支給額は54.4万円。昨年2012年夏の54.9万円をわずかに下回るという結果となった。5月30日に経団連から発表された「2013年夏季賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況 第1回集計」によれば、大手企業の今夏のボーナス支給予想額は、前年比7.37ポイントアップの84万6,376円と2年ぶりに上昇に転じたが、本調査ではそれとは逆行する形で、0.8ポイント下がり54.4万円となった。
まず、推定支給額の割合で目につくのは、「ボーナス支給なし」の回答だ。昨夏の調査結果と比べると、「ボーナスはない(もともと支給対象外)」という割合が3.6ポイント増加しており、支給対象者の割合をやや圧迫している。次に気になるのは、「30〜50万円」のゾーンと「70〜90万円」のゾーンで、それぞれ1.1ポイント、1.2ポイントの減少となった。このあたりの中間所得層の割合が減少し、全体の支給対象者で見ても少しずつポイントが下がっていることが、今回の「支給額前年比-0.8ポイント」という結果につながっている。
【図1-1-1 2013年夏のボーナス推定支給額(全体)】

【図1-1-2 2012年夏のボーナス推定支給額(全体)】

20,30代の若年層の支給額が特に減少。男性は微減、女性は大幅アップと男女間で差も。
次に、年代別で見てみると、「60歳以上」と「40代」を除く全年代が前年比でマイナスとなっている。特に落ち込みが大きいのは「50代」で、金額にして2.9万円のマイナスとなった。40代はかろうじてほぼ横ばい、30代、20代はそれぞれ昨年比で-1.3万円(-2.9%)、-1.2万円(-3.5%)という結果だ。なお、男女別に見ると、男性が昨年比0.8万円(-1.4%)のマイナスなのに対して、女性は4.1万円(10.2%)のプラスとなっており、男女間でもかなり差が出ていることがわかる。
【図1-2-1 夏のボーナス推定平均支給額 性別・年代・家族構成別(税込金額)】
| 2013夏(万円) | 2012夏(万円) | 増減(万円) | 前年比 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 全体平均 | 54.4 | 54.9 | -0.5 | -0.8% | |
| 性別 | 男性 | 55.3 | 56.0 | -0.8 | -1.4% |
| 女性 | 44.0 | 40.0 | 4.1 | 10.2% | |
| 年代別 | 20代 | 33.8 | 35.0 | -1.2 | -3.5% |
| 30代 | 42.9 | 44.1 | -1.3 | -2.9% | |
| 40代 | 57.1 | 57.0 | 0.1 | 0.1% | |
| 50代 | 61.7 | 64.6 | -2.9 | -4.4% | |
| 60歳以上 | 46.9 | 45.0 | 1.9 | 4.3% | |
| 家族構成別 | 単身 | 45.6 | 44.3 | 1.3 | 3.0% |
| 夫婦のみ | 53.3 | 56.1 | -2.8 | -5.0% | |
| 夫婦と子供 | 60.2 | 59.4 | 0.7 | 1.2% | |
| 3世代同居 | 54.0 | 54.7 | -0.8 | -1.4% | |
業種別:「金融業」で大幅増。「アベノミクス」の金融緩和政策の影響!?
次は、業種別に見てみよう。今回プラスになったのは「金融業」の昨年比+9.2万円(11.6%)を筆頭に、「医療業」の+4.5万円(9.7%)、「ソフトウェア・情報サービス業」の+1.7万円(3.3%)の3業種。それ以外は、すべてマイナスとなった。ただ、「医療業」と「ソフトウェア・情報サービス業」に関しては、前年の調査でかなりマイナスにふれていたので、今年揺り戻しただけという感じかもしれない。「金融業」に関しては「アベノミクス」の金融緩和政策の影響が寄与したためか、大きく伸ばしている。
逆に、マイナスになった業種を見てみると、「国家・地方公務員」(-3.1%)、「公益法人・財団法人」(-4.1%)といったところが比較的大きく落ち込んでいる。好調が伝えられる「製造業」だが、大手以外はまだそれほど景気好転の実感がないためか、-1.0万円(-1.6%)とこちらもやや落としている。「卸売・小売業」も-1.1万円(-2.4%)とマイナスだ。
最後に企業規模で見てみると、必ずしも大企業がプラスになっているというわけではない状況も見えてくる。従業員5000人以上の大企業はむしろ2.4ポイントのマイナスとなっており、金額ベースでも2万円のマイナスだ。比較的伸ばしたのは、従業員101〜300人程度の中堅企業のみで、残りはほぼ横ばいかマイナス。ボーナスがアップしたのは、かなり限定された業種・規模の企業のみ、という結果になっている。
【図1-2-2 夏のボーナス推定平均支給額 業種別(税込金額)】
| 2013夏(万円) | 2012夏(万円) | 増減(万円) | 前年比 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 全体平均 | 54.4 | 54.9 | -0.5 | -0.8% | |
| 業種別 | 金融業 | 88.6 | 79.4 | 9.2 | 11.6% |
| 国家・地方公務員 | 61.2 | 63.1 | -2.0 | -3.1% | |
| 製造業 | 59.5 | 60.5 | -1.0 | -1.6% | |
| 公益法人・財団法人 | 52.3 | 54.5 | -2.3 | -4.1% | |
| ソフトウェア・情報サービス業 | 53.6 | 51.9 | 1.7 | 3.3% | |
| 医療業 | 51.3 | 46.7 | 4.5 | 9.7% | |
| 卸売・小売業 | 44.0 | 45.1 | -1.1 | -2.4% | |
| サービス業 | 40.0 | 40.1 | -0.1 | -0.2% | |
【図1-2-3 夏のボーナス推定平均支給額 勤務先規模別(税込金額)】
| 2013夏(万円) | 2012夏(万円) | 増減(万円) | 前年比 | ||
|---|---|---|---|---|---|
| 全体平均 | 54.4 | 54.9 | -0.5 | -0.8% | |
| 勤務先規模別 | 50人未満 | 34.6 | 34.5 | 0.1 | 0.2% |
| 100人未満 | 40.4 | 42.2 | -1.8 | -4.3% | |
| 300人未満 | 47.9 | 45.4 | 2.5 | 5.5% | |
| 500人未満 | 54.5 | 56.5 | -2.0 | -3.5% | |
| 1000人未満 | 59.1 | 59.6 | -0.5 | -0.9% | |
| 5000人未満 | 70.4 | 70.3 | 0.1 | 0.1% | |
| 5000人以上 | 80.5 | 82.5 | -2.0 | -2.4% | |
【図1-2-4 2012夏のボーナス推定支給額との比較(企業規模別)】

※従業員300人未満の企業を中小企業、従業員300人以上の企業を大企業としています。
