
自由に使える金額:「3万円未満」の低額帯と「50〜100万円未満」の高額帯が増加傾向に。人によって使える金額に差が生まれてきている。
支給される予定の夏のボーナスのうち、必要経費などを除いた、自由に使える金額を聞いた。もっとも多かった金額レンジは「5〜10万円未満」で全体の19.3%。続いて「10〜20万円未満」(14.3%)、「3〜5万円未満」(12.7%)となっており、例年の傾向とそれほど大きな変化はないが、いずれも少しずつ減少傾向にある。今年の調査結果で興味深いのは、大多数を占めるこれらのミドルレンジ以外の割合がやや増加傾向にあることだ。たとえば、少額のほうでは、「1万円未満」と「1〜3万円未満」を合わせた「3万円未満」が、前年の14.2%から2.2ポイント上昇して16.4%になっている。逆に、高額帯でも「50〜100万円未満」が前年の4.7%から5.6%へと0.9ポイント上昇するなど、人によって、ミドルレンジから上に行ったり下に行ったりという変化が見られる。それだけ、人によって支給されるボーナス額、自由に使えるお金に差が出てきているということだろう。
【図2 税金、ローン返済・生活費の補填、ボーナス一括払いなどを除いた、実際に自由に使える金額】

自由に使える金額:「ほぼ変化なし」が増加。金額に対する「不満」の割合は減少傾向に。
図2の、自由に使える金額について、昨年と比較して増えたか減ったかを回答してもらった。もっとも多かったのは「変わらない」という意見で50.9%。「増えている」「やや増えている」と「減っている」「やや減っている」では、「減っている」「やや減っている」の合計のほうが3倍以上、上回っているが、昨年調査時には「減っている」という回答が半数近くを占めていたことを考えると、減っていると感じている割合はむしろ低下しており、全体をならすと「ほとんど変わらない」というように感じている人が増加していると言えるだろう。 金額への満足度については、例年と同じく「不満」のほうが多く、全体の4分の3ほどを占めたが、昨年調査時と比べると「不満」の割合が2.9ポイント減少しており、「不満」と感じる度合いはやや弱まってきている。
【図3-1 ボーナス支給額のうち、自由に使えるお金の増減】

【図3-2 ボーナス支給額のうち、自由に使えるお金の増減(世代別)】

※従業員300人未満の企業を中小企業、従業員300人以上の企業を大企業としています。
「自由に使える金額」に対する満足度:全体の約4分の3が「不満」と回答したが、昨年と比較すると「不満」と感じる度合いは弱まる。
【図2】の、自由になる金額についての満足度を聞いた。トレンドとしては、例年と同じく「不満」のほうが多く、全体の4分の3ほどを占めたが、昨年調査時と比べると「不満」の割合が-2.9ポイント減少しており、「不満」と感じる度合いはやや弱まってきている
【図4 自由に使えるお金についての満足度】

臨時ボーナスの支給状況: 支給と回答した割合は6.4%と、ごく一部の企業に限られる結果。
今夏のボーナスでは、大企業を中心に臨時ボーナスを支給するとしているところも多いようだが、実際にはどうなのか?本調査では、臨時ボーナスが支給されると回答した割合は6.4%で、ごく一部の企業に限られるという結果になった。アベノミクス効果と円安効果により業績が好転した一部の業種を除いては、こうした臨時ボーナスが支給されることはなく、全体としての底上げにもそれほどつながっていないという様子がうかがえる。
【図5 臨時ボーナスが支給されるかどうか】
