アプリの状況により待受時間が大幅に変化する点に注意!

まずは、Pocket WiFi SのモバイルWi-Fiルーター機能について見ていこう。

「Pocket WiFi」の起動は、待ち受け画面のPocket WiFiボタンをタップするだけだ。約10秒ほどで有効になる。USBケーブルでWindows搭載パソコンと接続してデータ通信することも可能だ。Wi-Fi機器とパソコンを合わせれば、同時に最大6台の機器をインターネットに接続できる。

USBケーブルを使った接続は、Pocket WiFi Sを充電しながらインターネットに接続したいときや、モバイルWi-Fiルーターが密集しているためにWi-Fi接続が安定しないときに利用するとよい。なお、Pocket WiFi機能とUSBケーブルでのインターネット接続(USBデザリング)を同時に実行すると、バッテリーの充電が進まないので注意しよう。

Pocket WiFi機能やUSBテザリング機能を使って、周囲のWi-Fi機器やパソコンをイー・モバイルのインターネット回線に接続できる。Pocket WiFiとUSBテザリングは同時に利用可能だ(画像クリックで拡大)

USB接続によるデータ通信(USBデザリング)を開始するには「設定」メニューから接続設定を変更する。Windows 7/Vistaならドライバーソフトのインストールなしでデータ通信を開始できる

実際の通信速度は、Wi-Fi接続と比べるとUSB接続のほうがやや速い。また、iPod touchの代わりにiPhone 4でも速度を計測したところ若干速度が落ちたが、気になるほどの差ではない。なお、Pocket WiFi S上で複数のアプリを起動していると、通信速度が遅くなる場合がある。

■接続方式別の通信速度比較
接続方法 接続機器 下り速度 上り速度
本体で通信 Pocket WiFi S(※) 3104kbps 1284kbps
USB接続(USBデザリング) PC 3642kbps 1028kbps
Pocket WiFi PC 3265kbps 1176kbps
Pocket WiFi iPhone 4(※) 2463kbps 919kbps
※Speedtest.netのアプリで計測
下りの通信で最も速かったのはUSBテザリングの3642kbps。逆に最も遅かったのがPocket WiFiとiPhone 4の接続だが、その差は800kbps程度だ。上りは1284kbpsから919kbpsと、ほとんど変わらない

ちなみに、数日ほどPocket WiFi SiPhone 4のデータ通信回線として利用してみたが、Pocket WiFi Sを利用した方が体感でもかなり快適だった。特に、混雑の激しい昼間の大手町や日本橋でも、高速で安定した通信ができた。

バッテリーについてだが、Pocket WiFi機能を有効にした待受状態での駆動時間は約10時間、連続通信時間は約3時間20分だった。ただし、Android上でさまざまなアプリをインストールして起動していると、駆動時間はより短くなる。この点は、モバイルWi-Fiルーター専用機と大きく異なる点だ。アプリをこまめに終了させるためのアプリを導入したり、使わないときはPocket WiFi機能をオフにして、電力消費を抑える工夫をしたい。「eneloopモバイルブースター」などのUSBモバイルバッテリーを携帯するのも一つの対策だ。

■Pocket WiFiとしての駆動時間
端末名 連続通信時
(カッコ内はカタログ値)
連続待受(動作)時間
(カッコ内はカタログ値)
Pocket WiFi S(S31HW) 約3時間20分
(約4時間)
約10時間
(約16時間)
Pocket WiFi(D25HW) 約5時間
(約4時間)
約14時間
(カタログ値なし)
「連続通信時間」は、約400kbpsのデータを連続して受信して計測。「連続待受時間」は、Pocket WiFi機能をオンにしたまま、いつでもWi-Fi機器を接続できる状態での実測値だ

モバイルWi-Fiルーターとしての各種設定は、SSIDの入力と認証方式の選択のみとシンプルだ。従来のPocket WiFiや一般的なルーターに搭載されている詳細な認証方式やルーティング設定、Wi-Fi接続機器間のブロッキングには対応していない。

問題となるのが、WPA2-PSKに対応していないやや古めのWi-Fi機器を接続する場合だ。特に、WEPのみの対応となるニンテンドーDSや、WPA-PSKまでにしか対応していないPSPと接続するには、MACアドレス認証やパスワードすらないオープン設定にしなければならない。誰でも認証なしで接続できるため、見知らぬ他人に回線を利用される危険性がある。現時点では、これらの機器との接続は避けたほうが賢明だろう。2月26日に発売される次世代モデル「ニンテンドー3DS」ならWPA2-PSKに対応しており、問題ないと思われる。

認証方式は「WPA2 PSK」と「Open」しか用意されていない。通信回線のタダ乗りを防ぐためには、「WPA2 PSK」を選択しておこう