パナソニックは2011年2月14日、デジタルメディアプレーヤー「SV-MV100」を発表した。これは同社のBDレコーダー「ブルーレイDIGAシリーズ」と連携し、録画番組などのコンテンツを外出先などで楽しめるポータブルAVプレーヤーである。
Android OS(バージョン2.1)を採用し、音楽と動画再生のほか、タッチパネル操作でWebブラウジングやメール送受信などが可能。本機からネット経由でDIGAを操作できる「ディーガリモコンアプリ」もインストールされている。といっても、Androidケータイほどの拡張性と汎用性は備えておらず、Androidマーケットからのアプリケーション・ダウンロードには対応しない(※)。
(※)NECビッグローブが運営するインターネットプロバイダー「BIGLOBE」のサイトで、本機用アプリケーションのダウンロードサービスを2011年5月に開始する予定としている。
こうした点で、ネット端末と言うよりも、Android OSを利用した“DIGA対応プレーヤー”ととらえたほうがいいだろう。メーカーもAndroid搭載を強調しておらず、その意味で、本年のCESで同社が発表した「ビエラ・タブレット」とはカテゴリーの違う製品と考えられる。
拡張性はやや限られるが、同社のレコーダー「ブルーレイDIGAシリーズ」で録画した番組を持ち出せたり、音楽プレーヤーとして楽しめるのが特徴。後述するDIGA向けの新ネットサービス「ミモーラ」とも連携できるなど、DIGAユーザーにとって便利なプレーヤーに設計されている。
DIGAシリーズ対応機種のHDD内に録画した番組を転送し、外に持ち出して視聴できる。ソニーのBDレコーダーでは録画した番組をPSP(プレイステーションポータブル)やウォークマンシリーズなどに「おでかけ転送」できるが、本機はそのパナソニック版と言える。
DIGAからの転送はSDカードのほか、本機内蔵のWi-Fi(無線LAN)を使った「お部屋ジャンプリンク」(DLNAホームネット)による転送にも対応し、家庭内に無線LAN環境があればワイヤレス転送が可能だ。
※SDカード転送は2010年9月発売以降のDIGAシリーズ、お部屋ジャンプリンクによる転送は2011年2月発売の最新DIGAシリーズが対応する。
転送は多彩で、DIGAから本機にダビング転送できるほか、ストリーム視聴にも対応している。このため、DIGAのHDDに録画した番組を無線LAN経由で再生することも可能だ。さらにDIGAで受信しているデジタル放送も、リアルタイムで本機でストリーム試聴できる。
注意したいのは、これらの転送・視聴機能はDLNA機能を利用するため、ストリーム視聴とリアルタイム視聴はDLNAの範囲内、つまり家庭内でのみ可能になる点だ。ダビング転送すれば家の外でも視聴できるが、屋外のWi-Fiスポットなどを利用した転送には対応していない。会社のLANやWi-Fiスポットが使えたら便利なのだが、テレビ放送の転送という性格上、通信との完全な融合は難しいようだ。