What a difference a year makes!(1年でこんなに大きく変わるなんて)」。

ハワイのランニングショップのベテランスタッフは感慨深げな表情で語り始めた。たった1年で「ベアフット」と呼ばれる裸足感覚をコンセプトとしたランニングシューズのシェアが急速に拡大したことに驚いているのだ。

今からちょうど1年前、米国で裸足感覚シューズがランナーの注目を集め、その牽引役ともいえる“5本指シューズ”「ビブラムファイブフィンガーズ」はランニング専門店を主とする取り扱い店舗の多くで売り切れ状態が続いた。しかし「フットロッカー」「スポーツオーソリティ」といった大手チェーン店ではまだ取り扱いがほとんどなく、あくまでニッチな存在だった。

ところが2012年春になるとフットロッカーや同じ系列のスポーツ用品店「チャンプス」、スポーツオーソリティといった業界大手がニューバランスの「ミニマス」をメインディスプレイに据え、チャンプスの一部店舗ではビブラムファイブフィンガーズをコーナー展開するなど、裸足感覚シューズを売り上げを見込めるメイン商材として扱うようになった。ここまでのブームになった背景にはランニング用途はもちろん、「ナイキ フリー」のように普段履きとしても浸透しつつあることも大きいだろう。

以前の記事では新トレンドとして裸足感覚シューズを紹介したが、日本でも着実に売り上げを伸ばしている。さらに2012年春にはナイキがナイキフリーのフルモデルチェンジを行い、ニューバランスはつま先部分とかかと部分の高低差をなくしてより裸足感覚に近づけた「ミニマスゼロ」をリリースするなど、メーカーの動きもこれまで以上に活発化している。

ここでは裸足感覚シューズの現状と今シーズンの注目モデル、今後の動向を分析する。

2012年4月6日にオープンしたアディダスの旗艦店「アディダス ブランドコアストア 新宿」では同社の裸足感覚シューズ「アディピュア トレーナー」を大々的に展開していた
[画像のクリックで拡大表示]