より詳しい検証比較 - キヤノンEFマウント用50mm単焦点レンズ定番製品比較テスト

CANON EF50mm F1.4 USM

コントラスト低下は中央部だけでなく周辺部にも若干及んでいる。太陽の左上に1点、ゴーストが発生している。全体的にややにじんだような描写となっている点も気になるところ。

CANON EF50mm F1.2L USM

中央部だけでなく周辺部にも逆光によるコントラスト低下が見られる。また、画面の中心から少し離れたところに円形のゴーストが発生している。ここまでのゴーストが見られるのは今回の検証中でこのレンズだけだ。

カールツァイス Planar T* 1.4/50 ZE

太陽の周りもほとんどコントラストの低下はなく、5本のレンズ中で最も優れた逆光性能となっている。ゴーストの発生もなく、紫の色づきも最小限にとどまっている。

シグマ 50mm F1.4 DG HSM [キヤノン用]

逆光によるコントラストの低下は太陽の周りのみに抑えられている。ゴーストの発生はなく、太陽を画面内に入れてもきっちり再現してくれるのは見事だ。

CANON EF50mm F1.4 USM

EF 50mm F1.2に比べれば若干いいが、太陽の周りはハレーションが多く、コントラストは低下している。木の枝の輪郭部に見られる紫の色づきは検証したレンズ中で最も多く気になるレベルだ。

CANON EF50mm F1.2L USM

写り込んでいる太陽周辺のハレーションが大きく、コントラストは大きく低下している。木の枝の輪郭部は紫の色づきが多く、開放F1.2での描写は厳しい。

カールツァイス Planar T* 1.4/50 ZE

テストしたレンズ中、最も逆光によるコントラストの低下が少なく、シャドーがしっかりと締まった描写となった。太陽の直近にのみ色濃い紫の色づきが見られる。

シグマ 50mm F1.4 DG HSM [キヤノン用]

太陽の影響によるハレーションは非常に少なく、逆光性能に優れている。太陽の直近の枝には紫の色づきが見られるが、純正レンズ3本に比べると圧倒的に少ない。

CANON EF50mm F1.4 USM

純正3レンズはほぼ同レベルといえる上下に膨らむたる型のわい曲収差が見られる。カメラ側の補正がオフの状態としては標準的といえるだろう。

CANON EF50mm F1.2L USM

縦方向に線が膨らむたる型のわい曲収差が発生。カメラ側の補正なしの50mmならこの程度は仕方ないかもしれない。

カールツァイス Planar T* 1.4/50 ZE

純正3レンズと同程度のたる型のわい曲収差が見られる。上下の線がわずかに弓のような曲線なのがわかるはずだ。

シグマ 50mm F1.4 DG HSM [キヤノン用]

わい曲収差はまったく発生していないといえるほど。線が真っすぐに再現されている。5レンズ中、わい曲収差が見られないのはこの1本だけというすばらしい結果だ。

CANON EF50mm F1.4 USM

5本のレンズ中、最も周辺減光が大きいのがこれ。画面四隅は中央に比べると1.5段程度暗い写りとなった。周辺減光を避けるならある程度絞って使うべきだろう。

CANON EF50mm F1.2L USM

周辺減光の補正をオフにしているとはいえ、周辺部はかなり大きな光量落ちが見られる。特に画面の四隅は1段分以上の落ち込みとなっている。

カールツァイス Planar T* 1.4/50 ZE

EF50mm F1.2、EF50mm F1.4に比べると明らかに周辺減光は少ないが、そこそこの光量落ちは見られる。ただし、四隅ギリギリのところでもそれほど極端な光量落ちではなく、滑らかな光量変化となっている。

シグマ 50mm F1.4 DG HSM [キヤノン用]

5本のレンズ中、最も周辺減光が少ない。画面の四隅にはわずかな周辺光量落ちが見られるが、その範囲はわずかで光量落ちの量も最大で0.5段程度となっている。

CANON EF50mm F1.4 USM

ほどほどの解像力と自然なボケによりバランスのいい仕上がりに見える。この距離ではボケにクセもなく、50mmの単焦点レンズとしては使いやすいだろう。

CANON EF50mm F1.2L USM

解像力は決して高くはないが、ピント面から少し外れた位置にあるボケは悪くない。F1.2という大口径も手伝ってボケが大きくなるのがプラスの要因といえるだろう。

カールツァイス Planar T* 1.4/50 ZE

ピント面の解像力は高くなく、全体ににじんだような描写となっている。ボケ部分にもにじみが見られるが、逆にこれが柔らかな印象を生んでいるようで、全体としてはふんわりと柔らかな仕上がりに見える。

シグマ 50mm F1.4 DG HSM [キヤノン用]

解像力の高さが光る。ピントを合わせた部分の描写力に優れ、細部まできっちりと再現されている。ボケも大きく、しかも滑らかなのがいい。

CANON EF50mm F1.4 USM

EFレンズ3本の中ではちょうど中間という感じの解像力。甘い、というほどではないが、シグマ50mmなどと比較すると細部の解像力が足りないことがわかる。

CANON EF50mm F1.2L USM

ピント面のキレがなく、甘めの描写となっている。カールツァイス50mmのようなにじんだ感じではなく、ピント面の解像力自体が不足しているという印象だ。

カールツァイス Planar T* 1.4/50 ZE

5レンズ中、最も開放絞りでの描写が甘いのがこのレンズ。ピント面がわずかににじんだような描写となっているため、解像感を欠く印象。

シグマ 50mm F1.4 DG HSM [キヤノン用]

今回のテストで最も解像力が高い結果となった。ぬいぐるみ表面の毛羽立ちまではっきりと写っている。開放絞りでここまでの解像力があるのはこのレンズだけだ。