ニコン Fマウント用 50mm単焦点レンズ
定番製品 比較テスト
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画面の中央付近に直接太陽が見えるようにして木々を撮影した。このシーンにおいてはどのレンズも開放から極端にコントラストが落ちはしなかったが、枝葉の輪郭部に発生する色収差(パープルフリンジ)の発生度合いに差が出た。その点にフォーカスするとAF-S NIKKOR 50mm f/1.8Gが優秀となる。
セッティング:絞り優先オート F1.8 1/8000秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/8000秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/8000秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/8000秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/8000秒 露出補正なし ISO100
ニコン
AF-S NIKKOR
50mm f/1.8G
ニコン
AF-S NIKKOR
50mm f/1.4G
ニコン
AF-S NIKKOR
58mm f/1.4G
カールツァイス
Milvus
1.4/50 ZF.2 [ニコン用]
シグマ
50mm
F1.4 DG HSM [ニコン用]
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
開放F1.8からコントラストは高く逆光性能に不満はない。全体の解像力についていえば、逆光でも安心して撮れるだろう。
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G
開放F1.4からコントラストが低下することはなく、逆光性能に不満はない。だが、パープルフリンジの発生は顕著。
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
開放f1.4からコントラストはあるが、コントラストの低下を最小限にしたければ絞って使うのがいいだろう。
Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]
開放F1.4でも十分なコントラストなので不満はないが、絞り込むほどに少しずつではあるがコントラストは高くなる傾向にある。
50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]
F1.4の開放時にはわずかだがコントラストの低下が感じられる。ごく少量の低下なので気にすることもないが、しっかりとコントラストを出したいなら絞って使うといいだろう。逆光性能の高いレンズといえる。
セッティング:絞り優先オート F1.8 1/8000秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/8000秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/8000秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/8000秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/8000秒 露出補正なし ISO100
ニコン
AF-S NIKKOR
50mm f/1.8G
ニコン
AF-S NIKKOR
50mm f/1.4G
ニコン
AF-S NIKKOR
58mm f/1.4G
カールツァイス
Milvus
1.4/50 ZF.2 [ニコン用]
シグマ
50mm
F1.4 DG HSM [ニコン用]
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
開放のF1.8からコントラスト、解像力は十分。パープルフリンジが見られるが、同社のF1.4レンズに比べれば軽微。逆光の風景をしっかり撮るなら絞って使うといいだろう。
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G
開放F1.4でも解像力に不満はないが、強い光でのエッジ部に発生しやすいパープルフリンジが盛大に発生している。逆光の風景では絞って撮るほうがいいだろう。
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
50mmf1.4と同様、開放F1.4ではエッジ部に盛大なパープルフリンジが見られる。解像力に関しては開放でも特に不満はない。
Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]
開放F1.4から解像力は高いがエッジ部にパープルフリンジがそれなりに発生する。この点を加味すると強い逆光時には絞って使う方が望ましい。
50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]
画面中央付近の太陽が写る周りは少し解像力が落ちるが、極端ではないので開放F1.4でも問題はない。パープルフリンジはF1.4時には少し見られる。
レンズの素性をチェックするため、D850の撮影メニューにある「自動ゆがみ補正」をOFFにして、タイル状の壁に正対する位置にカメラを置いて撮影している。結果はシグマとツァイス、ニコン50mm f/1.8が優秀。わい曲補正をOFFにしているため純正レンズでも大きなわい曲収差が見られるが、通常の撮影時には補正をONにしておくことで収差は抑えられる。
セッティング:絞り優先オート F5.6 1/400秒 露出補正なし ISO400
セッティング:絞り優先オート F5.6 1/400秒 露出補正なし ISO400
セッティング:絞り優先オート F5.6 1/400秒 露出補正なし ISO400
セッティング:絞り優先オート F5.6 1/400秒 露出補正なし ISO400
セッティング:絞り優先オート F5.6 1/400秒 露出補正なし ISO400
ニコン
AF-S NIKKOR
50mm f/1.8G
ニコン
AF-S NIKKOR
50mm f/1.4G
ニコン
AF-S NIKKOR
58mm f/1.4G
カールツァイス
Milvus
1.4/50 ZF.2 [ニコン用]
シグマ
50mm
F1.4 DG HSM [ニコン用]
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
画面中央から上下方向に向かい樽(たる)型のわい曲収差が見られる。ニコンの50mm F1.4とほぼ同じ傾向。
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G
画面中央から上下方向に膨らみのある比較的に目立った樽(たる)型のわい曲収差が見られる。今回のテストでは最もわい曲が目立つレンズとなった。
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
同社の50mmシリーズと同様の樽(たる)型わい曲収差が見られる。端に寄るほど弓状に線が曲がっていることがわかる。
Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]
非常に軽度ではあるが、どちらかといえば樽(たる)型のわい曲収差。ニコンのレンズに比べるとわい曲の度合いは少ない。実際の撮影で気になるレベルではないだろう。
50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]
唯一、わい曲収差がないといってもいいレベルの仕上がり。ほかのレンズの写真と見比べるとむしろ糸巻き型に上下がへこんで見えてしまうが、画像ソフトでグリッド線を引いてみると、ほぼまっすぐであることがわかる。
D850のメニューにあるヴィネットコントロールを「しない(オフ)」にして、レンズ本来の周辺光量落ちをチェックした。どのレンズも開放絞りでは大きく周辺光量が落ちるが、Milvus 1.4/50 ZF.2は開放のF1.4から光量落ちが少なかった。
セッティング:絞り優先オート F1.8 1/4000秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/6400秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/2000秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/1000秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/4000秒 露出補正なし ISO100
ニコン
AF-S NIKKOR
50mm f/1.8G
ニコン
AF-S NIKKOR
50mm f/1.4G
ニコン
AF-S NIKKOR
58mm f/1.4G
カールツァイス
Milvus
1.4/50 ZF.2 [ニコン用]
シグマ
50mm
F1.4 DG HSM [ニコン用]
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
開放F値がF1.8と暗めの開放F値だが、ほかのレンズの開放と同レベルの周辺光量落ちが見られる。
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G
開放F1.4では比較的大きな範囲で周辺光量落ちが見られる。ただし、周辺光量落ちに関してはレンズの味のようなものなので、好みで選んでもいいだろう。
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
開放F1.4での周辺減光は同にニコンのほかのレンズと同レベル。
Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]
開放f1.4での周辺光量落ちが最も少なかったのはこのレンズ。もちろん、開放では光量落ちは見られるがきわめて軽度。
50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]
他のレンズに比べれば開放F1.4での周辺光量落ちは少ないが、それでも落ちる。
スタジオの定常光環境でぬいぐるみの鼻にピントが合うように撮影している。AFレンズはD850のライブビューAFで、MFレンズはライブビューで最大に拡大してピント合わせを行った。シグマとカールツァイスの2本のレンズは開放F1.4から解像力が飛び抜けた印象だった。
セッティング:絞り優先オート F1.8 1/160秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/250秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/250秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/125秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/200秒 露出補正なし ISO100
ニコン
AF-S NIKKOR
50mm f/1.8G
ニコン
AF-S NIKKOR
50mm f/1.4G
ニコン
AF-S NIKKOR
58mm f/1.4G
カールツァイス
Milvus
1.4/50 ZF.2 [ニコン用]
シグマ
50mm
F1.4 DG HSM [ニコン用]
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
F1.8ということもあるが純正レンズの中では開放絞りから最もシャープな写り。
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G
開放F1.4の解像力は比較的甘め。シャープさを求めるなら絞って使うようにしたい。
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
開放F1.4での写りはかなり甘めで解像力には欠ける。シャープに写したいなら絞る必要がある。
Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]
マニュアルフォーカスレンズのためピント合わせはシビアだが、しっかりピントを合わせれば開放のF1.4から非常にシャープな描写が得られる。光学ファインダーでのピント合わせは厳しいのでライブビューの拡大機能を使いたい。
50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]
開放F値1.4のレンズで最も解像力が高い。解像力に関しては申し分ない。
セッティング:絞り優先オート F1.8 1/160秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/250秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/250秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/125秒 露出補正なし ISO100
セッティング:絞り優先オート F1.4 1/200秒 露出補正なし ISO100
ニコン
AF-S NIKKOR
50mm f/1.8G
ニコン
AF-S NIKKOR
50mm f/1.4G
ニコン
AF-S NIKKOR
58mm f/1.4G
カールツァイス
Milvus
1.4/50 ZF.2 [ニコン用]
シグマ
50mm
F1.4 DG HSM [ニコン用]
AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
F1.8の開放ではほどほどの解像力が得られる。ボケも比較的穏やかで開放F値での描写はバランスの良さを感じる。単焦点レンズとしては暗い開放F値であることが気にならなければとてもいいレンズといえる。
AF-S NIKKOR 50mm f/1.4G
F1.4の開放でもピントを合わせた部分はしっかりしているが、解像力が高いというほどではない。ボケは少しうるさい感じ。
AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G
F1.4の開放ではピントが合っている中央部でもシャープに見えてこない。ボケもにじんだようで独特の写りとなる。
Milvus 1.4/50 ZF.2 [ニコン用]
シグマ50mmに次いで、開放F1.4での解像力は高い。至近距離の被写体でのボケはとても滑らかで上品な印象を受ける。ただし、輪郭部のボケに色収差が見られる。
50mm F1.4 DG HSM [ニコン用]
開放F1.4から驚くほど高い解像力が得られるレンズ。ボケに関しては至近だと少しにじむ感じがある。
撮影データを元データで確認したい場合はこちらから。「F値:F1.4」などのボタンをクリック/タップすると元画像が別タブで開く。また、画像サイズが大きいためスマートフォンなどで開く場合には、パケット使用量などに注意してほしい。
撮影機材紹介
ニコン
D850 ボディ
最安価格円
ニコンのミドルクラス一眼レフカメラD850を使用。4575万画素の高解像度データはレンズテストにも最適。ただし、一眼レフカメラの場合、AFによるピント合わせは精度の問題もあるため、比較テストの作例はすべてライブビューによるコントラストAFを使用している。
ニコン D850 ボディを探す検証・監修
塙真一 Shinichi Hanawa
東京都出身。
人物をメインの被写体とするフリーランスのフォトグラファー。
カメラ誌に写真や記事を寄稿するほか、役者、タレント、政治家などの撮影も行う。
また、海外での肖像写真撮影、街風景のスナップ、夜の街を撮る「夜スナ!」をライフワークとする。
写真展の開催も多数。