メンバーの成長が自分のやりがいに。
担当サイトや役割によって変遷した視点


これまでの担当業務と、仕事を通じて感じた面白さについて教えてください
入社後、「価格.com」のプロバイダやWi-Fiのプランを比較する通信系サービスの部署に配属されました。3年所属した中で、最初の1年は通信系サービスを担当し、残り2年は別サイト「アキバ総研」を担当。価格.comに比べて規模が小さいサイトということもあり、新卒2年目の私を含む2名のみでサイトリニューアルまで担当でき、非常に良い経験となりました。
その後、4年目に部署の統合があり、私のいた部署と、価格.comの主軸である価格比較やクチコミなどの機能を開発する部署が1つに。3年間いた通信系サービスの部署は、部署の規模や思い切りの良い雰囲気もあり、システムも新しいものを作る機会が多かったのですが、この部署統合で関わる人が大幅に増え、視点が変わりました。価格.comは25年続いているサイトで、アクセス数も桁違いに多く、世の中への影響度が大きい。そのため、今ある仕組みをどう有効活用するか、という視点で物事を見るように。この4年目から2年間は、価格.comのクチコミ掲示板やレビューの機能を担当し、6年目からは価格.comの根幹である価格比較の機能をリーダーとして担当、2020年度にマネージャーになりました。
仕事の面白さで言うと、リーダーになる前までは、「自分が開発した機能をリリースし、多くの人に使ってもらえている実感」にやりがいを感じていました。今は、チームのメンバーが開発した機能が世の中にリリースされ、メンバーの成長を実感する時が一番楽しい。それまで自分たちがやってきたことが、下の世代に引き継がれ、その世代の人たちが仕事を着実に進めて評価されているのを見るのが嬉しいです。
意識が変わり、技術力が増し、
サービスへの理解が増したことでできるプラスアルファ
印象に残っている仕事や成長を感じたエピソードを教えてください
印象に残っているエピソードは2つあります。1つは、入社1年目での先輩からの教育、もう1つが、価格比較のシステム担当になって初めて経験した障害の話です。
まず入社1年目の話ですが、私は高校時代からサイト運営をしていた経験もあり、「カカクコムのエンジニアなんて大したことないだろう」と斜に構えていて。でも入社して、先輩の技術力を見て鼻っ柱を圧し折られ、まさに「無知の知」を感じました。技術だけではなく、例えば会議ひとつにしても「出席している人たちの時間の大切さを考えろ」など社会人としての心構えを教わりました。私が入ったチームでは、トレーナーだけでなくチーム全体で新卒を育てようという接し方をしてもらっていて、今でも感謝しています。この経験もあって、マネージャーになった今、メンバーをはじめ、周りの人たちに恩返しをしたいという気持ちを強く持っています。
もう1つが、入社6年目に、価格.comの価格比較機能のシステムリーダーとなってすぐに発生した大きな障害の時です。サイトのメイン機能である価格比較の担当に変わり、更にリーダーという立場になったタイミングでした。大規模な障害だったため、取締役を含め錚々たるメンバーに対する説明責任が私にあり、かなりの叱責を覚悟しました。ですが、「どうすれば早く対応でき、再発を防げるか」と前向きな議論に終始し、その場の全員から「人を責めない、犯人探しはしない」という意思を感じ驚きました。この経験を経たことで、システムの立場からサイトの品質を上げて行きたいという意識が強く芽生え、「そもそもバグを作りこまないようにする、障害を起こしづらい仕組みを整える」ことが重要だと改めて実感。特に価格.comは大規模なサイトなので、今後も成長を続けていくためには、事故を未然に防ぐこと、今まで目を向けていなかった細かい箇所にフォーカスして対応していくことが、システムとしてできる良いサイトづくりだと考えています。
成長を感じるのは、言われたことに対してプラスアルファで返せるようになった時です。例えば、1つの機能改善の話が出た際に、別の機能との関連も考え、複数の案件をまとめて対応する。これは意識が変わったこと、技術力が増したこと、サービスへの理解が増したことで出来るようになったと思っています。直近だと、私の発案で、20年近く続いた運用を変えようとしています。サイト内に掲載されている金額の更新について、ユーザーやクライアントから問い合わせがあった時、今まではエンジニア側でしか調べることができない状態でした。これを、他部署の人でも調査できる体制を整えるよう、今動いています。それまでの自分なら、「エンジニアが都度対応すればよい」という意識だったと思いますが、他部署の方々の「ユーザーに、クライアントに迅速に対応したい」という思いも含め、サービス全体で効率のよい方法を考えた結果です。
「ユーザーへ価値を提供する」が
指針となっている企業


カカクコムで働くことの魅力はなんですか
もともと、私自身の就職活動の際に魅力に感じたところは「会社として地に足がついているところ」。その時はソーシャルゲーム全盛期で、インターネット業界がやや浮き足立っている印象だったのですが、説明会や面接で接したカカクコムの社員からは、人当たりのよさ、そして現実を見据えて仕事をしている様子が伝わってきました。
実際に入社した後もその印象は変わらないのですが、会社の魅力を別の言葉で言い換えるのであれば「ユーザーへ価値を提供するという考えが経営方針にも表れている」ところ。例えば、価格.comでは、製品情報などのデータを管理する部署に約50人ものメンバーが在籍しています。人の手によってデータを集め、集められたデータの妥当性を担保するため、そこにちゃんと人の目を入れている。今、この瞬間にも、データの確実性を追求し続けるという意思があり、そこに価値を見出し運営しているというところに、企業としての真っ当さを感じます。
あるべき姿を追求し、
やるべきことに落とし込める人たちの集合体
会社や所属部署の雰囲気を教えてください
前述のカカクコムの魅力と重なりますが、ユーザーに対して良い物を提供しようという意識がみな強く、職種を超えて同じ方向を向いていると感じます。エンジニアで言うと、「技術力の高さが正義」と考えるのではなく、「ユーザーがどんな使い方をするか」を最優先にし、それを技術でどう実現するかと考えられる人が多いです。エンジニアだけではなく、他の職種も、事業やサイトの本来あるべき姿を自分の頭で考え、そこから自分のやるべきことに落とし込んで仕事を進めている人たちの集合体だと感じます。
雰囲気としては、着実に仕事をしつつも、休憩時間はみんな集まって雑談する時間をとるなど明るい感じですね。私自身も、プライベートで飲みに行ったり旅行したり、職種関係なく仲良くできている人が多く、人同士のつながりは強いと思います。
組織づくりと高品質なサイトづくり、
二つを連動して成長させる


今後チャレンジしたいことを教えてください
引き続き組織づくりに力を入れたい。次期リーダー、次期マネージャーの育成にフォーカスしたいです。また、サイト開発について言えば「潜んでいる問題を見つけ、解決に向けて取り組む」ことをやり切り、安定した高品質のシステムというものを作り切ってみたい。この育成と品質は、私の中でリンクしています。サイトの品質を上げるためには問題が顕在化する前に未然に防ぐ必要があり、未然に防ぐには課題を発見する時間が必要となり、その時間をつくるには現場の仕事をうまく回す必要があり、そのためにはメンバーを育てる必要がある。そのために、自分も、メンバーも、仕事を変遷させていって、どんどんできることの幅を広げていきたい。エンジニアを形容する際に「職人気質」というワードがありますが、メンバーには同じことを繰り返す職人になるのではなく、応用力をつけて欲しい。応用が利く人は、今までと違う仕事をしても、前の仕事でやった経験を生かして対応できるので。そうやってどの領域でも活躍できる人を育てて、最終的に自分という存在がいなくても現場が回るようにしたいです。
カカクコムのエンジニアとして向いている、自分のチームのメンバーとして来て欲しいなと思うのは、「めんどくさがり」な人。自分が感じた面倒くささに気づいて、手抜きをするために知恵を働かせる人ですね。これに気づかず、作業として従順にこなしてしまうと改善に結びつかない。面倒くさいことをどう楽にこなしていくか、時には悪知恵を働かせて、どうしたら手を抜けるのかを考え、最短距離で辿りつけるような、クセのある人と一緒に仕事ができると嬉しいです。
※記載内容は取材当時のものです。
ある一日のタイムスケジュール
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09:30出社
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10:00メールチェック&タスク確認
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10:30仕様確認・コーディング
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12:00ランチ
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13:00仕様についての会議
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14:00リファクタリングについての会議
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15:00問い合わせ対応・コーディング
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18:00チームミーティング
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19:30退社