課題も可能性も多岐に渡る面白さと、
データ活用に対する継続的な挑戦

食べログ 機械学習・データエンジニア
2012年 中途入社

大学院総合理工学研究科修了。大学でコンピューターサイエンスを専攻後、大学院で自然言語処理を専攻し、自動要約を研究。大学院在学中に知人が起業した学生ベンチャーに参画し、機械学習・アプリインストールデータ活用の社会実装に挑戦。2012年解散にあわせてカカクコムへ入社。SREの業務を経験後、食べログのシニア機械学習エンジニア・データエンジニアとして、機械学習・データ活用の社会実装に再び挑戦中。

テクノロジーの力で食領域の課題を本質的に解決し、
食領域の未来をつくる

食べログデータサイエンスチームの役割と、仕事のやりがいを教えてください

「食べログ」にある膨大なデータを組み合わせ、サービスを分析すること。それがデータサイエンスチームの主な役割です。食べログに存在する、行動ログデータや飲食店の基本情報、口コミ、写真などの様々なデータから、サービスの課題を探ります。時には、画像認識、自然言語処理など、機械学習関連の技術を利用することも。さらに、サービスの状態を把握しやすいようモニタリングダッシュボードを作り、データの変化をすぐに確認できる体制も整備しています。
また、分析だけではなく、データを活用し、情報検索・レコメンデーション・サジェストなどの機能の実装も行います。食べログデータサイエンスチームのミッションである、「テクノロジーを活用して食領域の課題を本質的に解決し、食領域の未来をつくる」のため、データ、テクノロジーと向き合う日々です。

現在取り組んでいる重要施策のひとつに、データ活用の土台となるデータ基盤の構築があります。これまでのデータ管理体制では、データごとに保管場所が異なっていたり、整備・連携されていなかったり、そもそもエンジニア以外はデータを抽出することすら難しい状態にありました。このまま更にデータが蓄積されてしまうと、データから課題を探るどころの状況ではなくなることが見えています。そこで、データ基盤を整備し、見るべきプラットフォームをひとつに集約することに。エンジニア以外のメンバーでもデータ活用、サービス分析をできる環境にすることで、施策の効果測定を容易にし、次の一手を早いスピードで打てるようになることを目標にしています。最終的には、ユーザーや飲食店の方々など食べログに関わる全ての人がデータドリブンな意思決定をできる状態にまで広げることが理想です。
他にも、「ユーザーが望むお店に早く辿り着ける」ために情報検索機能を向上させる取り組みや、口コミや写真から店舗の特性・メニュー情報を抽出し新しい形で情報提供する機能など、その時々のニーズにマッチした技術の導入を推進しています。

仕事のやりがいを感じるのは、自分が関わった施策が価値として届いていることをユーザーの声から実感できたときです。また、新たな施策によるユーザー体験の変化が、数字として効果に表れていると嬉しく思います。
ユーザーの声や数値変動ももちろんですが、いちユーザーである私自身が、食べログを利用する中で機能性が上がっている実感を持てることも多く、日々のやりがいに繋がっています。

大規模サービスならではの難しさ。
価値を届けるためにできることを粘り強く推進し、実現へ

仕事を進める上で大切にしていることはなんですか

大切にしているのは、「ビジネス上の課題解決」と「ユーザーへ価値を届ける」という2点を実現するスピードをいかにして早くするか、という視点。ユーザーがどんな恩恵を受けられるのか、食べログの開発に関わるメンバーの業務がどう変容するか。食べログに関わる人の価値に繋がることを目的として、行動しています。

まず、飲食店の方々にとっては、食べログに期待されている集客をどれだけ効果的に支援できるかが重要であると考えています。また、ユーザーにとっては、目的に合ったお店に出会えるかどうかが重要になると思います。「美味しさ」「コンセプト」「人が集まるための会場としての魅力」など、目的によって飲食店に対して求める要素は異なります。食べログのブランドイメージとしては、「美味しいお店と巡り合う」が強いと思いますが、それぞれのユーザーが求めるものは違うという前提に立ち、本当に望んでいるものと巡り合えるようにしたい。美味しいお店を見つけるというのはあくまでもひとつの価値観であって、いろいろな価値観を持つ人に、様々なシーンで使ってもらいたい。そのような思いで、飲食店とユーザーのマッチングの精度を高めるべく情報検索機能の向上をはかっています。

食べログは巨大なシステムであり、巨大な組織であるため、何か機能を変えるとシステムへの影響も組織全体への波及効果も大きい。一つの修正に時間がかかってしまうこともあり、施策を進めるにあたっての進行はいつも悩みの種です。機械学習を用いた施策となると、これらに加えて、小規模データの際は簡単に進められていたことが上手くいかなくなったり、同じ処理をしてもデータの特性によって思い通りに性能が出なかったりします。有名且つ普遍的な技術を利用し、当たり前にうまくいくと思って実装したものが、フィットせずに採用を見送ったり大きな失敗に繋がってしまったりということも。本番環境で暴走して泣く泣く導入を諦めた苦い経験も沢山あります。それでも何とか前に進めようと思い続けられるのは、今よりももっとよい価値を提供できるサービスであると信じているから。また、IT技術を用いて課題解決のスピードを上げ、社会の合理性を高める一助を担っているという責任感の部分が大きいように感じています。

異なる職種、異なるバックグラウンド、異なる意見。
様々な視点が交錯することで新たな価値提供に繋がる

カカクコムで働くことの魅力を教えてください

学生時代から自然言語処理の研究やデータ活用の社会実装を推進する学生ベンチャーへ参画していて、データ活用を通して社会をより豊かにすることに貢献したい、との気持ちを持っていました。
カカクコムの魅力は、人の生活に密着したサービスを提供していて、ユーザーとの距離が近いこと。カカクコムであれば、社会との繋がりを実感しながら自分自身の挑戦ができる環境であると思いましたし、実際そうでした。また、多種多様な人と関わりながらビジネスを推進できることも、食べログで働くことの魅力のひとつだと感じています。
私自身のカカクコムでのミッションは、データ活用を通してビジネス価値、サービス価値を最大化させることです。そのことを実現するためには、他部署エンジニア、企画、カスタマーサポート、法務、セキュリティ、広報というような社内メンバーだけでなく、事業部のトップである取締役や、時には外部の方も巻き込んで推進していくことになります。社内には元料理人や元魚の仕入れ担当者、元テレビディレクターなどなかなか珍しい経歴を持つメンバーもいて興味深いエピソードを聞くこともあり、一緒に仕事をすること自体が楽しみのひとつになっています。サービスやビジネスの課題に向き合うときは、ビジネスサイドの担当もエンジニアリングの重要性を認識し、エンジニアサイドもビジネス上の課題や重視すべき観点をふまえて、職種関係なく一丸となって取り組みます。関係者が多くなるほどビジネスを推進する難易度も上がりますが、同時に、バックグラウンドや志向が異なる多様な視点を持っていることが、新たな価値提供に繋がることも実感でき、そこが食べログで働くことの面白さでもあります。
また、サービス価値を最大化することを主眼に置いたエンジニアリングが求められる環境であるため、技術を手段として捉えている方が多い印象で、そのことには私も共感しています。常に「アウトカム(どういう成果になるか)」を意識した行動をとるように心がけています。

食べログの多種多様なデータ×IT技術の活用を通じ、
生活をより豊かにする仕事に挑戦し続けたい

今後挑戦したいことを教えてください

食べログデータサイエンスチームでは、「テクノロジーを活用して食領域の課題を本質的に解決し、食領域の未来をつくる」ことを目指し、これまでの送客支援だけでなく、飲食店経営に関わる課題を包括的に支援するプラットフォームとしてビジネスを再構築しようとしています。まだまだやりたいこと・やれることが沢山あるので、そのためにもまずは現在進行中の取り組みを精一杯やり切りたいと考えています。
その後は学生時代に取り組んでいた自然言語処理を用いたテキスト解析、要約の知見を取り入れ、更なる食べログの利便性向上へ挑戦したいです。食べログの店舗ページは、お店の詳細情報や口コミ、写真など食に関する様々な情報を取り纏めており、要約の一種であると考えています。ここに、画像認識や自然言語処理の技術を用いることで、ユーザーにとってより分かりやすく、飲食店の方々にとってより効率的な経営に繋がるプラットフォームを作り上げたい。ユーザーから頂いた口コミや写真と、飲食店のブランドイメージを紐づけて、店舗ページでどの項目を優先して表示するか、どんな纏め方をするべきか、より効果的な工夫を施したい。簡単に実現できるとは思っていないですし、まだ具体的な施策として落とし込むことはできていないですが、数年後、今あるデータ活用の未来に、このような絵を描けると良いなと思っています。
事業のポテンシャルがあり、社会に提供すべき価値がある限り、挑戦し続ける。今後もデータやテクノロジーと向き合い、食べログならではのチャレンジを続けていきたいです。

※記載内容は取材当時のものです。