「価格.com」の事業責任者を務める結城 晋吾さん。結城さんのリーダーシップのもと、価格.comはどのように歩みを進めていくのでしょうか。価格.comが大切にする価値観や、これからの展望について伺いました。
価格.comは、『「買ってよかった」をすべてのひとに。』をコンセプトとしてサービスを運営しています。このコンセプトには、どのような想いが込められているのでしょうか。
結城さんこのコンセプトは、2007年に価格.comのブランドを見直そうと考え、立ち上げたプロジェクトでつくったものです。今でも、価格.comを運営する上での私の軸となっています。
創業当初は、価格のみの比較を行うサービスとして、購入する商品が決まっている人に対して一番安く買えるお店の情報を提供していました。ですが、価格だけで購入を決めると、後々、使い勝手やデザイン、アフターサービスなどの観点で「他の商品にすればよかった」と後悔する可能性もありますよね。比較検討の過程も含めて納得のいく買い物をし、購入後にも満足して過ごせる体験を提供したい、という考えをコンセプトに込めています。

サービスを通じて、単なる価格比較にとどまらず、ユーザーが「買ってよかった」と心から思える体験を提供したいという想いが、コンセプトにしっかり反映されているのだと感じました。
結城さん一番大切にしているのは「ユーザー本位であり続けること」です。価格.comで最適な商品やサービスを見つけられる体験を生み出すことを組織全体で意識しています。また、その体験を他のユーザーに共有する場所を作ることも重要だと思っています。そうすることで、誰にとっても商品やサービスを選ぶときの一番の情報源となることを目指しています。
結城さんの言葉からは、ユーザー視点を徹底しながら、新たな価値を提供するために挑戦を続けている姿勢が伝わってきます。
結城さん既存のユーザーの方々の利便性を維持しつつ、さらに多くの方に利用していただくために、積極的なアップデートを今後も行っていきます。
買い物の際に何を重視するかは、人それぞれの価値観やライフスタイルによって異なりますよね。例えば、10万円のテレビと5万円のテレビを比較して5万円のほうを購入した時、安く買えたと満足する人もいれば、欲しい機能が足りずに不満を感じる人もいるかもしれません。そうしたさまざまなニーズに応えて一人ひとりに合った買い物体験をサポートすることで、価格.comの提供価値が一層広がりを持つようになります。そのために価格.comカンパニーは、「今の良さを大切にしながら、新しい価値を見出していく」という、複雑でチャレンジングなテーマに全員で取り組んでいます。

「買ってよかった」をすべての人に届けていくために、今後、価格.comではどのようなことに取り組まれていく予定なのでしょうか。
結城さんここ10年ほど、価格.comは「提供価値をいかに広げられるか」にフォーカスして運営してきましたが、最近のユーザー調査などで、「そもそも価格.comは安くない」「日本国内で最も安い価格が掲載されているとは思っていない」という声があることがわかりました。これは価格.com事業の大前提が揺らいでいるということです。価格.comがカバーしている商品の9割で、国内最安価格を掲載できています。ただし、それらの一部には、ポイントを含めると最安価格ではなくなるものがあります。ポイントの付与は、運営事業者や決済方法などによって、その差が2倍・3倍にもなるケースもあるため、ポイントを含めた価格の比較は容易ではありません。しかし、「価格.comを見れば国内最安価格が分かる」という状態にするために、今後はポイントの付与も含めて最安価格が分かるようにしていく予定です。その後に、改めてユーザーの方々に価格.comを見れば最安価格で買えるということを認知してもらう取り組みも行っていく予定です。
結城さんは、元々価格.comのユーザーだったことがきっかけで入社をされたと聞きました。
結城さん学生時代からパソコンが好きで、社会人になってからは家電を買うときに価格.comを利用していました。当時から価格.comは価格だけではなくクチコミの情報などが豊富だったのでよく見ていましたね。今もプライベートで頻繁に利用しています。
価格.comをユーザーとして利用されている結城さんだからこそ、サービスの持つ価値や可能性を深く理解されているのではないかと思います。
結城さん自分が価格.comを通じて経験した「物を購入するときに比較して悩む楽しみ、信頼できる情報を知る喜び」は、他のサービスにはない、価格.comだからこそ提供できる価値だという信念があります。ユーザーの一人として、価格.comがなくなったら買い物に困ってしまうほど、なくてはならないサービスです。買いたい商品はすべて価格.comで見つけられる、そして一番安く手に入れることができる、そんな世界を目指して、多くの方に「買ってよかった」を届けていきたいですね。

※記載内容は取材当時のものです。