「完全」じゃないラクさSONY WI-C310
今、イヤホンの主流は完全ワイヤレス(左右分離型)と呼ばれる、本体が左耳用と右耳用で独立したタイプ。それなのに価格.comのランキングで常に人気なのが「左右つながっているワイヤレス」SONY「WI-C310」です。その理由を考えてみます。
完全ワイヤレスイヤホンの時代だけど
SONY「WI-C310(以下C310)」の発売は2019年7月。こういったら悪いけど、そんなに特別な機種には見えません。ではなぜ、そんなC310が新製品がどんどん登場するイヤホン・ヘッドホンの中で、長きにわたり人気なのでしょうか。
それについて今の時代を背景に考えてみると、思い当たることがあります。それは「イヤホンはすべて完全ワイヤレスであるべきか?」という、現在のトレンドに逆らうようなテーマです。
たとえばテレワークという働き方も増えて、在宅時間が延びている昨今、外に持ち出したときの使いやすさが自慢の完全ワイヤレスである必要はありますか?むしろ、今イヤホンに求められる役割って、在宅中で家の中に家族がいても、思う存分に音を出せて、自分1人の時間に没頭するためのツールだったりしませんか?
そんなことを考えながら、C310に改めて触れてみることにしました。
パーソナルなエンタメに便利
今、エンタメの主役というと各種動画コンテンツ、そしてそれらを再生するスマホやタブレットではないでしょうか。筆者の場合、在宅時間が増えた今、サブスクリプションサービスでの映画やドラマ、そしてYouTubeまで、とにかく動画コンテンツに触れる時間が一気に延びました。そしてそれは社会全体の流れでもあると感じています。
そんな動画コンテンツですが、鑑賞する際には音響面も大切。映画やドラマ、アニメなどの視聴時、台詞(せりふ)や効果音のクリアさ、低音の再現性は、やっぱり欲しくなりますよね。
そんなことに留意しながら早速C310をチェックしました。Netflixで『「鬼滅の刃」遊郭編』を視聴してみたところ、正直、スマホ内蔵スピーカーの音と比べたら、不気味さをかき立てるスリリングな低音も、バトルの効果音もキレッキレ。手に汗握るシーンを音響面からしっかりと盛り上げてくれます。
ちなみにもう1つ、動画視聴、あるいは今のエンタメに大事なポイントがあります。それはプライバシーの確保ではないでしょうか。
たとえばお気に入りのユーチューバーの動画を見ているときって、その音が家族に漏れ聞こえたりすると、趣味をのぞき見られている感があって、ちょっと気恥ずかしかったりしませんか?
そんなときにも、C310はお役に立ちます。コレさえあれば同じ室内に人がいても好きな動画を堂々と、なおかつひっそり楽しめる。お互いのストレスになることも少ない。そんなスタイルもよさそうです。
家の中ならあえて完全じゃないほうが
ちなみに、実際にC310を使ってみて気付いた最大のポイントは、圧倒的なラクさなんです。
まず、取り回しがラク。たとえばベッドサイドや机に置いておいても、ケーブルで本体がつながっているので、なくしづらいです。スタンドなどに引っかけておくこともできますしね。完全ワイヤレスイヤホンは外すたびにていねいにケースにしまう必要があり、この時点でC310と比べて1つすることが多いです。両耳が分かれているので、うっかりなくしそうと思うと、使い方や携帯にもやや気を使います。
そこを比べると、本当にラクなんですよ、気持ちの面でも。
バッテリーの管理もラク。本体だけで15時間再生のロングスタミナ仕様。1日中アニメやドラマを流しっぱなしにしても、たいていの場合は大丈夫でしょう。充電するときもケースにしまう必要はなくUSBケーブルを直接挿すだけ。
外に持ち出さない前提での使用がメインなら、リラックスするときの定位置近くを充電スポットにしてもいいでしょう。これなら、動画や音楽を視聴したいとき、さっと使えてバッチリ楽しめます。あるいはバッテリー持続時間の長さをいかして首にかけっぱなしというのもアリかも。
というわけで、C310はズボラな人にもスゴく使いやすい、これって性能以上の価値があるのかもしれません。
サブイヤホンとしての購入もあり?
冒頭でも触れたとおり、C310は特別なイヤホンではないんです。左右つながっているワイヤレスの似たような機種、過去にいっぱいありましたよね。
でも、今までワイヤレスイヤホンに手を出してこなかった人が買うなら?あるいは、本命の完全ワイヤレスイヤホンはちゃんと持っている人が、屋内で使うサブ機を選ぶとしたら?
そう考えると、C310という選択は、正直アリだと思ってます。
WI-C310はきちんと現行モデルで、定番のSONYらしい高音質。それなのにお値段約4,000円弱(価格は2022年3月24日時点)。あえて完全ワイヤレスじゃない「ラクさ」を求めても、結局最後に選ばれるのはSONYなんだな、って思っちゃいました。選ぶのもラクってことなんですかね。
まとめると使うときもラク、選ぶときもラクということ。それこそが売れ続けている理由なんじゃないでしょうか。
文:折原一也 写真:佐藤竜太

