総合点の大勝利Dyson Digital Slim Fluffy SV18 FF
「吸引力と軽さと静音性、どれが大事?」問題は掃除機にとって永遠の課題。そんな簡単に答えが出るはずもないけれど、今度の「Dyson Digital Slim Fluffy SV18 FF 」は、絶妙かつ美しいバランスで最適解の高みへとまた一歩近づいた。
身軽さと吸引力の間で
人は皆、ないものねだりをする。
欲望が全部満たされることなどかなわぬ夢と知りながら、たとえば自分の掃除機に、もっと軽ければ、もっと吸引力があれば、もっと電池が長持ちすればと思いつつ日々生きている。
「吸引力の変わらない」という鮮烈なキャッチコピーのおかげで「吸引力」の代名詞ともなったダイソンの掃除機。そのため、新製品が出るたびに吸引力のさらなるアップを予想してしまいがちだ。しかしコードレス掃除機「Dyson Digital Slim Fluffy SV18 FF(以下SV18 FF)」は違う。「総合力」での勝負だ。これなら夢もかなうかもしれない。

Digital Slimシリーズは、各パーツを大幅に軽くコンパクトに改良した「ダイソン史上最軽量(Dyson V11シリーズ2019年発売モデルより25%軽く、20%小型化)」の掃除機で、SV18 FFはそのうちの1つだ。
これまで何度も「す、すごいけど、ちょっと私には重いかしらね」とか言い訳がましく量販店のダイソン売り場から逃げ帰った私も、SV18 FFを持ったときは「いや、軽いし!」と驚いた。
もちろん自慢の吸引力はそのまま。いくら「軽いのが正義」という時代でも、ダイソンがそこを犠牲にすることは絶対にない。小さく軽くした分、連続稼働時間はV11と比べて少し減る(最長60→40分)。しかしDigital Slimシリーズのバッテリーはボタン1つで着脱可能(V11も一部機種のみ可能)。長時間使いたい人は、別売りの予備バッテリーと交互に使うような運用でカバーできる。しかも軽いからずっと使い続けられるというメリットは大きい。

さらに、女性でも負担が少ないパイプの長さとか、薄くコンパクトになったヘッドで狭い家具の下にも入り込めるとか、壁に穴を開けずにすむ自立充電スタンドとか、本体以外も従来ユーザーの不満や願いを取り入れて、どんどん理想の掃除機に近づいているようだ。
取れすぎて流れる汗と涙
ダイソンのコードレス掃除機は付属ツールを使い分けることで、スティッククリーナー、ハンディクリーナー、布団クリーナーの3役をこなす。
特にハンディクリーナーとして使うときは、軽さ故に手への負荷が少なく、あまり疲れずに使い続けることができた。
実は私、ダイソンクリーナーを持ったら絶対にやってみたかったのが布団掃除。小さくてもパワフルな吸引力があるミニモーターヘッドに付け替えて、いざマットレスに滑らせてみると・・・。
今思いだしても冷や汗と涙が止まらないほど、衝撃の量のゴミが取れた。取れてしまった。これがダイソンあるあるの「謎の白い粉」か(実体はダニの死骸や人からはがれた古い角質)!
吸汗パッドやシーツをこまめに洗って、表面上はキレイに見えていても、実はゴミの海にくるまれていた事実。これまで平気で寝ていた私を殴ってやりたいが、毎回これで掃除をするようになれば、心身ともに安眠が約束されるに違いない。
Digital Slimシリーズは付属ツールの違いにより、SV18 FFを含めた4つのモデルが存在するが、この極上布団掃除を堪能するには、ミニモーターヘッドがつくSV18 FF以上を選択したい。
決して安い価格帯ではないが、別途布団クリーナーを買うことを思えば、むしろコスパは神レベルかも。
誰かにすすめたくなる完成度
掃除機に限らず、私の家電選びのモットーは「最重要スペックはモチベーション」である。
シンプルでスタイリッシュな自立スタンドのおかげで、部屋の一番目立つ場所にSV18 FFを飾ると、しがない賃貸アパートのリビングなのに西洋甲冑(かっちゅう)が鎮座する高級ラウンジに見えてくる。それだけで毎日ちょっといい気分だ。
すっと持ち上げて指になじむトリガーを引けば、鏡に映る私はさながらガントレットとサーベルをまとう騎士。指1本で即戦闘(清掃)モードへと入り、軽快なクリーナーヘッドは右へ左へ手首を返すだけで小気味よく同期し、もはや体の一部のよう。
そしてこの身軽さとパワフルさとの絶妙なバランス感の良さで、面倒くさいはずの掃除時間が、遊んでいるうちに終わってしまうような楽しさを感じた。
これでも重い、疲れるといったら、子どもを小脇に抱えながら頑張っている人たちに「家事なめんな」と怒られる。いかに家事筋が衰えているか猛省しなくては。
オールマイティーな完成度を誇るSV18 FF、もしダイソンの掃除機でどれにしようか決めかねてる人がいたら、今なら迷わずこれをおすすめしたい。 吸引力や軽さなど何かのポイントを強調するのではなく、全部ひっくるめて「つまり、“楽しさが変わらないただ1つの掃除機” じゃない?」と
文:のぽりん 写真:佐藤竜太





