
スマートフォンの購入状況:「同キャリアで機種変更」(42.5%)が断トツ1位。同じキャリアのスマートフォンの充実が影響か
スマートフォンを購入したときに、買い替えか買い増しか、キャリア変更などを行ったかどうかについて聞いた。結果としては、「買い替え(同キャリア)」という割合がもっとも多く42.5%となり、その他の購入方法を大きく上回っている。2009年8月に行った前回調査と比較すると、前回調査では「買い足し(別キャリア)」がもっとも多く33.6%であったのが、今回調査では20.0%へと大幅に減少しており、その代わりに、同じキャリア間での買い替えが31.1%から42.5%へと大幅に増加した形となっている。
1年前の段階では、スマートフォンの選択肢が少なく、ほとんどのユーザーがソフトバンクの「iPhone」を選んでいたために、ドコモやauのユーザーは「他キャリアでの買い増し」を行うという割合が高かった。しかし、ここ1年で、ドコモやauでも、本格的なAndroidスマートフォンが登場したため、あえて他キャリアのiPhoneを選ぶ必要が減り、同キャリア内での「買い替え」が促進されたものだ。また、ソフトバンクのiPhoneユーザーの中には、従来の「iPhone 3G/GS」から「iPhone 4」への買い替えを行うユーザーも多くいることから、やはり同キャリア内での「買い替え」が増加したものと思われる。
【図7-1 スマートフォンの購入状況】

【図7-2 スマートフォンの購入状況(前回調査と比較)】

スマートフォンを購入した理由:「PC用Webサイトの閲覧」、「豊富なアプリケーションの利用」がそれぞれ約7割
スマートフォンを購入した理由のトップは、前回調査時と同じく「PC用のWebサイトを閲覧したかった」というもので67.1%。それと同じくらいに多かったのが、「豊富なアプリケーションを利用したかった」で66.1%となっている。特に次点の「豊富なアプリケーションを利用したかった」は、前回調査時よりも6.5ポイント増加しており、スマートフォンに求める機能として、アプリの存在がますます重要になっていることが見て取れる。
しかし逆に、その他の項目を見ると、前回調査から減少しているものがほとんどだ。特に「電子メールを利用したかった」(6.0ポイント減)、「好きなメーカー・ブランドの製品だった」(8.4ポイント減)、「フルキーボードを使いたかった」(15.6ポイント減)などが大きくポイントを落としている。このうち、後者の2つについては、製品ラインアップの変化に伴うもので比較的わかりやすいが、「電子メールを利用したかった」というポイントが減少していることに関しては、やや意外な結果と言えるかもしれない。この理由として、PC用の電子メールを使いたいためにスマートフォンに乗り換えるというユーザーは、すでに初期の段階でスマートフォンに乗り換えていることや、最近、従来の携帯電話のメールアドレスがそのまま継続利用できるようになった製品が多くなったことなどが挙げられるだろう。
【図8 スマートフォンを購入した理由(複数回答、前回調査と比較)】

スマートフォン購入の決め手:「機能・アプリケーション」(30.0%)が断トツ1位。その他「デザイン」や「価格」を重視する傾向に
所有しているスマートフォンの購入の決め手になった要素を聞いた。もっとも多かったのは「機能・アプリケーション」の30.0%で、前回調査と比べても3.2ポイントアップしており、断トツの要素となっている。その他の要素については、いずれも10%前後からそれ以下となっており、それほど重要視はされていないことがわかるが、前回調査と比べると「デザイン」と「価格」がポイントをやや上げており、逆に「操作性」や「メーカー」「通信料金」はややポイントを下げるという結果になった。
こちらの結果も、スマートフォンの製品ラインアップが、従来の「iPhone中心」から「Androidも含めた多極化」という流れになっていることと無縁ではないだろう。iPhone中心の時代には、操作性やメーカーといった要素が重要視されたが、今では、Android端末の増加によって、多少の操作性には目をつぶっても同キャリアの製品を選ぶことが増えてきている。また、通信料金に関しても、同キャリア内での買い替えが増加していることから、それほど重要視されない結果となっている。逆に、デザインに関して言えば、選択肢の増加に伴いカラーバリエーションなども増えたことが大きく関係していると思われる。「価格」という項目に関しては、相次ぐ値下げ戦略を行っている、ソフトバンクの「iPhone」の影響が大きいだろう。
【図9 所有しているスマートフォン購入の決め手(前回調査と比較)】

使用しているアプリのカテゴリ:初期状態でプリインストールされているものが多く使用される傾向に
使用しているアプリの種類では、「天気」「ニュース」「ゲーム」「写真」「ナビ」「エンターテインメント」といったものが多い。いずれもスマートフォンのアプリとしては一般的なもので、初期状態でプリインストールされているものも少なくない。逆に少ないものとしては、「スポーツ」「メディカル」「レファレンス」といったものが挙げられている。
【図10 使用しているアプリのカテゴリ(複数回答)】
