
ボーナスの使い道と平均消費金額:「貯金」が73.1%でトップ(170,897円)。次点の「商品購入」(67,465円)は大幅減少。消費意欲は全体的に低下傾向
夏のボーナスの主な使い道と、それにかける金額を聞いた。毎回調査で上位に上がる「貯金」は、今回割合ではトップで73.1%の人が貯金すると回答しており、金額ベースでも7,686円上昇している。次いで割合が多いのは「商品購入」で66.4%。ただし、昨年より割合は-7.9ポイントと大幅に減少している。そのほか、全体的に見ても、金額ベースでは昨年よりも上回っている項目が多いが、そのすべてが割合としては下がっており、消費行動にお金を回さない人が増えているという傾向が見える。
逆に、金額ベースでも割合ベースでも下がっているのは、「旅行・外出をする(海外)」(昨年比-19,016円、-0.7ポイント)、「金融商品の購入、外貨預金など」(昨年比-31,025円、-1.2ポイント)、「金融商品の補填」(昨年比-41,973円、-0.3ポイント)の3項目。海外旅行など比較的多額の出費や、財テク関連にお金をかける人の割合が減っているだけでなく、そこにかける金額も下がっている。逆に「ローン」や「教育費」などにかける金額は上がっており、全体的に見ても、夏のボーナスを消費に回す割合は昨年よりも確実に下がっている。
【図6 :夏のボーナス消費平均金額(複数回答可)】
ボーナスの消費目的 | 調査時期 | この目的にお金を使う人の 平均消費金額(円) |
この目的にお金を 使う人の割合(%) |
---|---|---|---|
貯金 | 2011年夏 | 163,211円 | 73.9% |
2012年夏 | 170,897円 | 73.1% | |
商品を購入する | 2011年夏 | 65,274円 | 74.3% |
2012年夏 | 67,465円 | 66.4% | |
ローン返済 | 2011年夏 | 186,364円 | 46.1% |
2012年夏 | 198,724円 | 44.9% | |
旅行・外出をする(国内) | 2011年夏 | 58,147円 | 42.0% |
2012年夏 | 62,619円 | 39.2% | |
子供の教育費 | 2011年夏 | 123,667円 | 35.6% |
2012年夏 | 138,502円 | 33.7% | |
金融商品(投資信託、株式等)の購入・外貨預金など | 2011年夏 | 158,635円 | 9.7% |
2012年夏 | 127,610円 | 8.5% | |
旅行・外出をする(海外) | 2011年夏 | 177,053円 | 8.9% |
2012年夏 | 158,037円 | 8.2% | |
金融商品(投資信託、株式等)の補填 | 2011年夏 | 156,941円 | 5.7% |
2012年夏 | 114,968円 | 5.4% | |
その他 | 2011年夏 | 71,806円 | 31.5% |
2012年夏 | 91,522円 | 38.0% |
※平均消費金額は、「お金を使う予定はない」と答えた回答者数を除いて算出しています。
ボーナスで購入したい商品:昨年までの主力「薄型テレビ」「ブルーレイレコーダー」が軒並み順位低下。「スマートフォン」「タブレット端末」が人気を集める
今年の夏のボーナスで「商品を購入する」と答えた人に、どのような商品を購入する予定かを聞いた。もっとも多かったのは「洋服・ファッション関連」で16.9%。毎回トップにくる項目だが、昨年と比べると-1.0ポイント減少している。次点は「家具・インテリア」で11.4%。こちらは昨年比0.3ポイントアップとなった。ただし、回答割合が10%を超えたのはこの2項目だけで、ほかの項目はいずれも10% を下回っている。このことから見ても、消費者の商品に対する購買意欲が下がっていることがよくわかる。
特に顕著にポイントを下げたのは、「薄型テレビ(液晶テレビ、プラズマテレビ)」(前年比-5.0ポイント)、「ブルーレイ/DVDレコーダー・プレーヤー」(前年比-4.3ポイント)、「PCパーツ」(前年比-2.8ポイント)、「節電製品(LED電球、太陽電池など)」(前年比-1.2ポイント)など。逆に、ポイントを上げたのは、「携帯電話・スマートフォン」(前年比+1.8ポイント)、「自動車」(前年比+ 1.0ポイント)、「ノートパソコン」(前年比+0.6ポイント)、「デジタル一眼レフカメラ」(前年比+0.5ポイント)など。「タブレット端末」は、今回初めて項目として独立させたものだが、いきなり6.0%という高い割合を出している。
全体的に見ると、昨年まで家電製品の主力であった液晶テレビなどの「薄型テレビ」や「ブルーレイレコーダー」がポイントを落とし、昨今人気の「スマートフォン」や「タブレット端末」がポイントを上げるという結果になった。また、昨年の夏は比較的好調だった「LED電球」などの節電製品もややポイントを落とし、逆に、エコカーが人気の「自動車」がややポイントを上げているのも興味深い。
【図7-1 今夏のボーナスで購入する商品(ボーナス支給者全体)】

【図7-2 :2012年夏のボーナスで購入する商品(ボーナス支給者、性別)】
|
|
次のページ:夏ボーナスについて、皆様のご意見・ご感想をピックアップ!