主に使用するカメラ:2年前と比べ、コンパクトデジタルカメラの利用者数が大幅に減少し(11.2ポイント減)、デジタル一眼レフや携帯・スマホ搭載カメラの利用者数が増加。使用の頻度ではミラーレス一眼がもっとも高い結果に
写真を撮影するのに一番多く使っている機器(メインカメラ)がどんな種類なのかを聞いた。もっとも多かったのは「コンパクトデジタルカメラ」で42.9%。次いで、「デジタル一眼レフカメラ」が29.4%となり、「携帯電話・スマートフォンの搭載カメラ」は16.9%で3位となった。最近流行の「ミラーレス一眼カメラ」は7.8%で4位だった。
この結果を、2年前の調査と比較してみると、「コンパクトデジタルカメラ」は11.2ポイントのダウン、「デジタル一眼レフカメラ」は3.2ポイントのアップ、「携帯電話・スマートフォンの搭載カメラ」は5.1ポイントのアップ、「ミラーレス一眼カメラ」は3.8ポイントのアップという増減になっている。この結果から、コンパクトデジタルカメラのメインカメラとしての利用頻度が大幅に落ちており、他のカメラに取って代わられているという様子が見て取れる。
なかでも、スマートフォンなどの搭載カメラの伸び率が高くなっているが、これは、スマートフォンなどの搭載カメラの性能が向上し、もはやコンパクトデジタルカメラで撮影するのとさほど変わらないレベルの写真が撮れるようになったことや、SNSなどでの写真共有が進んだことが、大きな理由として考えられる。
【図5-1 写真を撮るとき、主に使用する機器(メインカメラ)】

※今回の調査から新たに加えた項目
・「タブレット端末の搭載カメラ」 -新規追加
2012年3月時のグラフはこちら(第61回リサーチの結果を見る)
なお、この結果を回答者の年代別に分類して見ると、若年層ほどデジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラを利用する傾向が強く、逆に、コンパクトデジタルカメラは年齢が高い層ほど利用する傾向が強い。携帯電話・スマートフォンの搭載カメラについては、20〜40代では同じくらい利用頻度が高く、50代以上で減少。20歳未満もメインカメラとしての利用は意外に少ないという結果になっている。
また、家族構成別に分類してみた結果では、傾向としてそれほど大きな差異は見られないが、デジタル一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラといった、比較的本格的なカメラを多く使う傾向は、夫婦のみ世帯などで若干高めに出ており、逆に、携帯電話・スマートフォンの搭載カメラを多く使う傾向は、単身世帯などが高めに出ている。
【図5-2 写真を撮るとき、主に使用する機器(メインカメラ)(年齢別)】

【図5-3 写真を撮るとき、主に使用する機器(メインカメラ)(家族構成別)】

普段もっとも多く使っているメインカメラ別に、どれくらいの頻度で写真を撮影しているのかクロス集計したのが、下記の【図5-3】のグラフだ。これを見ると、やや面白い傾向が見て取れる。
まず、撮影の利用頻度がもっとも高いカメラは「ミラーレス一眼カメラ」ということになった。こちらをメインに使っている人は、毎日使用する率が15.3%とトップ。週に数回使用する率も47.0%とほぼトップレベルで(タブレット端末はメインカメラとしての利用が少ない)、もっとも利用頻度が高い。次いで高いのは、意外なことに「デジタル一眼レフカメラ」。毎日使用する率は12.4%、週に数回使用する率は35.3%と、いずれもほぼ2位という結果になっている。これらの比較的本格的なカメラのメインカメラとしての利用頻度が高いのは、写真撮影を趣味にしている層が多く利用していることが大きく寄与しているものと思われるが、機動性の高いコンパクトデジタルカメラやスマートフォンなどよりもメインカメラとしては利用頻度が高いという点はやや意外な気もする。
一方のコンパクトデジタルカメラは、毎日利用する人はそれほど多くないものの、週に数回が29.3%、週に1回が15.6%、月に1回が19.9%と、主に週末のレジャー用途メインで利用されるケースが多いようだ。また、もっとも機動性の高い、携帯電話・スマートフォンの搭載カメラに関してもこれと同様の傾向にあるが、こちらについては「ほとんど利用しない」と回答している層も14.3%いるなど、利用の傾向にかなりバラツキがあることがわかる。
【図5-4 写真を撮るとき、主に使用する機器(メインカメラ)(利用頻度別)】

普段もっとも多く使っているメインカメラ別に、使用しているカメラ製品のメーカー割合を調べてみた。まず、デジタル一眼レフカメラだが、こちらは予想通り、キヤノン(41.6%)とニコン(35.3%)の割合が非常に高く、この2社だけで全体の4分の3以上を占める76.9%となっている。続いて、ミラーレス一眼カメラでは、ソニー(28.4%)、オリンパス(26.9%)、パナソニック(23.0%)の3社による三つ巴状態となっており、この3社で全体の77.9%を占めるという結果になった。
また、コンパクトデジタルカメラでは、キヤノン(18.8%)、パナソニック(16.2%)、ソニー(15.0%)、富士フイルム(12.1%)、カシオ(10.6%)、ニコン(9.8%)、オリンパス(8.4%)と、多くのメーカーが入り乱れている状況となっており、競合関係が激しいことが見て取れる。
【図5-5-1 (メーカー別メインカメラ)デジタル一眼カメラ】

【図5-5-2 (メーカー別メインカメラ)ミラーレス一眼カメラ】

【図5-5-3 (メーカー別メインカメラ)コンパクトデジタルカメラ】

次のページ:写真を撮るとき、主に使用する機器(サブカメラ)は?
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- カメラ歴:「カメラ歴10年以上」71.2%。2年前の調査時(2012年3月)より増加。女性のカメラ所有率が上昇傾向
- 主に使用するカメラ:2年前と比べ、コンパクトデジタルカメラの利用者数が大幅に減少し(11.2ポイント減)、デジタル一眼レフや携帯・スマホ搭載カメラの利用者数が増加。使用の頻度ではミラーレス一眼がもっとも高い結果に
- サブカメラ:若年層は携帯電話・スマートフォン搭載カメラ、シニア層はコンパクトデジタルカメラを使う傾向。ミラーレス一眼の割合も上昇中
- 一番最近購入したカメラと購入時期:購買トレンドの主流はデジタル一眼レフカメラとミラーレス一眼カメラ。特にミラーレス一眼カメラは人気急上昇
- 写真の保存・共有方法:2年前と変わらず「自分のパソコン(に保存する)」(31.8%)がトップ。クラウドサービス関連では「Facebook」(8.3%)がトップも、全体的には少数にとどまる
- 総評
