2025年7月7日 更新
経費精算業務の効率化を目指す企業にとって、AIを活用した経費精算システムは今や欠かせない存在です。領収書の読み取りや仕訳の自動化、不正検知など、AI技術によって手間を大幅に削減できる製品が次々と登場しています。この記事では、数ある経費精算システムの中でも、AIによる自動化機能が充実した製品、そしてAI搭載ではないが自動化という観点からICカードと自動連係して交通費精算を効率化できる製品を紹介しています。特徴別にタイプ分類し、貴社の業務に合ったツール選びをサポートします。
- この記事を監修した専門家
- 執筆・監修 伴洋太郎さん
- BANZAI税理士事務所 代表
税理士、1級ファイナンシャルプランニング技能士
大学卒業後、一般企業や税理士事務所での勤務を経て税理士試験に合格し、2018年にBANZAI税理士事務所を開業。個人事業主や中小法人を対象とした業務の経験が豊富で、業務のデジタル化支援や個人事業の法人化等に数多く携わる。 著書「7日でマスター フリーランス・個人事業主の確定申告がおもしろいくらいわかる本」(ソーテック社)
AIで自動化できる経費精算システムはこんな企業におすすめ
- 経費精算にかかる作業時間を短縮し、業務効率を高めたい企業
- ミスや不正のリスクを抑え、コンプライアンスを強化したい企業
- AIの活用に興味があるが、あまり経費精算の分野においてコストはかけたくない企業
- 交通系ICカードを業務で利用しており、交通費精算を効率化したい企業
AIで自動化できる経費精算システムのおすすめ4タイプ
1.AI-OCR特化型:領収書の読み取りとデータ化を自動化
こんな企業におすすめ
- 領収書の情報を自動でデータ化し、手入力の手間を省きたい企業
- 手書きや非定型の領収書など、さまざまな形式の書類を処理する必要がある企業
- AI-OCRによる自動化で、経費精算の迅速化と正確性の向上を目指す企業
このタイプのメリット・デメリット
- メリット
- 領収書や請求書の情報を自動でデータ化し、手入力の手間を減らすことができる
- 従来のOCRと比較して、手書き文字や非定型フォーマットの読み取り精度が高い
- AI-OCRの学習機能により、継続的な読み取り精度向上が期待できる
- デメリット
- AI-OCRの精度は、その製品が採用するモデルや学習データに依存する
- AI-OCRの読み取り精度に技術的限界があり、手動での修正が必要となる場合がある
- 自動処理されたデータを信用しきってしまい、入力誤りや不正申請を見逃してしまう懸念がある
導入前に担当者が検討するべきこと

- 導入前のテストで実際の業務で発生する書類を読み取り、その精度を確認する
- AI-OCRによる読み取り結果をオペレーターが確認・補正するサービスも提供されているか確認し、利用を検討する
- 自動処理されたデータを確認し、必要に応じて修正する手順を業務フローに組み込む
専門家からの選び方アドバイス
AI-OCRによる領収書読取は入力作業を大幅に削減できますが、製品ごとの精度や対応書式にはばらつきがあります。特に手書きや感熱紙、外国語表記などは読み取り精度に差が出やすく、導入前に自社の書類形式との相性を確認しておくことが重要です。また、読み取り後のデータチェック体制や、修正フローの整備もあわせて検討しておくと、運用開始後のトラブルを防げます。
AI-OCR特化型の経費精算システム一覧
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この製品の特徴サマリ
- 自社開発のAI-OCRで入力の手間を大幅に削減。高精度AIにより最大100枚の領収書を同時に数秒でデータ化できます
- 証憑のアップロード時に軽減税率を自動で読み取り・判定可能。仕訳処理の際に、税率に応じて仕訳を自動分割します
- 申請の重複検知や予算超過のアラート機能があり、不正や申請ミスを防止するとともに、経理担当者のチェック業務負担も軽減できます
自社開発のAI-OCRにより最大100枚の領収書を同時に数秒でデータ化できます。内訳の入力も自動化されるため、従来の手作業による入力ミスや確認作業から解放され、業務の効率化を実現できます。軽減税率やインボイス制度の登録番号も読み取れ、税務面への対応も十分です。また、申請の重複検知や予算超過のアラート機能も備え、不正や申請ミスを防止するとともに、経理担当者のチェック業務負担も軽減できます。
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この製品の特徴サマリ
- AI-OCR技術により領収書をスマートフォンで撮影するだけで金額・日付・店舗名などの必要な情報を自動でデータ化。経費精算にともなう手入力作業時間を大幅に短縮します
- 受取請求書の管理では、フォルダ振分・取引情報・明細読取・仕訳までAIによる自動処理で対応します
- 特に明細読取では、1枚の請求書内の複数明細行をAI-OCRで一括自動読み取りできる「明細OCR」機能を搭載しており、さらなる効率化を実現できます
スマホで領収書を撮影するだけで、AI-OCR技術により金額・日付・店舗名などのデータを自動取得。手入力作業を省略し、経費申請処理の手間を大幅に削減できます。また、受取請求書の管理では、受け取った書類のフォルダ振分や、取引先情報・明細の読み取り、仕訳までAIによる自動処理で対応します。請求書の読み取りに関しては、1枚の請求書から複数明細行を一括で読み取れる明細OCR機能(特許申請中)を搭載し、仕訳入力の効率化を支援します。
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この製品の特徴サマリ
- スマホアプリのAI-OCR機能により撮影した領収書から金額や取引先などを自動で読み取り・入力。手作業による転記ミスを防止し申請精度を向上させます
- 交通費精算では、AI入力補助機能が過去の精算履歴に基づいて訪問先や負担部門などの情報を自動追記し、申請者の手入力作業を減らします
- 自動仕訳機能で勘定科目や税区分を自動で振り分け、会計ソフトに合わせたCSV形式で仕訳データを作成可能。会計処理とスムーズに連携できます
AI-OCR技術を活用した領収書読取機能により、スマホアプリで領収書を撮影するだけで、金額や取引先などの情報が自動で入力されます。加えて、交通費精算ではAI入力補助機能が過去の精算履歴に基づいて訪問先や負担部門などの情報を自動追記。手入力作業を最小限に抑えますます。さらに、勘定科目や税区分を自動で振り分ける自動仕訳機能も搭載。手入力によるミスを減らし、申請者の作業効率向上と経理担当者の確認作業軽減を実現します。スマホアプリのAI-OCR機能のおかげで、外回りの多い営業担当者や出張の多い社員でも、外出先でのスキマ時間を利用して経費申請を進めやすくなります。
2.AIによる不正検知・仕訳自動化型:経理業務の効率化とリスク軽減
こんな企業におすすめ
- 経費申請の不正やミスを自動検知し、内部統制を強化したい企業
- 経理部門の属人化を解消し、業務の標準化を進めたい企業
- 経費申請の承認にかかる工数を低減し、業務効率を高めたい企業
このタイプのメリット・デメリット
- メリット
- 申請内容の妥当性や経費ルール違反をAIが自動で検知できる
- 経理担当者の知識に依存せず、均質で正確な処理が可能になる
- 確認作業の負荷が減り、チェックに要する工数を軽くすることができる
- デメリット
- AIが検知できる不正やミスには限界があり、万能ではない
- 自動生成された仕訳を人がチェックせずに流すと、誤処理がそのまま帳簿に反映される恐れがある
- 誤検知や厳しすぎる検知により、正当な申請が却下されたり警告が出る可能性がある
導入前に担当者が検討するべきこと

- 自社の経費ルールに対して、AI検知の対象範囲がどこまで対応できるか確認する
- AIが自動生成した仕訳内容をどのように確認・承認するか運用フローを整備する
- 自動判定の誤検知に備えて、例外処理のフローをあらかじめ設計する
専門家からの選び方アドバイス
AIによる経費ルール違反の検知は非常に有効ですが、実際には各社の規程や運用ルールに応じて調整が必要なケースも多くあります。あらかじめ自社の経費精算ルールやチェック基準を整理し、システムでどこまで補足できるかを確認しておきましょう。担当者が独自判断で例外処理をしていた業務は、導入後に混乱が起きやすいため、運用ルールの明文化も重要です。
AIによる不正検知・仕訳自動化型の経費精算システム一覧
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この製品の特徴サマリ
- OCR機能により領収書を撮影するだけで、日付・金額・支払先を自動で読み取りデータ化。手作業での誤入力を防ぎます
- 「コーポレートプラン」「エンタープライズプラン」では、不正検知AIを利用して二重申請や交通費の水増しといった不正や異常を自動検知できます
- クレジットカードや交通系ICカードと連携すれば、明細データを自動取得し、経費科目も登録したルールにしたがって自動で分類します
OCR機能による領収書の自動読み取り・データ化機能を標準搭載し、入力時間や誤入力の削減に貢献します。上位プランの「コーポレートプラン」または「エンタープライズプラン」では、外部の不正検知AIシステム「Stena Expense」」との連携により、経費の不正や異常を自動検知。経理部門の作業負荷軽減と、内部統制の強化を両立できます。これらの機能に加え、クレジットカードや交通系ICカードとの自動連携、電子帳簿保存法への対応、スマホからの申請・承認などの基本機能も充実。データ入力から承認・保存まで、人的作業を最小限に抑えられます。
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この製品の特徴サマリ
- AI技術を活用した高度な不正検知機能により、重複申請や経費の不正受給、水増し発注やキックバックなどによる横領のリスクをチェック
- AI-OCR機能を備え、領収書や請求書の画像から読み取った内容を経費申請や請求書精算伝票に反映できます
- 設定した仕訳ルールに基づいて精算伝票を自動仕訳し、銀行振込データを自動作成することも可能で、会計システムとの連携もスムーズです
AI技術による不正検知機能により、重複した領収書の検知や経費の不正受給、水増し発注・キックバックなどによる横領といった不適切な申請などのリスクを軽減し、ガバナンスを強化できます。また、AI-OCRによるデータ読み取り・自動入力が可能です。設定したルールに基づいて精算伝票を自動で仕訳し、銀行振込データを自動作成することにも対応しており、経費や請求書処理における一連の作業を効率化できます。
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この製品の特徴サマリ
- 「バスケット」機能では、取り込んだ電子ファイルのファイル名や内容をOCRで読み取ってAIが解析し、最適な機能に振り分けます
- 経費精算では、領収書画像をアップロードした際に内容をOCR解析し、読み取った内容を自動入力してくれるオプションも用意
- 経費精算の申請ルールを経費カテゴリーごとに設定でき、申請時や承認時にルールを逸脱したものに自動で警告を表示することが可能です
取り込んだ電子ファイルの内容などをOCRで読み取ってAIが解析し、最適な機能に振り分ける機能「バスケット」を搭載します。「領収書は経費精算機能に添付して用途や金額を転記」など、保存先の機能とその処理を自動で判定し、入力まで補助します。また経費精算では、経費カテゴリーごとに申請ルールを設定することで、申請時や承認時にルールから逸脱したものへ自動で警告を表示できます。さらに、有償の「電帳法ストレージオプション」を利用すれば、領収書画像をアップロードした際に内容をOCR解析し、読み取った内容を自動入力してくれます。
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Concur Expense
この製品の特徴サマリ
- AI技術とビッグデータを活用して経費精算の不正やミスを自動検知。重複や意図しない間違い、ポリシー違反の支出を特定可能です
- 監査のワークフローにAI技術を導入することで経費の確認を効率化でき、担当者が高リスクの取引に集中できる時間を確保できます
- 継続的に学習・進化していくAI技術を採用しており、より多くの処理を通じて改善され、企業特有のニーズに対応しやすくなっていきます
AI技術とビッグデータを活用して経費の不正やミスを自動検知するAI不正検知サービス「Verify」を提供しています。38種類のチェックシナリオが用意され、日付や金額の基本チェックから、不正な領収書の使い回しや高額請求、私的利用の検出まで幅広く対応します。チェックの工数を大幅に削減でき、ガバナンス強化も図れます。学習・進化するAI技術を採用しているため、日々の処理を通じ企業特有のニーズにあわせて精度が向上していきます。
3.中小企業向け、コストパフォーマンス重視型:低コストでAI機能を活用
こんな企業におすすめ
- 経費精算システムを初めて導入するにあたり、コストを抑えたい企業
- 少人数体制でITに詳しい人材がいなくても運用できるツールを探している企業
- 複雑な承認ルートや拠点展開がなく、運用が比較的シンプルな企業
このタイプのメリット・デメリット
- メリット
- 導入費用や月額コストが抑えられ、利用しやすい
- 操作マニュアルや設定ガイドが充実しており、IT専門人材がいなくても導入・運用が可能
- 承認フローの設定がシンプルで、小規模な組織でもスムーズに運用できる
- デメリット
- 高度な機能や柔軟なカスタマイズには対応していないことがある
- 高価格なサービスと比較して、利用できる機能に制限がある
- サポート体制が限定的な場合があり、自力での解決を求められる可能性がある
導入前に担当者が検討するべきこと

- 自社の業務規模や経費精算フローが、シンプル設計の経費精算システムで本当にカバーできるかを見極める
- 複雑な承認経路や多拠点運用など、将来的な拡張の可能性を事前に整理したうえで、経費精算システムを選定する
- チャット対応の有無、問い合わせ時間帯など、サポート体制の内容を事前に確認する
専門家からの選び方アドバイス
必要な機能に絞った設計で導入や運用の手間が少なく、コストを抑えたい中小企業に適したタイプです。いっぽうで、複雑な承認フローや拠点追加など、将来的に業務拡張の可能性がある場合は、機能面での限界を迎えることがあります。自社の業務規模や運用ルールがシンプル設計で十分にカバーできるか、将来を見据えて慎重に見極めましょう。また、マニュアルの充実度や問い合わせ対応の有無など、サポート体制の内容も確認しておくことも大切です。
中小企業向け、コストパフォーマンス重視型の経費精算システム一覧
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この製品の特徴サマリ
- 月額330円/ユーザーという低コストでありながら、高性能なAI-OCRによる領収書や請求書の自動読み取り機能を利用可能。読み取り精度は90%以上を誇ります
- AI-OCRにフォーマット対応の学習をさせたり、トレーニングをさせたりする必要はなく、導入後すぐに利用できます。また、システムも定期的にアップデートされています
- 過去の申請画像と自動照合する重複申請の防止機能や、まとめてスキャンした複数請求書の自動分割といった便利な機能にもAIが使われています
1ユーザーあたり月額330円という低料金でありながら、90%以上の高精度を誇るAI-OCRを利用できます。AIのトレーニングなども不要で、導入してすぐに使えるのもポイントです。領収書や請求書から日付・金額・インボイス登録番号などの情報を読み取り、申請書に自動入力。複数枚の請求書をまとめてアップロードしても、自動で1枚ずつ分割して処理するため、手間がかかりません。ほかにも、過去の申請画像との重複をAIが自動照合し、重複申請についてはアラート表示する機能も備えます。
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この製品の特徴サマリ
- 領収書の画像からAI-OCRが支払先名や税率ごとの内訳金額などの情報を読み取り、経費登録に自動入力。スマホでの画像撮影・アップロードにも対応します
- 交通費は経路検索から登録して申請できる機能を搭載し、定期券区間外の考慮にも対応。入力の手間やミスの削減により業務効率化を図れます
- 基本料金+1ユーザーあたり月額330円の従量課金制で、基本料金は月額2,178円〜。領収書のデータ化が規定数を超えると追加料金が発生します
AI-OCR機能を搭載しており、領収書の画像から支払先名や税率ごとの内訳金額などを自動的に読み取って経費登録に入力できます。領収書画像はスマホで撮影・アップロードすることも可能です。経路検索からの交通費登録などにも対応し、入力の手間やミスの削減による業務効率化を実現できます。月額料金は基本料金2,178円〜(ベーシックプランは1万780円)+1ユーザーあたり330円の従量課金制で、領収書のデータ化が規定数を超えると追加料金が発生する料金体系となっています。企業規模に応じてコストを抑えて導入・運用することが可能です。
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BIZUTTO経費
この製品の特徴サマリ
- 従業員30名以下の企業向けに「BIZUTTO経費ライトパック」プランが用意され、初期費用0円・月額料金250円〜で通常版と同等の機能を使用可能
- AI-OCRやキャッシュレス申請機能で業務を効率化する「スマート申請オプション」が、1ユーザーあたり月額165円の低コストで利用できます
- 高精度なAI-OCR技術により、アプリで撮影したレシートや領収書から日付・合計金額・税率別小計金額などを読み取って申請に転記できます
「スマート申請オプション」を契約すればAI-OCRやキャッシュレス申請機能で入力業務の大幅な削減を図れます。レシートや領収書をアプリで撮影すると、AI-OCRが日付や合計金額、税率別小計金額、適格請求書登録番号、取引先名を読み取り、申請に転記してくれます。従業員30名以下の企業には初期費用0円・1ユーザーあたり月額料金250円〜の「BIZUTTO経費ライトパック」プランが用意され、「スマート申請オプション」は月額165円で利用できるため、中小企業でも価格を抑えてAI活用技術による業務効率化を実現できます。
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この製品の特徴サマリ
- スマホで撮影したレシートからAI-OCRが必要な情報を自動で読み取り申請書を作成。あとは使途と支払方法を選択するだけで簡単に経費申請が行えます
- 自動仕訳機能を搭載しており、経理担当者は内容を確認し、会計システムへデータを転送するのみで処理が完了。手作業中心の経理業務を効率化します
- 1ユーザーあたり年額7,920円(月額660円相当)で初期費用は0円と、中小企業でも導入しやすい料金設定です
スマホでレシートを撮影するだけで、AI-OCRが必要な情報を読み取って申請書を自動作成。従業員は使途と支払方法を選択するだけで申請が完了します。さらに、自動仕訳機能により、経理担当者は内容の確認と会計システムへのデータ転送のみで処理が完了。手作業の労力を削減し、業務の効率化を図れます。利用料金は1ユーザーあたり年額7,920円(月額660円相当)、初期費用は0円なので、低コストで業務のデジタル化を推進できます。
4.【番外編:AI以外でも自動化】交通系ICカードと連携し、交通費の清算が自動化できるタイプ
こんな企業におすすめ
- 社員の外出・出張が多く、交通費申請の件数が多い企業
- ICカードでの移動が中心で、手入力による申請ミスや不正リスクを軽減したい企業
- モバイルSuicaでの移動もあり、スマホ連携による申請の効率化を図りたい企業
このタイプのメリット・デメリット
- メリット
- ICカードの利用履歴をもとに正確な交通費申請が可能になる
- 定期区間控除や最安経路の自動判定などで精算ミスを防げる
- スマホでのICカード読み取りやモバイルSuica連携により、交通系ICカードの利用履歴を取得し申請できる
- デメリット
- ICカードの履歴取得には専用アプリや対応端末が必要となる場合がある
- 定期区間判定や最安経路算出の精度は、登録情報や設定条件に左右される
- ICカードで取得できる履歴には上限があり、一定期間経過後は取得できない場合がある
導入前に担当者が検討するべきこと

- 自社で使用しているICカードやモバイル交通系サービスが、対象システムで利用可能かを確認する
- 定期区間登録や最安経路判定の条件設定が、運用上無理なく行えるかを見極める
- ICカード履歴の取得件数・取得期間に制限があることを理解し、定期的な読み取りルールを設けられるかを検討する
専門家からの選び方アドバイス
ICカードやモバイルSuica連携による交通費精算は非常に便利ですが、専用アプリの使用や履歴取得手続きの有無など、導入前に確認すべき点も多くあります。定期区間の誤登録や履歴反映の遅れが精算ミスや不正申請につながるリスクもあるため、運用ルールの徹底が重要です。月末にまとめて処理する運用とは相性が悪い場合もあるため、日次運用への移行も視野に入れて検討しましょう。
交通系ICカードと連携できる経費精算システム一覧
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この製品の特徴サマリ
- 専用のスマホアプリで主要な交通系ICカードを読み取り、取得した履歴をそのままジョブカン経費精算に送信。交通費申請の手入力作業を省きます
- ジョルダンの経路検索サービス「乗換案内Biz」との連携機能により、最適な経路・運賃を自動検索して申請に反映でき、交通費精算の手間を軽減します
- 交通費の自動計算機能では、最安値の経路を使っているかを表示でき、定期券控除にも対応。交通費の申請内容が適正かのチェックにも役立ちます
SuicaやPASMOといった主要交通系ICカードをスマホアプリ「ジョブカン経費精算ICカードリーダー」で読み取り、取得した履歴データを直接システムに送信して手入力を省略できます。また、ジョルダンが提供する経路検索サービス「乗換案内Biz」と連携しており、最適経路の自動検索や定期券控除により、適正かつ効率的な交通費精算を実現。申請者と承認者、双方の工数削減に寄与します。
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TOKIUM経費精算
この製品の特徴サマリ
- 各種交通系ICカードやモバイルSuicaと自動連携し、乗車履歴を取得。申請者の手入力負担を軽減し、交通費申請を手軽にします
- 登録済み定期区間の自動控除にも対応しており、チェック業務の軽減や計算ミスの防止により業務の効率化を図れます
- スマホで撮影するだけで領収書を99%以上の精度でデータ化可能。手入力によるミスを防止しながら領収書管理の手間を大幅に削減します
Suica・PASMOなどの交通系ICカードを専用アプリにかざすだけで乗車履歴を自動取得し、経費登録が可能。モバイルSuicaとの自動連携にも対応しています。定期区間の自動控除機能も搭載。入力やチェック業務の負担を大幅に軽減でき、入力ミスや申請漏れも解消します。また、スマホで撮影した領収書は、専任のオペレーター2名がベリファイ入力方式で領収書内容の入力を代行しており、一般的なOCRでは実現できない99%以上の高精度でデータ化が可能。手入力によるミスを防止しながら領収書管理の手間も大幅に削減できます。
この記事で紹介した経費精算システム
1.AI-OCR特化型:領収書の読み取りとデータ化を自動化
2.AIによる不正検知・仕訳自動化型:経理業務の効率化とリスク軽減
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マネーフォワード クラウド経費
OCR機能により領収書を撮影するだけで、日付・金額・支払先を自動で読み取りデータ化。手作業での誤入力を防ぎます
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Spendia
AI技術を活用した高度な不正検知機能により、重複申請や経費の不正受給、水増し発注やキックバックなどによる横領のリスクをチェック
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NI Collabo 360
「バスケット」機能では、取り込んだ電子ファイルのファイル名や内容をOCRで読み取ってAIが解析し、最適な機能に振り分けます
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Concur Expense
AI技術とビッグデータを活用して経費精算の不正やミスを自動検知。重複や意図しない間違い、ポリシー違反の支出を特定可能です
3.中小企業向け、コストパフォーマンス重視型:低コストでAI機能を活用
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ジュガール経費精算
月額330円/ユーザーという低コストでありながら、高性能なAI-OCRによる領収書や請求書の自動読み取り機能を利用可能。読み取り精度は90%以上を誇ります
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invox経費精算
領収書の画像からAI-OCRが支払先名や税率ごとの内訳金額などの情報を読み取り、経費登録に自動入力。スマホでの画像撮影・アップロードにも対応します
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BIZUTTO経費
従業員30名以下の企業向けに「BIZUTTO経費ライトパック」プランが用意され、初期費用0円・月額料金250円〜で通常版と同等の機能を使用可能
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スマート大臣 経費精算
スマホで撮影したレシートからAI-OCRが必要な情報を自動で読み取り申請書を作成。あとは使途と支払方法を選択するだけで簡単に経費申請が行えます
4.【番外編:AI以外でも自動化】交通系ICカードと連携し、交通費の清算が自動化できるタイプ
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ジョブカン経費精算
専用のスマホアプリで主要な交通系ICカードを読み取り、取得した履歴をそのままジョブカン経費精算に送信。交通費申請の手入力作業を省きます
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TOKIUM経費精算
各種交通系ICカードやモバイルSuicaと自動連携し、乗車履歴を取得。申請者の手入力負担を軽減し、交通費申請を手軽にします
他にもこんな経費精算システムを紹介しています
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- 期間の制限なし、ずっと無料で使えるタイプ
- 期間限定の無料トライアルで全機能が試せるタイプ
- 初期費用0円、もしくは月額コストが安く済むタイプ
- 会計ソフト連携が無料でできる低コスト経費精算システム
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- スマホで撮影した領収書をAI-OCRで自動入力できるタイプ
- スマホでのICカード連携や交通費精算に強いタイプ
- スマホでのチャット連携や通知機能が豊富なタイプ
- スマホで承認まで対応できるタイプ
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- 従量課金制で柔軟な料金プランを提供
- 初期費用・月額費用が低価格で導入しやすい
- 無料トライアルやデモ体験が可能
- 中規模以上の企業向けでコストパフォーマンスにすぐれる
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- 【原因:使いこなせず定着しない】操作がシンプルで導入後すぐ使いやすいタイプ
- 【原因:長期コストが高く継続できない】低コスト&スモールスタートが可能なタイプ
- 【原因:システム連携に課題】会計ソフト連携が強く、二度手間を防げるタイプ
- 【原因:サポート不足で挫折】導入時のサポートが充実しているタイプ