「ジュレタイプ」と「具入りソース」で勝負するキッコーマン

キッコーマンは2011年2月に「サラダ麺つゆ」2商品でバラエティかけつゆ市場に参入。「濃縮つゆ市場は業界全体で約400億円程度。そのうちストレートタイプが春夏で約60億円なのに対して、バラエティタイプは春夏で約7億〜10億程度と市場全体から見るとまだ小さいが、ここ2年で急激に伸びている」(同社)。バラエティかけつゆの購入者は定番のストレートつゆユーザーの中心層(50代以上)よりも少し若い30代〜40代で、新しいものが好きでアンテナが高い人が多く購入している傾向があるという。

内食と外食のボーダーレス化がさらに進み、バラエティかけつゆにも「家庭では出せない味」が求められる傾向が強い。その一方、「ひと手間かかってもやはり野菜といっしょに食べたい」というニーズも依然として存在する。こうした二極化したニーズにこたえるため、今年同社では家庭では作りにくく、調味料でブームとなっているジュレタイプ「冷んやり口どけサラダ麺つゆ」(2品)を発売した。

同商品は昨年好評だった「サラダ麺つゆ」2品をブラッシュアップし、半ジュレ状態にしたものだ。常温ではとろみのある液状だが、冷凍で50分、冷蔵では3時間以上でジュレ状になる。

こだわったのは「溶ける温度」だという。一般的なジュレ調味料に使用されているゲル化剤は融点が約55℃なので常温でもジュレ状が保たれ、口の中で崩れはするが溶けることはない。一方、同商品はゲル化剤に融点が約25℃のゼラチンを組み合わせているため、口に入れた瞬間にとろける「口どけの良さ」が特徴。「事前に冷蔵庫に入れておく」というひと手間はかかるが、やわらかいのでめんや野菜と絡みやすいというメリットがある。

清涼感を強調したパッケージ写真の具材は野菜に特化し、前年よりシンプルな提案になっている。「いろいろな具を用意しなければならない」という心理的なハードルを低くするための戦略だろう。

冷んやり口どけサラダ麺つゆ」は各210円(希望小売価格)。「たまねぎ醤油味」(190g)はオリーブオイルをより軽いグレープシードオイルに変え、タマネギの粒を角切りにしてアクセントを付けた。「さっぱりゆず味」(190g)は爽やかな風味をアップするためにカツオ節の代わりにグレープフルーツの果肉を加えた
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さらに2012年の大きなトピックは「からめる具麺(グーメン)ソース」を発売し、“具入りめんソース”に参入した点。具が必要なかけつゆタイプより簡単に食べられることから、2011年は丸美屋の「かけうま麺用ソース」シリーズ(2010年発売)のような具入りめんソースがヒットしたことが大きいのだろう。

「メニューのバリエーションに加え、一人暮らしやより手軽さを求める人のためにいろいろな具を用意しなくても完成する商品も必要だと考えた」(同社)。そこで食べごたえがあり、自分ではなかなか作れない本格的なメニューとして「からめる具めん(グーメン)ソース」を発売した。

メニューに際しては、数多くの候補の中から試食者の反応の良かった「ごま肉味噌うどん」「明太子うどん」「韓国ビビン麺風そうめん」の3メニューを発売。店頭での反応は非常に良く、「今年は4月まで暖かい日が少なかったが、気温に関係なくよく売れている」(同社)とのこと。特によく売れているのは「ごま肉味噌うどんの素」と「韓国ビビン麺風そうめんの素」だという。バラエティかけつゆは1袋食べきりサイズがほとんどだが、からめる具麺ソースは1人前が2回分が入っているので、人数やシーンに合わせて使える点も好評だそうだ。

基本的にどんな種類のめんともよく合い、温かいめんにも合うので、通年商品としての販売も検討しているという。

からめる具麺ソース」シリーズは各231円(希望小売価格)。「ごま肉味噌うどんの素」(45g×2)「明太子うどんの素」(25g×2)「韓国ビビン麺風そうめんの素」(45g×2)。レトルト殺菌(120℃で4分以上の加熱)していないので香味野菜などの風味が失われず、手づくり感のある味わいが楽しめるという
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