ほどよいオトナの遊び道具パナソニック ハリヤ BE-ELH442

電動自転車 2023/1/19
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ほどよいオトナの遊び道具パナソニック ハリヤ BE-ELH442

吉本司自転車ジャーナリスト

スポーツ自転車歴38年のベテランであり、フリーの自転車ジャーナリスト。月刊自転車専門誌『サイクルスポーツ』での編集長経験を持つ。ロードバイクからeバイクまで車種を問わず機材、市場動向、レースに至るまで幅広い知見を持つ。これまで試乗した自転車は数百台。自費購入した自転車は85台にものぼる。

フロントサスペンションと少し幅の太いタイヤを装備した、パナソニックの「ハリヤ BE-ELH442 + 専用充電器」は、MTB風のルックスをもった電動アシスト自転車。一見、中途半端に思えるが、いざ走らせれば“ほどよい”オトナの遊び道具でした!

日常とスポーツの間にある存在

コロナ禍やガソリン価格の高騰などによって、自転車の活用を考える人が以前にも増しているようです。体力のある若者なら、“人力自転車”をガシガシこぐのは大いに結構。でも、年齢を重ねてくると、やっぱり楽チンな電動アシスト自転車(以下電チャリ)に自然と目が向くものです。

電チャリといえば、いわゆるママチャリタイプや、ママ/パパが子供を乗せて走るタイプが一般的です。人や物をしっかり乗せられて街を軽快に走るさまは、とても便利そうに見えます。でも、筆者のようにロードバイクにも乗るような男性が、近距離の移動やジテ通、休日の軽い運動など、実用だけでなくレジャーのお供にするには、ママチャリタイプはちょっと生活感が漂い過ぎて所有欲が満たされにくいのです。

で、最近話題のスポーツタイプの電動アシスト自転車“eバイク”に興味が湧きますが、本格的なモデルだと30万円以上することも。ガチの趣味じゃないのにそこまでお金はかけられないし、駅前の駐輪も心配です。正直「もっと手軽で楽しい電チャリはないの!」なんて叫びたくなります。そういう人、筆者以外にも多いんじゃないでしょうか。

そんな諸氏の食指が動きそうなのが、パナソニックの「ハリヤ BE-ELH442 + 専用充電器(以下ハリヤ)」です。

ハリヤはクロスバイクタイプの電動アシスト自転車。フロントサスペンションとちょっと太幅な26×1.90 HE(約48mm幅)のタイヤを履いた“オンロードMTB風”にも見えるしつらえは、力強いルックスでオトナの物欲を刺激してくれます。しかも小型のフロントキャリアや、自動点灯式のライト、スタンドも装着。さらにこれらがミニマムにまとめられており、本格的なeバイクほどスポーティーじゃないけれど、ママチャリタイプよりは断然アクティブ。つまりは“スポーツ”と“日常”の間にあるような存在なのです。

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さすがの自転車性能

さて、そんなコンセプトが推察されるハリヤの走りを確かめてみましょう。アシストモードは電チャリのデフォルトともいえる3パターン。省エネの「ロング」、走行条件により最適なアシスト力を自動調整する「オートマチック」、そして常に強いアシスト力が得られる「パワー」です。

まずは、そろりそろりとロングモードで走り出してみます。さすがに力強くはないけれど、もちろん普通の自転車よりは楽チンです。平地をのんびり走るならこれでも十分。むしろアシスト力が強くないので、逆に自転車の素性の良さが感じられました。走行感がスムーズなのです。おそらくいい仕事をしているのは、上でもふれた幅の太いタイヤと外径の小さなホイール。乗り心地がいいのはもちろんだけれど、走り出すと慣性が強いせいか、軽く流れるように自転車が進んでくれます。これがなかなかに心地良し。

さらにフロントサスの動きはアクティブで、車道と歩道の間にある段差を越える時のような大きな衝撃もしっかりやわらげてくれて、アスファルトが荒れたような悪い路面でも走りを滑らかにしてくれます。しかも長いホイールベースは安定性にもすぐれるのです。

こうした自転車自体の基本性能の高さによって、ハリヤはライダーを包み込むかのような安心感を与えてくれます。とかく電チャリというと、アシスト性能ばかりに目が向きがちですが、走りの根幹を握っているのはやはり自転車そのもの。そこに抜かりのない性能は、さすが国内大手メーカーのパナソニックといえるでしょう。

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ゲーム感覚でエコライド

さて、パワーモードにしてみると、その名のとおりでターボのように「バビューン!」と面白いように加速します。同じパナソニックで一般的なママチャリタイプ「ビビ・DX BE-FD631 + 専用充電器」より車体が5kg近く軽いのも、その力強さに拍車をかけています。このパワフルさがハリヤのスポーティーさの魅力でしょう。上り坂も平地と変わらない力でクリアできてしまうので、つまりはすべての道が平地になったかの気分。その楽しさに、ついつい調子に乗って上り坂を探しつつ走っていると、バッテリーの減りが気になります。

そんな時はハンドル部分にあるコントローラーの「エコナビ液晶スイッチ4S+」が役に立つのです。単なるバッテリー残量だけでなく、各モードでの走行可能時間と距離まで示すすぐれものなので、燃費把握の安心感はバツグン。さらに、このコントローラーには「エコナビ表示」も備わり、バッテリー消費の少ない走行状態を緑色のランプが点灯して知らせてくれるので、省エネ走行に役立ちます。

これがなかなかに面白い。単細胞な筆者は、ランプが点灯すると「お、今省エネ中だぜ」と、思わずうれしくなってしまい、そして気が付けばゲーム感覚で自然と省エネ走行を目指していたのです。メーカーの意図にまんまとハマりました……。

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手なずける楽しさ

上り坂を力強く駆け上がり、かつ平地ではスピードのメリハリを付けてアクティブな走りを楽しむのなら、状況に応じてパワーモードを活用すべきです。しかし、街中をマイペースで走るのならオートマチックモード固定で十分だし、これが安楽です。もし省エネを意識するのなら、上り坂で後ろのギヤを軽くすればいいだけです。

少し気になったのは、高いアシスト力が発揮された後に失速感があり、時おり走りがギクシャクする印象もありました。これは、パワーモードでもそうなのですが、アシストのパワフルさゆえかもしれません。とはいえ、それもほんの少しだけペダリングに気を配れば大丈夫です。たとえば上り坂や加速する時は、軽過ぎないギヤを選んでペダリングの力を一定にすることを心がけると、先にも話した自転車自体のスムーズな走行感とあいまって、滑らかな走りが楽しめます。おそらく半日も乗れば慣れるので、難しいことではありません。

脚力によって感じ方は違うかもしれませんが、筆者の感覚だとオートマチックモードなら、後ろのギヤを7段変速の真ん中ぐらいにセットして平地を走り、上りになったら1つ大きな(軽い)ギヤでペダリングをするとスムーズに走れました。さらには平地なら時速15〜18km、上りなら時速8〜10kmあたりが、アシストが適度にきいて気持ち良く走れるレベルだと感じました。

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隠れた名品かも

電チャリの場合、アシスト力との駆け引きをしながら走らせるのも楽しさの1つです。特にハリヤの場合、スポーティーなユニットと自転車の作りによって、楽しさもひとしお。それは頭脳ゲームでもあり、はたまた馬を手なずけるような感覚でもあります。

正直なところハリヤに触れる前は、「今となっては最新のeバイクってものがあるんだから、スポーツ風味の電動アシスト自転車は中途半端でいらないでしょ」なんて思っていました。ですが、いざ走らせてみるとなかなかに面白い。休日のサイクリングやエクササイズを満たしてくれるだけのスポーティーさは十分に含まれています。

12Ahのバッテリーは大容量とまではいかないけれど、ロングモードで73km、オートマチックモードで54km、パワーモードで45kmのアシスト走行距離なので、不便を感じることはないでしょう。さらに必要最小限ではありますが街乗りに便利な機能も備えているので、普段使いも許容範囲。 街乗り、自転車通勤や通学、週末のレクリエーションまで、想像以上に守備範囲は広いはずです。

eバイクの存在があるゆえに、スペックだけで判断すると見劣りするように思われてしまうハリヤですが、価格もeバイクより断然手頃だし、スポーツ風味の電動アシスト自転車として、中身は十分濃厚。いわば「ほどよいオトナの遊び道具」といったところ。

これは隠れた名品かもしれません。 価格.com

文:吉本司 写真:高柳健
編集:宮崎正行 モデル:カズー藤田

パナソニック ハリヤ BE-ELH442
+ 専用充電器
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パナソニック ハリヤ BE-ELH442 + 専用充電器

タイヤサイズ: 26×1.90 HE
補助走行距離: パワーモード 45 km / オートモード 54 km / エコモード 73 km
充電時間: 4 時間
サドル高: 820mm〜975mm
全幅: 590 mm
カラーバリエーション: マットグレイッシュネイビー / クリスタルホワイト / グラスグリーンビター / パールオレンジ

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