2023年2月24日
返済
カードローンが返済不能に!債務整理について解説
カードローンは便利な半面、つい借りすぎてしまうこともあります。もし借りすぎてしまって、どうしても返済できなくなったらどうすればいいのでしょうか。
返済不能になった際の対処法と、どうしても返済できない場合の債務整理について、くわしく解説します。
返済できないとどうなる?
毎月決まった返済日に支払いがないと、電話や自宅への郵送物などで督促が来ます。この督促を無視していると、カードローンが利用できなくなります。滞納している期間が長くなると、返済しても数ヶ月間利用を停止される場合もあるので注意しましょう。
返済できずに延滞してしまうと、信用情報に延滞情報が記録されます。3ヶ月以上滞納すると、いわゆる「事故情報」として扱われ、他のローンやクレジットカードの審査に通らなくなってしまいます。また、延滞のペナルティとして、遅延損害金を請求されますので注意しましょう。
すぐにカードローン会社に連絡!
「返済日までに支払えない」と思ったら、まずは返済日がくる前にカードローン会社に連絡しましょう。
早めに連絡して支払う意思があることを示すことで、翌月まとめての返済に変更や、遅延損害金なしで返済を待ってもらえるなど、柔軟に対応してもらえることがあります。また、返済期間の延長や、月々の返済金額の変更などを交渉できる場合もあります。
「返済が遅れる理由」「いつ頃なら返済できるか」を整理して、正直に相談してみましょう。
借金返済のための借金はNG
借金返済のための借金は絶対にやめましょう。返済が間に合わないからといって新たに借金をしていると、借入額がどんどん増えていきます。日々の生活を切り詰めてでも、借金の返済は毎月の給料から行うようにしましょう。
督促が来たら?
どうしてもお金を工面することができず、債権者から電話や手紙で督促が来たら、借金のことが頭から離れなくなり、日々不安な気持ちで生活を送ることになりかねません。自分で債権者と交渉する前に、弁護士や司法書士等の専門家に相談し、どのような方法で債務を整理していくのが一番良いのかを早めに考えることが大切です。
一人で解決できない問題は専門機関に相談
返済ができないと感じたら、一人で抱え込まずに専門機関などに相談しましょう。専門家に相談することで解決方法が見つかる場合があります。
代表的な相談窓口は以下のとおりです。
| 相談窓口 | 運営母体 | 取扱内容 |
|---|---|---|
| 各地方自治体の消費生活センター | 独立行政法人国民生活センター | 多重債務の相談 |
| 貸金業相談・紛争解決センター | 日本貸金業協会 | 相談・苦情の受付 |
| カードローン相談・苦情窓口 | 一般社団法人全国銀行協会 | 無料のカウンセリングサービスを実施(電話・面談) |
| 多重債務ほっとライン | 公益財団法人日本クレジットカウンセリング協会 | 相談受付・無料で任意整理(カードローン会社への交渉)も行う |
| 法テラス | 日本司法支援センター | 無料法律相談(収入要件あり) |
| 法律相談センター | 弁護士会 | 無料法律相談(収入要件なし) |
相談時には専門家に現在の状況をスムーズに理解してもらえるよう、事前に以下の5項目を整理しておくといいでしょう。
相談前に整理しておきたい5項目
- 現在の借入額と債権者数
- 毎月の返済額
- 返済困難になった原因
- 返済状況
- 家計の状態
どうしても返済できない場合は債務整理
一般的な債務整理の方法は3つ
どんなに頑張っても返済できない状況に陥ってしまったときには、債務を整理する必要があります。債務整理には次の3つの方法があります。
@ 任意整理
裁判所を利用せずに、債務者が弁護士などを通じて、債権者と話し合い、返済額や返済プランを決める方法。和解が成立すれば、毎月の返済額を減らすことができるかもしれません。
A 個人再生手続き
裁判所を利用して、債務の一部カットを受けたうえで、残額について分割払いをしていく方法。住宅を所有している場合、住宅を残したまま債務整理できる可能性があります。
B 自己破産手続き
裁判所を利用して、資産・財産があれば、各債権者に分配し、残った債務は全額免除する決定を最終目的とする方法。収入のめどが立たなかったり、返済計画が立てられなかったりする場合に利用する最後の手段です。
| 任意整理 | 個人再生手続き | 自己破産手続き | |
|---|---|---|---|
| 申立先 | − | 裁判所 | 裁判所 |
| 結果 | 返済額の減額 | 返済額の減額 | 支払義務の免除 |
| メリット |
|
|
|
| 注意点 |
|
|
|
実際に債務整理が必要になったら、弁護士や司法書士などに相談をするのがベストです。
弁護士や司法書士といっても、人によって得意分野があります。中には債務整理を多く扱っている弁護士もいますので、自分の悩みに対応できる方に相談すると良いでしょう。
債務整理後は暮らしに一定の制限が伴う
債務整理を行うと、債務を減らせるなどのさまざまなメリットを享受することができます。しかし、当然デメリットも多く、通常の生活は営めるものの、以下のように社会生活において一定の制限を受けることになります。
- 自己破産手続きでは、不動産を含む一定基準以上の財産はすべて処分される
- 自己破産手続きでは、免責決定が確定するまでの期間、一部の職業に就くことができない
- 信用情報に事故情報が記載され、5〜10年間はあらゆるローン審査に通らなくなる
- 個人再生手続き・自己破産手続きでは、政府が発行する官報に氏名が掲載される
このうち、信用情報に債務整理をしたという情報が記録されるデメリットは影響が大きく、5〜10年ほど記録が残ります。この間、クレジットカードはもちろん、住宅ローンや教育ローン、賃貸住宅の入居審査など、信用情報を照会するあらゆる審査に通りにくくなります。また、自己破産手続きの場合は、生活に必要な最低限を除いて財産はすべて処分され、処分された財産は債権者への返済に充てられるため、手元に残ることはありません。
まとめ
カードローンの返済が遅れてしまうようなら、まずカードローン会社に連絡し、事情を話して返済を待ってもらえるように交渉しましょう。もし返済を促す督促の手紙や電話が来たら、まずは専門家に相談して、今後の対応を決めましょう。
どうしても返済できない場合は、債務整理をしなければいけませんが、債務整理は多くのデメリットを伴います。しかし、返済に追われる悩みから解放されるという大きなメリットがありますので、専門家に相談して債務整理を含めた対処法を検討しましょう。
東京フロンティア基金法律事務所(第二東京弁護士会)所属。債務整理・一般民事(消費者問題・家事事件・労働事件)・刑事事件など幅広く担当。司法過疎地域解消に向けた活動にも取り組んでいる。