2023年2月20日
返済
カードローンのリボ払いとは
クレジットカードなどでよく耳にするリボルビング払いですが、カードローンでもリボ払いの返済方式を用いているところが一般的です。今回はカードローンのリボ払いについてくわしく解説します。
リボ払いとは
正式にはリボルビング払いといい、連続して回転する、循環する「revolve」からきているといわれています。つまり、返済月数で金額を割って支払う「分割払い」に対し、リボ払いは利用金額に関わらず一定額を支払うことになります。
リボ払いには、定額制、定率制、残高スライド制と種類はありますが、 共通しているのは「利用限度額内であれば、いくら借入れをしても月々の支払いは一定額」ということです。
リボ払いはお得?
それでも今一つわからない場合は、クレジットカードの分割払いと比較するとわかりやすいかもしれません。
例えばクレジットカードで買い物をし、分割払いを選んで、毎月1万円の返済をすることになったとします。翌月また買い物をして、同じ条件の支払いを選ぶと、毎月の返済額は1万円から2万円に増えます。
更に翌月も同じことをすれば3万円に増えていき、買い物を繰り返すほど残高が増え、毎月の返済額が重くなっていきます。
ところがリボ払いの場合、毎月の返済額が1万円と決まっていれば、 さきほどのような状況になっても、返済額はずっと毎月1万円のままで変わらないのです。「お得じゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、残高が増えるのに毎月の返済額が変わらないということは、その分返済期間が長くなるということです。
クルクルと回転し続けるように、なかなか支払いが終わらず、しかも借りている期間の日数分、常に金利の負担があることを考えると、決して「お得」ではないのです。
カードローンは「残高スライド方式」が一般的
リボ払いの中にもいくつか種類があり、支払う「一定額」の計算がそれぞれ異なります。代表的なものとしては、利用残高に関わらず、事前に指定した一定額を常に支払う「定額方式」、利用残高に対して一定割合の額を支払う「定率方式」、支払残高に応じて段階的に指定された額を支払う「残高スライド方式」があります。このうち、カードローンの返済方式には「残高スライド方式」が最も多く採用されています。
「残高スライド方式」とは、たとえば借入残高が100万円以下なら返済額が月2万円、さらに50万円以下なら1万円、30万円以下なら7千円と、残高に応じて支払う金額が段階的に変わっていく返済方式になります。
「残高スライド方式」の返済例
- 借入希望額:¥1,000,000
- 適用金利 :年6.0%
- 返済回数 :105回
| 返済回数 | 借入残高 | 返済額 | 利息返済分 | 元金返済分 | 支払後残高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ¥1,000,000 | ¥20,000 | ¥5,000 | ¥15,000 | ¥985,000 |
| 2 | ¥985,000 | ¥20,000 | ¥4,925 | ¥15,075 | ¥969,925 |
| 3 | ¥969,925 | ¥20,000 | ¥4,849 | ¥15,151 | ¥954,774 |
| 4 | ¥954,774 | ¥20,000 | ¥4,773 | ¥15,227 | ¥939,547 |
| 〜中略〜 | |||||
| 31 | ¥515,785 | ¥20,000 | ¥2,578 | ¥17,422 | ¥498,363 |
| 32 | ¥498,363 | ¥10,000 | ¥2,491 | ¥7,509 | ¥490,854 |
| 33 | ¥490,854 | ¥10,000 | ¥2,454 | ¥7,546 | ¥483,308 |
| 〜中略〜 | |||||
| 56 | ¥307,404 | ¥10,000 | ¥1,537 | ¥8,463 | ¥298,941 |
| 57 | ¥298,941 | ¥7,000 | ¥1,494 | ¥5,506 | ¥293,435 |
| 58 | ¥293,435 | ¥7,000 | ¥1,467 | ¥5,533 | ¥287,902 |
| 〜中略〜 | |||||
| 105 | ¥1,090 | ¥1,095 | ¥5 | ¥1,090 | ¥0 |
※上記返済例はあくまで参考値として算出したものです。商品や条件により、実際とは異なる場合があります。
リボ払いのメリット・デメリット
リボ払いのメリットは、返済額が一定のため分かりやすく、月々の家計への負担も小さくて済むことです。残高スライド方式だと、返済を続けて残高がある程度まで減ると、月々の返済額もスライドして減額するので、返済を続けるほど負担も少なくなります。
デメリットは、分割払いなどと比べると、完済するまで時間がかかることです。リボ払いで支払う一定額は、まず利息の支払いが引かれた上で、残りが元金の返済に充てられます。そのため、どうしても元金が減りにくいのです。
元金が減らず、返済期間が長引くほど、かかる利息も増えていきます。残高スライド方式をはじめとして、リボ払いを採用しているカードローンは、なるべく繰り上げ返済を行って、元金を早く減らしましょう。
まとめ
お財布がピンチの時に少しずつ借りても、毎月の返済額は変わらないというのは大変便利な仕組みだと感じる方もいるかもしれません。けれど借入残高は増えていく一方となり、利息がかさみ、借りれば借りるほど完済までの時期が遠のいてなかなか完済できない、といった状態になってしまいます。
毎月の返済額にしか目が向かない方は、どうしても使いすぎてしまう傾向があります。そのような状態にならないよう、カードローンの返済予定表を定期的に見るようにして、特に「残高」「完済月」の欄は必ずチェックしましょう。また、お財布に余裕のある時は随時返済(繰上返済)を行うなど、きちんとリボ払いの仕組みを知って、カードローンを上手に使いこなしましょう。