暗号資産(仮想通貨)・ビットコイン投資のリスク

暗号資産(仮想通貨)・ビットコイン投資のリスク

ビットコインなど「暗号資産(仮想通貨)」は、大きな値動きが魅力の投資対象です。値上がりすれば大きなもうけを得られる半面、値下がりして損するリスクもあります。最近になって急速に発展してきた分野だけに、ほかにもたくさんのリスクがあります。暗号資産(仮想通貨)・ビットコインに投資する際のリスクについて、「Zaif Exchange」を運営する株式会社フィスコ仮想通貨取引所の田代昌之取締役が解説します。

暗号資産(仮想通貨)・ビットコイン投資のリスクとは?

暗号資産(仮想通貨)・ビットコイン投資には、株式投資やFX(外国為替証拠金取引)のようにたくさんのリスクがあります。こうしたリスクに注意を払っていないと、もうけ損ねることはもちろん、せっかく投資した暗号資産(仮想通貨)・ビットコインがいつの間にかなくなってしまう、という危険性もあります。

暗号資産(仮想通貨)・ビットコインに投資する際のリスクは、主に以下の4つが挙げられます。それぞれ、対処法とあわせて解説します。

価格変動リスク

ビットコイン価格の上昇率のすさまじさは、2017年の変化を見ればよくわかります。2017年初頭は10万円前後だったビットコインが2017年12月には1BTC=200万円を超える凄まじい動きを見せました。

順調に価格を上げ続けているビットコインですが、24時間チャートを見てみると激しい値動きがあることがわかります。例えば2017年12月7日は最安値が170万円、最高値が204万円でした。1日の中で30万円という激しい価格変動が起きています。このような動きをする投資対象は、なかなか存在しません。

ビットコインの高騰で目立ちませんが、ビットコインを除いた暗号資産(仮想通貨)市場全体も、激しい値動きをしながら右肩上がりの成長を続けています。

例えば、ビットコインに続いて時価総額の大きいイーサリアムは、さまざまな分散型(ビットコインのように、中央管理体を必要とせずプログラムとネットワークへの不特定多数の参加によって機能する仕組み)のアプリケーションを作成するためのプラットフォームです。いま話題の暗号資産(仮想通貨)を利用する資金調達、ICO(Initial Coin Offering)のプロジェクトで基盤技術としてよく利用されています。

このイーサリアムを基盤とした多数のプロジェクトが生まれることによって、イーサリアム自身の価格や時価総額も成長してきました。一方で、派生するプロジェクトのトラブルがイーサリアム本体にも影響を及ぼす場合もあります。2016年に起こったイーサリアムの分裂は、まさにイーサリアム基盤のプロジェクトによるトラブルが原因となりました。

このように技術的な問題や予想しえないトラブルが価格変動に大きな影響を与える新しい市場であること、暴落や暴騰という価格変動のリスクは暗号資産(仮想通貨)市場とは切り離せないものであることを承知しておく必要があります。

通貨の信用リスク

ビットコインなど暗号資産(仮想通貨)には、分裂(分岐)問題という不安定な局面があります。これまでにビットコインからは2017年8月にビットコインキャッシュ、同年11月にビットコインゴールド、ビットコインダイアモンドなどと、暗号資産(仮想通貨)が分岐したことがありました。

ビットコインの分岐が起こると、ビットコイン保有者は分岐前に保有していたビットコインの数と同数の新たなコインを保有できる可能性があるため、ビットコインを持つことで新たなコインの所有権も取っておこうと買いに走り、ビットコイン価格が上昇する傾向にありました。

しかし、価格操作とおぼしき行為が見受けられるなど、分岐はビットコインそのものの信用や価値を下げることにもなりかねないという声もあります。

ビットコインは金に似ているといわれますが、それは希少性の高さも影響していると思われ、分岐が多発することが今後どのような影響を与えるのか、注視する必要があります。

取引所リスク

ビットコイン自体のネットワークは分散型台帳、つまりブロックチェーンによって守られているため、ハッキングのリスクはほとんどありません。しかし、暗号資産(仮想通貨)取引所がハッキングされ、ビットコインや暗号資産(仮想通貨)が抜き取られるリスクは存在します。

2016年8月に発生した香港の取引所ビットフィネックス(Bitfinex)でのハッキング事件での被害額はおおよそ777億円で、セキュリティの脆弱性が狙われました。この事件でビットフィネックスとユーザーは多大な損失をこうむりましたが、取引所が返金し、ビットフィネックスは営業を続けています。また、このほかにもハッキング被害はたびたび起こっています。

また、日本でも有名なマウントゴックス事件においてはハッキング被害や経営者によるビットコインの横領が問題となりました。いわば取引所自体の信用問題ともいえます。日本では暗号資産(仮想通貨)取引所は金融庁への登録制となりましたが、世界ではまだこうした監督体制が確立されていないところも多く存在します。

ビットコイン・暗号資産(仮想通貨)には「公開鍵」と「秘密鍵」があり、この2つをペアで管理します。「公開鍵」は世界中の誰もが見て、確認することができますが、「秘密鍵」は決して誰にも知られずに管理する必要があります。

「秘密鍵」を使用するのはビットコインや暗号資産(仮想通貨)の送金時で、この秘密鍵を知っている人のみが出金できる仕組みです。つまり、この秘密鍵が第三者に知られてしまうと自身のアドレスからこの第三者が自由に出金可能となってしまうのです。公開鍵は、世界中に配布された南京錠で、この南京錠を開けるための鍵が秘密鍵である、と例えることもできます。

本来ならば自分で厳重に管理しなければならない秘密鍵ですが、ビットコインを取引所で購入した場合、秘密鍵に関する情報は得られません。つまり、本来的な意味で自分のビットコインを管理できている状態とはいえません。そのため取引所がハッキングされたり、あるいは取引所自体が不正な行為をした場合、自分が取引所に預けていたビットコインが被害にあったりする確率が高くなってしまうのです。

取引所に暗号資産(仮想通貨)を預ける際には、必ずこのリスクを意識して利用する必要があります。

資金管理リスク

取引所リスクで出てきた「秘密鍵」は、紛失すれば一生取り戻すことができないものです。銀行口座やクレジットカードなどは通帳やカードをなくしても再発行可能ですが、ビットコインでは不可能です。

秘密鍵は物理的な喪失だけではなく、記憶の喪失にも気を付けなければなりません。そのためにも「保管」の方法が重要になってきます。

ビットコインの保管方法はおおよそ4つに分けられます。

ウォレットサービス

パソコンやスマートフォンでウォレットアプリをダウンロードし、秘密鍵を自分で管理する方法です。アプリを立ち上げればすぐに利用できるので、操作の利便性が優れています。すぐに利用したい分のビットコインを保管するのには適しています。

ただし、常にオンラインの状態であるため、ハッキングなどのリスクが存在することは注意しましょう。また、モバイル端末などの故障やウイルス感染などのリスクがあるため、必ず秘密鍵を復元するためのキーワードをきちんとメモしておきたいです。これらを写真やテキストなどで保存していた場合は、盗まれる可能性もあるので注意しましょう。

ハードウェアウォレット

フラッシュメモリーのような外部記憶装置に秘密鍵や秘密鍵を復元するパスワードを保存する方法です。外部記憶装置は5〜10年で故障するといわれているので、バックアップを取るなどの対策しながら記録を継続する必要があります。

パソコンがないと使用できないなど利便性に問題はあるものの、長期保有しておきたいビットコインを保管する方法としては適しています。Bluetooth接続で署名ができるハードウェアウォレットのリリースも予定されています。

ペーパーウォレット

紙などの物体に秘密鍵や秘密鍵の情報が含まれたQRコード、秘密鍵を復元するためのパスワードを保存する方法です。作成方法も記録方法も簡単ですが、秘密鍵の内容を見られ、盗まれても気付かない可能性があります。保管場所を忘れるなど紛失リスクも高いので、金庫などへの保管が望ましいです。

自分で記憶

秘密鍵や、秘密鍵を復元するためのパスワードを暗記しておく方法です。自分だけが記憶している状態なので安全性が高いものの、秘密鍵は長く複雑な文字列なので、覚えられない(忘れてしまう)可能性があります。

秘密鍵の紛失や盗難は資産を紛失すること同義ですので、上記保管方法を参考に、場合に合わせて適切な管理を行う必要があります。

ご自分の「秘密鍵」の管理にはくれぐれもご注意ください。

2020年5月施行の「改正資金決済法」「改正金商法」の影響は?

本稿の最後に、2020年5月に施行された「改正資金決済法」及び「改正金融商品取引法」の暗号資産(仮想通貨)に与える影響についても触れておきます。投資する際のリスクにも関わる内容ですのでチェックしておきましょう。

2017年春、資金決済に関する法律(以下「資金決済法」)の改正が行われ、暗号資産の売買・交換等が規制の対象となりました。この規制は、暗号資産交換業者の登録制度を通じて、利用者保護に関する一定の制度的枠組みを整備するほか、本人確認義務等のマネーロンダリング・テロ資金供与対策に係る義務を課す内容で、世界で初めての暗号資産に関する法律でした。

その後、資金決済法ではカバーしきれていないICO(イニシャル・コイン・オファリング)を用いて国内で資金調達をする事業者が増加したことや、度重なる交換業者によるハッキング被害などが問題視された結果、2020年5月に「改正資金決済法」及び、これまで資金決済法でカバーしきれなかったレバレッジ取引などを含めた「改正金融商品取引法」(以下「改正金商法」)が誕生したわけです。

暗号資産のレバレッジ取引が金商法適用となったことから、暗号資産レバレッジ取引を業として行っている交換業者は金商法に準拠した態勢を取る必要となったのです。

それぞれの法律の暗号資産に関する主な改正点は下記のとおりです。

◆改正資金決済法

  1. 「仮想通貨」から「暗号資産」への呼称変更
  2. 暗号資産カストディ業務に対する規制の追加
  3. 暗号資産交換業の登録拒否事由の追加
  4. 取扱う暗号資産の名称等を変更する場合の事前届出制の採用
  5. 広告・勧誘規制等の整備
  6. 利用者に信用を供与して暗号資産の交換等を行う場合の情報提供措置
  7. 利用者財産の保全義務の強化
  8. 利用者の暗号資産返還請求権に対する優先弁済権等の付与

◆改正金商法

  1. 暗号資産デリバティブ取引に対する規制の創設
  2. 暗号資産又は暗号資産デリバティブの取引に関する不公正な行為に関する規制の新設

「仮想通貨」を「暗号資産」と呼称を変更することから、各交換業者のHPから「仮想通貨」という文言がほぼ姿を消した格好ですが、2017年頃から行っている投資家からするとピンとこないことでしょう。元々の翻訳がおかしかったのですが、良くも悪くも「仮想通貨」というブランドはでき上っているので、しばらくは違和感を感じるかもしれません。

こうした呼称変更のほかで、資金決済法、金商法の改正に関して目立つのは、暗号資産交換業者に対する規制などが強まったことでしょうか。利用者に対する情報開示や財産の保全業務など暗号資産交換業者が求められる水準はかなり高くなったと言えます。

こうした高いハードルを常にクリアし交換業を行っている暗号資産交換業者こそ、利用者から選ばれる業者になっていくことでしょう。今回の両法の改正は、利用者にとっては歓迎すべき内容と言えそうです。

暗号資産(仮想通貨)を購入するなら、取引所・販売所をチェック!

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取締役 田代 昌之
株式会社フィスコ仮想通貨取引所 取締役
田代 昌之(たしろ・まさゆき)
新光証券(現みずほ証券)、シティバンクなどを経てフィスコに入社。17年3月よりフィスコ仮想通貨取引所やフィスコデジタルアセットグループの取締役を歴任。各種メディアへの出演、寄稿多数。著書に「フィスコ仮想通貨取引所で始める『ビットコイン取引』超入門」(實業之日本社)など。
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