更新日:2016年5月13日
テクニック次第で年間約4,500円も節約できる? 冷蔵庫の上手な使い方
冷蔵庫は年を追うごとに省エネ性能が向上しており、資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2014年冬版」によれば、2003年度に600〜680kWh程度だった401〜450Lクラスの冷蔵庫の年間消費電力量は、2013年度には200〜220kWh程度と約3分の1まで減少しています。しかし、1年365日、24時間動き続ける冷蔵庫。家庭内で電気代のかかる家電ランキングでは、照明器具、エアコン、テレビとともに常に上位にあります。毎日の使い方を工夫することで、節電につながり冷蔵庫の電気代も安くなります。冷蔵庫を使ううえで注意すべきポイントをご紹介しましょう。
冷蔵庫は壁から少し離して設置すること
冷蔵庫の置き方でも消費電力量は変わります。壁にピッタリくっ付けると周囲にすき間がなくなり放熱しにくくなります。冷蔵庫自体に熱がこもり、さらに冷蔵庫はその熱を冷やそうと余分な電気を使います。説明書には最小放熱スペースが記載されていますが、より多くすき間をあけたほうが省エネになります。また、同様の理由で直射日光が当たる場所やガスコンロなどの熱源がある場所の近くも避けるようにしましょう。冷蔵庫の上と両側が壁に接しているような冷蔵庫の周囲に余裕がない場合と片側だけが壁に接している場合を比較すると、年間で45.08kWhの節電となり約1,217円の電気料金の節約となります(※1)。
冷蔵庫の中は詰め込み過ぎに注意
冷蔵庫の中で冷風が循環しやすくなっていれば、効率よく中のものを冷やせ、余分な電気を消費することが少なくなります。冷気の吹き出し口の前にはものを置かないようにし、できるだけ真ん中を空けてコの字型に収納すれば奥まで見渡せますし、お目当ての食品も探しやすくなります。また、常温で保存が可能なものは冷蔵庫に入れないなど、ものを詰め込み過ぎないようにしましょう。なお、引き出し式の冷凍室では、凍った食品が保冷剤の役割を果たすのでキッチリと詰めたほうが開け閉めした時の温度上昇をおさえることができます。ものを詰め込んだ時と半分にした時の比較では、年間で43.84kWhの節電となり約1,183円の電気料金の節約となります(※2)。
開閉の時間は短く、ムダな開閉はしない
用事もないのについつい覗いてみたくなるのが冷蔵庫。しかし、扉を開けると庫内の温度が上がってしまい、冷蔵庫は再度冷やそうと電力を消費します。開閉時間をできるだけ短くし、回数を減らすことが節電につながります。開けている時間が20秒の場合と10秒の場合では年間で6.1kWhの節電に、JIS開閉試験(冷蔵庫を12分毎に25回、冷凍庫を40分毎に8回、いずれも10秒間開ける)を行った場合とその倍の回数を行った場合では、年間で10.4kWhの違いがあり、それぞれ約165円、約281円の電気料金の節約となります(※3)。
適切な設定温度
冷蔵庫をムダに冷やし過ぎると余計な電力を消費します。最近は自動的に設定温度を調整するタイプの冷蔵庫もありますが、室内の温度に応じて冬は設定を「弱」や「低」にするなど庫内の温度を適切に保つことが節電につながります。周囲の温度が22度で設定温度を「強」から「中」にした場合では、年間で61.72kWhの節電になり約1,666円の電気料金の節約になります(※4)。
(※1)(※2)(※3)(※4)省エネ効果については、資源エネルギー庁の「家庭の省エネ大事典2012年版」を参照していますが、電気料金を計算する際の目安価格は27円/kWhで再計算しています
さらにはこんな小技も
冷蔵庫が古くなってくると、ドアのパッキンが劣化し、すき間から冷気が漏れることがあります。名刺などをはさんでずり落ちるようならパッキンを交換するのもありです。また、背面などにほこりが溜まると放熱効果が下がり、電気消費量が増えることがあります。定期的に掃除するだけでも電気代の節約につながります。
なお、冷蔵庫は大型のほうが省エネ性能が高いものが多く、電気料金に関していえば小型だから安いということにはなりません。
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