L O A D I N G
価格.comプロダクトアワードとは月間約3,572万人のユーザーの方々に日々書き込んでいただいているレビューの評価をベースに、その年にユーザーにもっとも支持された製品を選出するアワードです。
この1年で発売された製品を対象に、ユーザーのレビュー内容をベースに高い評価を得ている製品を選出。ユーザー満足度の高かった製品や最新のトレンドが一目でわかります。
[Apple] Mac mini MU9D3J/A
[Apple] iPad 11インチ (A16) Wi-Fi 128GB 2025年春モデル
[ロジクール] M196
[AMD] Ryzen 7 9800X3D
[パナソニック] 4Kディーガ DMR-4TS204
[パナソニック] Technics EAH-AZ100
[シャープ] ヘルシオ トースター AX-WT1
[ダイキン] S225ATES
[Shark] EVOPOWER SYSTEM STD CS102JGY
[パナソニック] イオニティ EH-NE7M
[ニコン] Z50II ボディ
[任天堂] Nintendo Switch 2
[シャープ] AQUOS sense9
[Xiaomi] Xiaomi Smart Band 9 Pro
[スズキ] ジムニー ノマド
株式会社カカクコム価格.comカンパニープロダクト本部メディア編集部価格.com編集長鎌田 剛
キーワードは「高コスパ」&「定番製品」目新しさは少ないが、長年にわたって改良・進化されてきた「定番」の強さを感じた
2020年から始まったコロナ禍は、2022年にいったんの終息を迎えた。それから約3年が経ち、一時は落ち込んでいた新製品の発売ペースもだいぶ戻ってきたように見える。そのいっぽうで、我が国の経済環境は厳しさを増しており、今年は特に、急激に進む物価高などによって、各家庭において自由に使えるお金の量も減っている状態だ。そんな状況下ではどうしても「節約」ムードが世間を覆いがちになる。今年の「価格.comプロダクトアワード」も、そのような世間の状況を如実に反映するような結果となった。
今年のアワードを特徴づけるひとつめの大きなキーワードは、やはり「高コスパ」だ。各部門で大賞に選出された製品の顔ぶれを見ると、ほとんどの製品が、価格的には安めのベーシックモデルあるいはミドルクラスのモデルであり、最新技術を満載した高付加価値の製品やフラッグシップモデルは少数にとどまった。やはり消費者の財布のひもは硬いといったところだろう。もちろん、これらの製品は、販売価格に対して機能や性能がすぐれているからこそ高く評価されているのであって、購入後の満足度も非常に高い。逆に言えば、最高の性能ではなくとも、自分の生活に即した十分な性能を持った製品であれば、それが一番いい。そんな消費者の声が伝わってくるようでもある。
もうひとつのキーワードは「定番製品の強さ」である。大賞製品の多くが、その分野ではすでに定番として認知されているシリーズの最新モデルであったのも、今年のアワードの特徴だ。「定番」というと、なんとなく新奇性の少ない、面白みに欠ける製品というイメージもあるかもしれないが、実際には、それを作るメーカーが、長年にわたって細かな改良を重ねながら、安定した人気を勝ち得てきたからこそ、そのシリーズが定番と呼ばれるようになったのである。むしろ、新奇性は少なくとも、欠点や荒削りの部分が少ない、しっかりした製品として仕上がっているのが定番の強み。万が一、定番製品の人気が失われるとしたら、それは技術革新が少なく、競合製品よりも機能的に劣ってしまうか、あるいはブランド化して販売価格が高騰し、消費者のレベルに合わなくなってしまうかのいずれかだろう。そういう意味では、今年のアワードで各部門の大賞に選出された製品は、定番シリーズではあるが、しっかり改良がなされて確実に進化しており、なおかつ適正な価格で販売されているものばかりと言える。新機軸の機能を持った製品の開発がなかなか難しい昨今だからこそ、こうした定番製品の安定性がより評価されたものだ。
そうした意味では、今年のアワードで高い評価を得た製品の多くには、「目新しさは少ないが、長年にわたって改良されてきたという裏付けがあり、なおかつ割安と思えるもの」という特徴があるように思える。確かにやや面白みには欠けるかもしれない。オッと驚くような新奇性も少ないかもしれない。ただ、定番だけに、間違いなく価格に見合った価値を感じられる製品ばかりだ。家電などの製品購買にかけられる予算が限られる現在の日本にあって、こうした堅実な製品を選ぶことは、ある種、最良な選択でもあるだろう。こういう時代だからこそ、定番が定番としてその輝きを増す。そんなことを考えさせられた今年のアワードだった。
価格.comプロダクトアワードとは
バックナンバー