家計見直しの意向:「見直す」「すでに見直した」で合計60%超。家族が多い世帯ほど、家計見直しが切実に
4月からの消費税率8%へのアップに際し、家計における支出の削減などの見直しを行うかどうかを聞いた。これについては、意見が分かれる結果となったが、約3分の1にあたる33.4%の人は「すでに見直しを行った・現在見直しを行っている」と回答。同じく約3分の1にあたる31.4%の人は「増税後の4月以降、見直したいと思う」と回答した。全体の約3分の2が、家計の支出状況などを「見直した」、あるいは「見直す」と回答しており、4月以降の消費行動は少なからぬ影響を受けそうだ。
なお、さらに消費税の税率が10%へとアップすると言われている「2015年10月までには見直したい」という人の割合は9.9%で、上記の割合にこれを足すと全体の約4分の3の人が、消費税が10%まで増税されることによって、支出を見直すと回答したことになる。
なお、消費税の税率アップによって、家計を見直すと回答する割合を、家族構成別に見てみると、単身者よりは夫婦世帯や核家族世帯、さらには三世代家族世帯のほうが、高くなっていることがわかる。単身者の場合、「すでに見直しを行っている」「4月以降に見直す」の合計は61,2%だが、この割合が夫婦世帯では65.5%、夫婦+子どもの核家族世帯では65.1%、三世代家族世帯では、67,0%となっており、家族が増えるに従って、家計見直しが切実になってきている様子がうかがえる結果となった。
【図2-1 家計見直しの意向】

【図2-2 家族構成別 家計見直しの意向】

支出削減の意向:「減らす」「どちらかといえば減らす」合計71.6%。支出削減の対象はトップが「外食費」(26.0%)、次いで「外食費を除いた食費」(13.4%)
上記の設問の補足となるが、家計を見直す際に支出を減らすかどうかを聞いた。結果としては、「減らす」が全体の約3分の1となる33.1%、「どちらかといえば減らす」が、こちらも全体の約3分の1となる38.5%となり、「家計を見直す=支出を減らす」であることが確認できた。
【図3-1 支出削減の意向】

消費税の税率アップにともない、家計の支出を減らすと回答した人に、どういった種類の支出を減らす予定かを聞いてみた。
まず一番大きかったのは「外食費」で26.0%。1回あたりの金額は小さいものの、回数が増えれば家計に対して大きなインパクトになってくるだけに、外食を減らし、内食を増やすことで、支出を減らそうという人が多いようだ。さらに、次点には「外食費を除いた食費」が13.4%で続いており、外食・内食ともに食費全般を切り詰めようとする消費者の姿が見えてくる。
このほかでは、「旅行・レジャー費」(9.2%)、「洋服・ファッション関連費」(8.1%)、「水道・光熱費」(7.4%)、「嗜好品費(酒・タバコなど)」(6.4%)、「娯楽費(映画・音楽鑑賞、ゲーム、ホビーなど)」(6.4%)といった項目が続く。一般に減らしづらい「水道・光熱費」が比較的上位に来ているのはやや意外な結果だ。なお、「パソコン・家電製品の購入費」は5.5%とそれほど高い割合ではないが、もともとそれほど頻繁に購入するものではないだけに、支出削減の対象としてはあまり効果的ではないと考えられているものと思われる。
【図3-2 支出を減らす場合、家計のどこを減らすか】

逆に、4月以降も「家計の見直しは行わない(変わらない)」、あるいは「(どちらかといえば)増やす」と回答した人に、どこを増やすのかを聞いてみた。
もっとも多かったのは、「旅行・レジャー費」で21.4%。次いで、「外食費」(14.3%)、「娯楽費(映画・音楽鑑賞、ゲーム、ホビーなど)」(14.3%)、「医療費」(14.3%)などが続く。上記の設問の回答とはほぼ正反対の結果となっており、比較的、レジャーや娯楽などに使う支出を増やそうという傾向が読み取れる。消費税の税率が3%アップすることによって、さほど家計に影響を受けない高所得者層、あるいはアベノミクス効果で給与や所得が増加している層については、むしろこれまで数年間引き締めていたこうしたレジャーや娯楽に関する支出を少し増やしていこうという傾向があるようだ。
【図3-3 支出を増やす場合、家計のどこを増やすか】

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