
自由に使える金額:例年と変わらず半数以上が「10万円未満」
支給される予定の夏のボーナスのうち、ローン返済などの必要経費などを除いた、自由に使える金額を聞いた。もっとも多い金額レンジは「5〜10万円未満」で18.4%、次いで「3〜5万円未満」で14.8%、さらに「10〜20万円未満」の13.0%と続く。全体的な分布としては、例年と大きな差はなく、半数以上の人が自由に使えるお金を「10万円未満」と回答した。
【図2 税金、ローン返済・生活費の補填、ボーナス一括払いなどを除いた、実際に自由に使える金額】
自由に使える金額:「変わらない」55.1%。「減った」と感じている人の割合は減少
支給予定のボーナスのうち、自由に使えるお金が増えたか減ったかを感覚値で答えてもらった。結果としては、過半数を超える55.1%が「変わらない」と回答しており、「増えた」の総計が11.6%、「減った」の総計が33.4%となった。なお、前年調査時には、「増えた」が11.0%、「減った」が38.0%だったので、さほど増えてはいないが、減ったと感じている人が少なくなり、全体としては増加していると見てよさそうだ。
【図3-1 ボーナス支給額のうち、自由に使えるお金の増減】

【図3-2 ボーナス支給額のうち、自由に使えるお金の増減(世代別)】
「自由に使える金額」に対する満足度:昨年同様、全体の約4分の3が「不満」と回答するも、「満足」の割合は微増
支給予定のボーナスのうち、自由に使えるお金についての満足度を聞いた。結果としては「やや不満」が38.4%、「非常に不満」が33.6%と、不満のほうが圧倒的に多く、全体の約4分の3が「不満」と回答。残りの28.0%が「満足」と回答した。ただし、前年の調査結果に比べると、わずかに「不満」の割合が減り、「満足」の割合が増加しているなど、若干ではあるが上向いてきていることがわかる。
【図4 自由に使えるお金についての満足度】
ボーナスの使い道と平均消費金額:使い道トップは「貯金」182,031円、「商品・サービスを購入する」65,732円(前年比2.6%減)。モノやサービスの購入にかける予算は年々減少
今夏のボーナスで、どんなことにいくらくらい使うか、その使用用途と金額を聞いてみた。
まず、金額ベースで見てみると、前年よりも増加しているのは「貯金」と「国内旅行」「子供の教育費」の3点のみ。そのほかは、すべて前年比マイナスで、特に「金融商品の購入・外貨預金など」は、前年の165,087年から130,386円へと、34,701円(-21.0%)もの減少となった。なお、毎年金額・割合ベースともトップの「貯金」だが、今年は割合が若干ダウンしており、7割を切った。「ローン返済」も、割合・金額ともにダウンしている。しかし、その分、ほかの消費にお金が回っているかというとそうでもないようだ。
今回の調査で、割合・金額とも増えているのは唯一「子供の教育費」のみ。平均金額も141,953円と多めであり、教育にかかる費用は年々増加していることを示している。
また、「金融商品の購入・外貨預金など」「金融商品の補填」などは、割合としては微増だが、金額ベースではマイナスとなっており、それほど消費行動が広がっているわけではなさそうだ。「国内旅行」については、金額ベースでは若干の増加だが割合ベースでは若干の減少。「国外旅行」は逆で、割合ベースでは増加しているが、金額ベースでは下がっている。このことから、これらの消費にかける総額はほぼ変化がないものと思われる。
なお、「商品・サービスを購入する」についてだが、金額ベースで前年の67,497円から65,732円へと1,765円(-2.6%)の減少となっている。割合ベースでも若干下がっており、モノやサービスの購入にかける予算は年々圧縮されている様子が見て取れる。
【図5 夏のボーナス消費平均金額(複数回答可)】
ボーナスの消費目的 | 調査時期 | この目的にお金を使う人の 平均消費金額(円) |
この目的にお金を 使う人の割合(%) |
---|---|---|---|
貯金 | 2013年夏 | 181,261円 | 70.3% |
2014年夏 | 182,031円 | 69.0% | |
商品・サービスを購入する | 2013年夏 | 67,497円 | 65.1% |
2014年夏 | 65,732円 | 63.8% | |
ローン返済 | 2013年夏 | 196,543円 | 43.0% |
2014年夏 | 186,531円 | 42.8% | |
旅行・外出をする(国内) | 2013年夏 | 59,040円 | 40.4% |
2014年夏 | 61,902円 | 39.9% | |
子供の教育費 | 2013年夏 | 127,303円 | 31.0% |
2014年夏 | 141,953円 | 32.0% | |
金融商品(投資信託、株式等)の購入・外貨預金など | 2013年夏 | 165,087円 | 11.4% |
2014年夏 | 130,386円 | 12.1% | |
旅行・外出をする(海外) | 2013年夏 | 158,193円 | 8.2% |
2014年夏 | 146,366円 | 10.7% | |
金融商品(投資信託、株式等)の補填 | 2013年夏 | 132,579円 | 6.3% |
2014年夏 | 106,400円 | 8.4% | |
その他 | 2013年夏 | 91,924円 | 34.7% |
2014年夏 | 84,266円 | 33.3% |
- 夏のボーナスの推定支給額:平均55.8万円と、昨年から1.4万円(2.6%)の微増。アベノミクス効果の表れか
- 自由に使える金額:「変わらない」55.1%。「減った」と感じている人の割合は減少
- ボーナスの使い道と平均消費金額:使い道トップは「貯金」182,031円、「商品・サービスを購入する」65,732円(前年比2.6%減)。モノやサービスの購入にかける予算は年々減少
- ボーナスで購入したい商品:「洋服・ファッション関連」(11.5%)が今年もトップ。「本・雑誌・漫画」(8.6%)、「ノートパソコン」(8.2%)とつづく。調査開始以来、初めてすべての項目で前年割れに
- 昨年度との給料比較:「変わらない」64.5%。現時点の賃上げ効果はほとんど無し
- 総評