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世界と比べる日本の電気代

電気の基礎知識

更新日:2024年04月17日

世界と比べる日本の電気代

日本の電気代って世界と比べて安いの?

値上がり傾向にある日本の電気料金ですが、海外と比べて高いのか安いのか気になりませんか? 高いと思っていた電気料金が、実は世界の中では安いほうだった―――、なんてこともありえます。家庭用の電気料金を国際比較してみました。

欧州を中心に日本より電気代が高い国も

結論から申し上げると、日本の電気料金は諸外国と比較しておおよそ真ん中あたりです。電力中央研究所がIEA Energy Prices and Taxesをもとに、日本を含めた10か国(カナダ・デンマーク・フランス・ドイツ・イタリア・韓国・スペイン・英国・米国)の電気料金を比較しています(2022年までのデータ)。2022年の為替レートで日本円に換算した税込み価格の年平均値では、日本は高いほうから6番目です。デンマークが最も高く、イタリア、英国、ドイツ、スペインと欧州諸国を中心に、2022年に急激に電気料金が上昇しています。これについて電力中央研究所は、燃料価格の上昇が電気料金の上昇の主要因と推測しています。一方、日本の電気料金は欧州諸国の急激な上昇に比べて小さめです。燃料・原料の多くを輸入に頼る日本は、燃料価格上昇の影響をひときわ受けやすいと言えますが、上昇率が小さい理由として燃料費調整制度が挙げられます。

燃料費調整制度は、石油や石炭といった輸入燃料について、日々変動する燃料価格を自動的に調整する仕組みのことです。規制料金に適用されるので、主に従来の電力会社10社で採用される仕組みですが新電力でも採用している場合があります。この制度によって調整額の上限値が設定され、各電力会社の料金改定時の燃料価格から1.5倍を超えた分は各電力会社が負担します。2022年後半には電力会社10社とも上限に達しており、全社の負担額は約4円/kWh(2022年度平均)。その内、最大となった月は約8.5円/kWhでした。このほかにも日本が輸入するLNG(液化天然ガス)の多くが長期契約によるもので、LNGの価格と連動する石油価格の変動が比較的小さかった(米ドルベースで2020年の平均値の2.9倍)ことも、結果的に電気料金の急上昇を避けられた理由として挙げられます。

日本の電気料金は2011年以降値上がっていましたが、2014年〜2016年度に原油価格の下落などの影響から低下していました。しかし、近年の世界情勢の変動などにより再び上昇傾向にあります。先述したように燃料・原料の大部分を輸入に頼っているため、世界的な燃料価格の変動によって今後も影響を受ける可能性はあるでしょう。

電気料金が安い国の理由

10か国のなかで日本より電気料金が安いのは、フランス、米国、カナダ、韓国です。電気料金の高い国との違いがどこにあるのでしょうか? 実は国ごとに事情があります。2022年時点で日本よりも電気料金が高いイタリア、英国、ドイツ、スペインは発電設備のなかで火力発電の比率が高い国々です。

こうした国々は火力発電に必要な化石燃料の多くを輸入に頼っており、為替の変動(自国通貨安)や燃料価格が高騰するとその影響をダイレクトに受け、電気料金が上昇します。同じヨーロッパでもフランスの場合は、原子力発電の比率が67%(2020年)と非常に高く、化石燃料コストの影響を受けにくいため、電気料金が比較的安定しています。

また、ドイツは再生可能エネルギーの普及を積極的に進め、2023年の電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合は51.6%と年間で初めて50%を超えました。その全量を買取しているため、買取費用だけでなく環境に配慮したいわゆる環境税も電気料金に加算されることが電気料金の高騰につながっています。デンマークも同様で、ドイツよりもいち早く再生可能エネルギーの買取制度を導入、2020年の段階で再生可能エネルギーによる発電比率が50%と非常に高くなっていることが理由です。

電気料金が安い国々の事情をチェックしてみましょう。カナダは水力発電の比率が60%(2019年)と高いことが上げられます。アメリカは州によって事情が異なりますが、発電比率の高い火力発電で使用する化石燃料を輸入に頼らず自国でまかなえることが大きなメリットです。韓国の場合は、発電コストが比較的低いとされる石炭と原子力による発電比率が高いこと(2021年でそれぞれ34.3%と27.4%)があげられます。また、政府によって料金が低く抑えられているという事情もあります。

電力会社の切り替えで電気料金が安くなるかも

2016年4月の電力自由化によって、一般家庭で自由に電力会社を選択できるようになりました。プランによっては電気料金を今よりも安く抑えられるかもしれません。電力自由化とは?

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