処理性能はネットブック未満

前述したように、内部にはパソコン用のハードウエアと、携帯電話用ハードウエアの両方を搭載している。パソコン用のCPUはAtom Z600で、クロック周波数を600MHzに落として利用している。メモリーは1GBで増設はできない。記憶装置は32GBのSSDだ。Windows 7モードのときの通信機能は、IEEE802.11b/g/n対応無線LANのほかに、3G回線による通信ができる。

CPUはAtom Z600。動作周波数は1.2GHzと表示されているが、実際にはその半分の600MHzで動作している (画像クリックで拡大)

試作機なので参考程度にとどめてほしいが、Windows 7のスコアは低い (画像クリックで拡大)

処理性能はお世辞にも高いとは言えず、ネットブックより低い。そもそも小型であることに意味のある製品であり、処理性能を求める機種ではない。筆者はWindows VistaがプリインストールされたAtom搭載のLOOX Uを使っていたが、それに比べれば実用的な体感速度でWindows 7を利用できる。何よりも、OfficeソフトやWindows用ソフトが使えるフル機能のWindowsパソコンを、携帯電話サイズで持ち歩けることが最大のメリットだ。

処理性能よりも気になったのはバッテリー駆動時間だ。カタログ値では約2時間となっているが、Windowsパソコンの場合、実利用ではその半分程度になることが多い。実際の利用ではこれより短い1時間前後になりそうだ。仕事上の文章の作成やメールのチェックなどを1時間で済ませないといけないのはなかなか難しい。携帯電話として使う場合は、連続待ち受けが約600時間となっている。

携帯電話とパソコンはボタンひとつで切り替え

Windows 7モードとケータイモードの切り替えは、側面にある切り替えボタンを押すだけ。ケータイモードで使っているとWindows 7はスリープ状態になる。長時間、ケータイモードで利用してから切り替えると、スリープから復帰するのに時間がかかる。すぐパソコンモードに切り替える場合は、10秒もかからずに切り換えられる。

携帯電話としては、ごく普通のiモードケータイだ。ワンセグと防水には対応していないが、おサイフケータイなどNTTドコモの主要なサービスには対応している。

NTTドコモの携帯電話としての機能はほぼ網羅している。メニューのデザインは少し前の「F-04B」などに近い印象だ (画像クリックで拡大)

Windows 7モード時は横向きでの利用になる。ケータイモードでは縦でも横でも使える(画像クリックで拡大)