ひと味違う料理を作るには、ナンプラーもお勧めだそうだ。

ナンプラーはグルタミン酸とイノシン酸といううまみ成分が多く含まれていて、とてもおいしいんです。ただし塩分が多いので、塩味が強くなりすぎないようにしてください。独特のにおいが気になる方は、ちょっと火を通すといいでしょう。私は、カレーの味を引き締めるのによく使います。ご飯にナンプラーとチャンサイをまぜるだけでも、アジア風ご飯になりますよ。それに、ナンプラーにはエイコサペンタエン酸やDHAが含まれていて、脳の働きをよくしてくれます」。

材料さえ揃えれば、エスニック風もカンタンにできそうだ。他にもう少しお腹にたまりそうな料理はないだろうか。

「梅干しをたたいて、ごま油と昆布茶でそうめんをあえると、とってもおいしいですよ」。

これなら家にあるものだけで、大丈夫そうだ。

青木さんによれば、急な来客で買い物に行く暇がないときは、常備してある缶詰を使えばいいという。

「缶詰の魚は、旬の脂がのったものを詰めるので、実はすごく栄養が豊富なんです。カレー粉をひとふりすれば、缶くささも気になりません。サバ味噌の上にカレー粉をひゅっひゅっとかけたものなど、辛みもあってお酒にあいますよ」。

人数が集まれば、とっておきのお酒をシェアできる

青木さんも、お酒は大好きだという。最近はなかなか時間がとれないが、以前はよくホームパーティもやったそうだ。ホームパーティの達人として、お酒選びの秘訣をうかがった。

ワインは奥が深くて、どう選べばというのは、むずかしいんです。ただ、例えば同じ品種のブドウでも、産地によって全然味が違います。もし10人でワインを10本飲むのなら、ひとつの手として、シャルドネをテーマにフランス産、オーストラリア産、南アフリカ産など産地が違う物を買ってきて、飲み比べてみてはどうでしょう」。

これは、私の好きな日本酒にも使えそうだ。同じ山田錦でも、産地や蔵によって味わいは全然違う。全国のお酒をみんなでワイワイ飲み比べると楽しそう。

「それから、人数が集まるときには、いいワインを1本だけ買って、あとは普通のものにするという手もあります。1本1万円のワインでも、20人集まれば1人500円です。少しずつしか味見ができなくても、『あれ、おいしかったねー』のように後々記憶に残ります」。

そういう体験のシェアが、大切な家族や友人とのとっておきの時間になるに違いない。

(文/梅方 久仁子=フリーライター)