カメラを買うのと同時に必要になるアイテムや、写真を上手く撮るための疑問にQ&A形式でお答えします。
画素数が多いほうが高画質ですか?
いいえ。画素数が多いだけで高画質とは言い切れません。
画像を拡大するとモザイク状の四角になりますが、これを画素と言います。確かに画素数が多くなるほど、きめ細かくなり、高画質になります。しかし、高画質かどうかは、イメージセンサーやレンズ、画像エンジンなど、さまざまな要素によって決定づけられるのです。また、撮った画像をどのように扱うのかによって、必要な画素数は違ってきます。ホームページやブログなどで載せるのであれば50万画素で十分ですし、A4サイズのプリントでも500万画素程度できれいに見えます。最近のデジタル一眼カメラは2000万画素前後のものが多く、どのカメラも画素数は十分だと言えます。また、画像サイズは設定できるので、用途に応じて使い分けるとよいでしょう。
最初に買うレンズは何を選べばいいですか?
最初はキットレンズがおすすめ。慣れたらほかのレンズを選んでみましょう。
カメラとセットで販売されているレンズを「キットレンズ」と言います。このレンズは広角から中望遠までをカバーする標準ズームレンズの場合が多く、初めてデジタル一眼を購入する方にはもっとも便利で扱いやすくておすすめです。また、セットになっているため、値段も安価で購入することができます。キットレンズで物足りなくなってきたら、ほかのレンズを購入してみましょう。
同じようなレンズなのに価格差があるのはなぜ?
開放F値の違いにあります。
たとえば、キヤノンのレンズ「EF24-70mm F4L IS USM」と「EF24-70mm F2.8L II USM」は同じ焦点距離にも関わらず、価格が違います。その理由はF4とF2.8のF値にあります。レンズのスペックを見るうえでF値は重要な要素で、数値が小さくなるほど明るいレンズとなり、価格も高くなります。そもそもF値とは、カメラに取り込むレンズの光量を調節する絞り穴の大きさのこと。F値が小さいほど、絞り穴は大きくなるため、取り込める光量も多くなります。加えて、F値が小さいほどボケ味が大きくなる特徴も。F値が小さく、暗い場所でも手持ち撮影が可能で美しいボケ味が描写できるレンズは、そのメリットから高額になるのです。
カメラとレンズ以外に買うべきものは?
三脚やカメラバッグなどは買っておくと重宝します。
三脚があると手ブレを防いだり、じっくりと構図を決めて撮影できたりと、表現の幅が広がります。三脚の大きさや機能はさまざまなので、自分の撮影スタイルに合わせて検討しましょう。また、安全にカメラとレンズを持ち運べるカメラバッグも1つ持っていると大変便利。クッション素材でレンズやカメラを衝撃から守りつつ、安全に運ぶことができます。ショルダータイプやリュックタイプ、大きさや防水加工など、さまざまなタイプのものがあるので、お気に入りのカメラバッグを見つけましょう。
メモリーカードを選ぶポイントは?
容量の大きさやデータの転送速度で選びましょう。
SDメモリーカードやコンパクトフラッシュ(CF)などのメモリーカードは、容量が大きいものほど、より多くの写真を保存することができます。一般的には16〜32GBあれば安心です。また、転送速度は速くなるほど、カメラからカード、カードからパソコンなどへのデータ転送が速くなります。さらに、最近は無線LANに対応したSDメモリーカードも登場し、カードを取り出さなくても、ワイヤレスで撮った写真をスマートフォンやタブレットに転送することができます。ただし、カメラによって対応するメモリーカードが違うので、自分のカメラを確認してから購入しましょう。
暗い場所でもきれいに撮る方法は?
ISO感度を上げる方法と内蔵フラッシュを活用する方法があります。
暗い場所で撮影する場合、どうしてもシャッタースピードは遅くなり、手ブレが起こりやすくなってしまいます。そんなときは、ISO感度をISO1600〜3200程度の高感度に設定してみましょう。ISO感度が上がると、少ない光で明るく撮れるようになります。または、カメラのフラッシュを使ってみましょう。ほとんどのカメラでフラッシュの発光量を調整できたり、フラッシュの種類が選べる機能が搭載されているハズです。
ISO感度を設定する画面(ニコン「D5300」)。
ミラーレス一眼カメラはフラッシュ内蔵モデルが多い。
背景がボケた写真を撮るコツは?
撮り方は3つあります。
背景を大きくぼかすポイントは、大きく3つあります。1つ目はなるべく焦点距離の長い望遠レンズを使用すること。ズームレンズなら望遠側で撮ります。2つ目は絞りを開くこと。絞り優先モードに合わせ、一番小さいF値(開放F値)に設定しましょう。3つ目は背景を被写体から離し、被写体に思いきり近づいて撮影すること。これらを実行することで、大きなボケ味を得ることができます。
写真左はF5.6で撮影したものであるのに対して、写真右はF10で撮影したもの。絞りを開いた写真左の背景のほうがボケています。
カメラのよい保管場所はありますか?
湿度を抑える防湿庫やドライボックスを用意しましょう。
カメラを押し入れや引き出しなどで保管していると、内部にカビが発生してしまうことがあります。また、ホコリから守るためにも、きちんと保管しておくことが大切です。カメラを保管するのに適した湿度は40〜50%と言われ、専用の防湿庫やドライボックスに入れておくことで湿度を保ちつつ手軽に保管することができます。簡易なものから高級なものまで、サイズもさまざまなので、1個持っておくと安心です。
カメラのお手入れ方法は?
お手入れセットを購入し、定期的に行います。
カメラやレンズは使用するうちに汚れていくため、お手入れは欠かせません。お手入れは、必要な道具がセットになった市販の「お手入れセット」を購入しておくと便利です。まずはブロアーでカメラ全体のホコリやゴミを飛ばしてから、クリーニングぺーパーに専用の液を軽く含ませ、レンズや液晶モニターを拭いていきます。その際、イメージセンサーは絶対に触らないように注意しましょう。特に雨の日や海などで撮影した後は、お手入れするのがおすすめです。
撮った画像をより高画質で保存できる形式があるってホント?
本当です。RAWで保存しておけば高画質で保存することができます。
画像の保存形式にはJPEGとRAWの2種類があります。JPEGはデータ量が軽く、一般的に利用されています。これに対してRAWは画像になる前の情報で、専用ソフトなどでRAW現像を行い、初めて画像になります。現像処理を行い最終的にはJPEGで保存しますが、RAWから現像してJPEG画像を作ることで、撮影後でも画像を劣化させずに、明るさや色味などをイメージ通りに調整することができます。
画質モードの設定画面(ニコン「D5300」)。