更新日:2024年04月17日
実は買い替えた方が安いかも。何年前の家電なら買い替えたほうがお得?
多くの家電製品は壊れにくく、一度購入すると数年から数十年にわたって使い続けることができます。一方で、家電製品の省エネ性能は年々向上し、消費電力は少なくなっています。値上がり傾向にある電気代を見て、“最新の省エネ家電の恩恵が受けられない”とため息をつく方もいらっしゃることでしょう。長年家電製品を使い続けている方なら、思い切って買い替えを検討するのも1つの方法です。機器によっては、年間の電気料金が1万円以上も安くなる可能性があります。特に家庭内で消費電力量が大きい、エアコン(全体の14.7%)、冷蔵庫(同14.3%)、照明器具(同13.5%)、テレビ(同9.4%)については買い替えによる省エネ効果が大きいので要検討です(カッコ内の数値は、全国地球温暖化防止活動推進センターが公表している「令和3年度家庭部門のCO2排出実態調査事業委託業務(令和3年度調査分の実施等)報告書 世帯当たり年間消費量の機器別構成(2019年度)」を参照しています)。
20年近く使っているエアコンなら買い替えがお得
資源エネルギー庁によれば、エアコンの2010年型のエアコンの年間消費電力量は872 kWh、2020年型では808 kWhと64kWh省エネ(冷房能力2.8kWの代表機器の単純平均)を実現、金額にすると1,856円の電気料金の節約になります(1kWhあたり29円で計算しています。以下同)。それほどでもないなと思われた方もいるかもしれませんが、実は、エアコンは早くから省エネ化が進み、2001年には消費電力が1000kWhを下回っています。一方で、2000年以前のエアコンの消費電力量は1000kWhを超えており、1995年型では1492kWhもあります。2020年型との比較では684kWhも消費電力が多く、電気料金にすると19,836 円とその差は高額です。
また、エアコンは経年劣化もあり使い続けることで消費電力量が毎年数%ずつ増加、10年間では5割程度アップするといわれています。さらに、12年を超えると増加率が飛躍的にアップすることも多く、電気料金は購入当初よりも高くなりがちです。購入から10数年を超えたあたりが、買い替えを検討するポイントになりそうです。
冷蔵庫は15年間で消費電力が2分の1に
資源エネルギー庁によれば、2005年度では608kWh程度だった401〜450Lクラスの冷蔵庫の年間消費電力量は、2020年度には300kWh程度と約2分の1にまで減少しています。消費電力量が300kWh下がれば、年間で8,700円の電気料金の節約になります。
また、冷蔵庫は、「すき間を広めにとって設置する」、「中にものを詰め込み過ぎない」、「適切な温度設定をする」といったことにも気を配ればさらに節電につながります。なお、冷蔵庫の消費電力量は容量に比例しません。201〜250Lの冷蔵庫と高性能機種が多い501L以上の冷蔵庫の年間電気料金を比較すると、前者は9,048円、後者は8,062円と、平均値では501L以上のほうが986円安くなっています。一般的に冷蔵庫は容量が大きいほうが省エネ性能が高く電気代に関してはお得になる傾向にあります。
白熱電球や蛍光灯からLED照明器具への切り替えは効果大!
国内主要メーカーではすでに生産終了となっている白熱電球をお使いの場合、LEDへの切り替えで大幅な節約が可能です。また、ひと昔前まではインバーター式の蛍光灯型照明器具に切り替えることで省エネ効果を得られていましたが、すべての一般照明用蛍光灯の製造は2027年末までに終了する見込みとなっています(2024年1月現在)。インバーター式蛍光灯照明器具の平均寿命は、一般的な使用条件の場合に8年〜10年、連続使用の場合は4年〜5年が目安とされているので、LED照明への切り替えを検討しましょう。
LED照明器具は蛍光灯照明器具に比べて電気代が安く、寿命も長いことが特徴です。資源エネルギー庁の「省エネ性能カタログ2023年版」によると、蛍光ランプの寿命が6,000時間(年間2000時間点灯で約3年)、LEDランプは40,000時間(同条件で約10年)となっており、8畳用の蛍光灯シーリングライトの消費電力が68W、同じくLEDシーリングライトの消費電力が34Wのため、50%もの省電力となっています。1日5〜6時間の点灯と考えて年間2000時間点灯した場合、1kwhあたり29円で年間電気料金を算出すると、蛍光灯シーリングライトが約3,944円 、LEDシーリングライトが約1,972円で年間約1,972円の節約になります。シーリングライトの購入価格は蛍光灯が約2,100円、LEDが約8,700円ですが、蛍光灯は約3年ごとに交換が必要になることを考えれば、点灯時間が長ければ長いほどLEDのほうが節電と節約の効果が高まります。そのほか、不要な灯りはこまめに消したり、調光機能のある機器であれば明るさを少し調整するといった日々の節電を意識することも大切です。ただし、極端に頻繁に照明を点滅させると電球の寿命が短くなるのでご注意ください。
すでに省エネ仕様だが2009年以前のテレビは消費電力量が多い
資源エネルギー庁の資料によると、液晶テレビワイド32型の年間消費電力量は、2006年が161kWh、2016年には58kWhに下がり、約65%も減少しています。電気料金にすると年間で2,994円も安くなりました。テレビについては、ディスプレイがプラズマから液晶に切り替わるなど、以前から省エネ化が進んでいます。また2009年までは100kWh超となっているため、少なくとも2009年以前の型をお使いの場合は買い替えることで今よりも電気代を抑えられるでしょう。機種によっては明るさセンサーや無操作自動オフ機能など、省エネモードが備わっているので、上手に活用すると節電効率が上がります。
電気代を節約したい!電気料金プラン比較
そうは言っても家電の買い替えには検討の時間も費用もかかります。電気代を節約したいけど、今はちょっと難しい…。そんな時にはまずは電気料金プランを見直すことから始めてみましょう。価格.comのシミュレーションでは、お住まいの地域でどんなプランが提供されていて、どのプランに切り替えるといくら節約となるかが一目瞭然です。さらに、おトクなキャンペーンも随時行われていますので、プランの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。