PS4 Proとの強固な絆SONY BRAVIA KJ-49X9500G
PlayStation4 Proの映像美を存分に楽しみたいなら、SONYの「BRAVIA X9500G」は1つの有力な選択肢だろう。4K・HDR画質で描かれるゲーム世界をより忠実に再現するという表現能力。しっかりと堪能し、レビューしよう。
ゲームは4Kで楽しむコンテンツの筆頭
ボーっと生きていたら、いつの間にか4Kテレビが普及価格帯になり、衛星放送の4Kチューナーも搭載されており、テレビの主流は4Kに移りつつあると感じる今日この頃です。そんな折、ソニーのBRAVIA KJ-49X9500Gを視聴する機会を得ることができたので、4K映像を思う存分堪能しようかと思っています。
KJ-49X9500Gって、価格.comの最安値で13万円を切るくらい(※)で販売しており、49インチの大型テレビとして考えても、4Kテレビとして考えても、「え? iPhoneより安いの? 普通に買えるじゃん」って、いまさらながら驚きです。
で、4K時代待ったなしというのは間違っていないのですが、それでもまだ本当に楽しめる4Kコンテンツは少ないのが実情です。数だけみればそんなに少なくないですし、衛星放送系以外でもYouTubeの配信などでは4Kコンテンツは豊富にアップされています。ただ、多くの映像作品は4K映像の美しさをみせることを目的としているので、単純にコンテンツとして面白いの? っていうのが多かったりして、見たいコンテンツであるかは別って話です。多くの人はただきれいなだけの4K動画見るくらいならHD画質でも『バチェラー・ジャパン』を見ていたほうがよくね? って思うんじゃないですかね。※2019年12月上旬執筆時

そこで、現状で4K映像として一番楽しめるのは何かと考えたのがゲームです。PlayStation4 Proであれば、4Kに対応したゲームがプレイできますし、4Kは結果であって、ゲームの本質はゲームそのものの面白さってことで、そこは変わりません。今回、用意してもらった『DEATH STRANDING』もノーマルのPS4でも遊べて、4K画質でなくても十分に面白いわけです。
日本では、ゲームは暇つぶしであったり、いい大人が熱中するものではないという感覚を持った人がかなりの数いますが、欧米では据え置き機のゲームは、週末にホームシアターで映画を見るようなホビーとして確立したりしているので、4Kコンテンツとしてじっくり見るのに最適であることは間違いないでしょう。私の勝手なイメージですけどね。

まあ、いろいろ理由をつけていますが、単純に『DEATH STRANDING』を高画質で遊びたい! っていうのが本音だったりします。
深みのあるHDRの映像に引き込まれる
早速、プレイ開始です。試遊時間が2時間くらいしかないとのことなので、編集のT氏に前もって進められるところまで進めてもらいました。したがって、いきなりかなりの量の荷物が運べるようになっています(※)。まあ、今回はゲームをじっくり堪能するのではなく、ゲームが本当に4K映像の最強コンテンツであるか確かめるのが目的ですので、最初からじっくりとゲームを始めることよりもプレイ感をつかめることを重視した結果で、こうなりました。おかげでさまざまな見どころを即座に体験できるようになっており、感謝しかありません。というか、『ドラクエ』でレベル上げしか弟にさせない兄のような気分になり、心が痛みます。末っ子の長男なので、兄の気持ちなどびた一文感じたことはないですけど。
とりあえずプレイして思ったのが、まあキレイですわ。人物の描写も背景の描き込みもマシンの質感もどれをとっても実写と違わぬほどのクオリティーです。3DCGが登場したばかりのときによく見かけた、実写かと思ったという感想に対しては、「さすがに区別つくだろう、目ぇついてんのか」って思っていましたけど、このレベルはやばいです。1枚絵のCGなのか、ゲームのリアルタイムレンダリングなのか、ムービーなのか、はたまた実写なのかすらわからないほどです。ほんと、4Kすごいよ、4K。
ノーマルPS4レベルの描写力だとゲームパートとムービーパートは切り替え時に変わったなってわかるところですが、PS4 Proの4K対応タイトルだと、さっきまでムービーだったけど、「もう動かせんじゃん」って感じになるほどシームレスです。※DEATH STRANDINGは大雑把に言うと荷物を運び、届けるゲーム。経験を積んでいくと、運べる荷物の量が増えていく。主人公サム・ブリッジズを演じるノーマン・リーダスをはじめ、マッツ・ミケルセン、レア・セドゥ、リンゼイ・ワグナーら世界的名優たちが出演。サムは何を運び、何を繋げるのか。その答えはぜひ本編にてお楽しみください。
©2019 Sony Interactive Entertainment Inc. Created and developed by KOJIMA PRODUCTIONS.

『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』の押井守監督が『DEATH STRANDING』を見て、映画はゲームにかなわないと発言したらしいですが、それも大げさではないことがわかります。 そういえば、PS4 ProにはHDR機能もあるので、それも試してみます。まずPS4 Pro側でHDR機能をオンにしてから、テレビ側でHDRのオン・オフや、モードの切り替えをしてみました。モードによっては全体に明るすぎたり、暗くなりすぎたりしましたが、オートにしておくとおおむねいい感じに出力され、コントラストの高いシーンでも豊かな階調で表現してくれます。一度、PS4側でHDR機能を切ってテレビ側でHDRモードをいじってみましたが、HDR信号が来ていないので当然効果がありませんでした。まあ、階調表現がどうたらこうたら言っても伝わりにくいと思いますので見た感想を述べるなら、立体感が増して、そこにモノがある感がすごいんです。 HDR機能はノーマルPS4にもある機能なので、PS4 Proを持っていなくてもKJ-49X9500Gを購入した人は試さないと大損ですよ。

私のPS4ライフは、しばらくの間『ストリートファイターV アーケードエディション』の専用機となっていましたが、ちょっとこういうタイプのゲームもやってみたくなりました。もともと「龍が如く」とか好きでしたし、『DEATH STRANDING』は好きなジャンルのゲームだということをいまさらながら思い出しました。週末にじっくり遊べるときは『DEATH STRANDING』をプレイするかなって、最近は週末のほうが仕事をしていたりするんですけど。
BRAVIAならではのPS4 Proとの連携
PS4ソフトの4K対応タイトルは、他社の4Kテレビでも十分効果はあると思います。それでもKJ-49X9500Gの「4K X-Reality PRO」と「X-tended dynamic range Pro」の組み合わせは、PS4 Proの接続を考慮した設定になっているだけあり、4KとHDRの効果を最大限に引き出してくれているんじゃないですかね。そう考えると4K映像で最も楽しめるコンテンツがゲームである、PS4 Proであると定義してしまった以上、KJ-49X9500Gの存在は無視できなくなってしまうわけですよ。

一応、冒頭で否定してしまった、4Kの美しさを見せつけるだけのコンテンツも見てみました。さんざん文句を言っておいてなんですが、見惚れますね。うっとりです。このコンテンツがテレビ放送されたところで、その時間に合わせて急いで家に帰るようなことはないでしょうけど、見たら見たで感動です。一眼レフカメラとかを買うと、それらしい写真の代表として背景ボケの写真を撮って、すごいよねーとか言いがちですけど、4K動画みると全ピン最高! すべてが高精細に再現されてこそ正義って思いますよ。まあ、一眼レフカメラで撮影した後はボケ最高って言いますけど。

とにかく、49インチってサイズですし、たぶんリビング置きになると思うんですけど、そうなるとリビングにいる時間って長くなりそうだなって思います。最近はテレビの用途って、ニュースとか、食事中にちょっとつけているとかでしたけど、KJ-49X9500GとPS4 Proの組み合わせがあれば、コンテンツを楽しむためのものとして活用されるんじゃないですかね。さすがに昔のようにテレビは娯楽の王様ってことにはならなくても、娯楽における第3継承権の皇子くらいの位置づけにはなるのではないでしょうか。
文:岡安 学 写真:安田 有(fort)