まず、スマートフォンの所有率は、全体の3分の2近い62.6%が所有しているという結果になった。前回調査時は41.9%だったので、この3年で20.7ポイント上昇したことになる。なお、スマートフォンと携帯電話を両方持っているという人も13.8%おり、スマートフォンが普及するいっぽうで従来の携帯電話も手放せない、いわゆる「両方持ち」の割合も一定数いる。なお、スマートフォンの複数台所有も進んできており、2台以上持っているという人も、スマートフォンユーザー全体の1割近くにのぼってきている。
端末については、今から1〜3年前に購入したという人が多く、この期間だけで全体の4割強を占めた。所有するスマートフォンとしては1台目という人も全体の4割程度で、Android端末の数が増えてきた3年前くらいから、スマートフォンに切り替えたという人が多そうだ。ただし、すでにスマートフォンは2台目という人の割合も3割強あり、2〜3年前にスマートフォンを初めて購入した人が、今、2台目に買い換えつつあるという状況もうかがえる。
端末の種類では、やはりアップルの「iPhone」シリーズがもっとも多く、国内で販売している3キャリア合計で34.6%のシェアとなった。ただし、前回調査と比べるとシェアとしては3.8ポイントのマイナスだ。いっぽう、伸長めざましいのがAndroid勢で、全体の6割以上はすでにAndroid端末となっている。ブランドでは、ソニーの「Xperia」シリーズがもっとも人気で全体の18.0%、次いでシャープの「AQUOS PHONE」シリーズが10.8%と続く。国内メーカー製のAndroidスマートフォンも、代を経るごとに完成度が上がっており、一定の固定ファン層も形成されるようになったことがうかがえる結果だ。
この結果は、通信キャリアのシェアにも表れている。もっとも多かったのはNTTドコモで40.9%。次いで、au(30.0%)、ソフトバンク(21.9%)の順と、携帯電話市場全体のシェアに近い結果となった。3年前の段階では、当時国内で唯一「iPhone」を取り扱っていたソフトバンクが44.7%でトップシェアだったが、「iPhone」が主要3キャリアで発売されたことで、すでにソフトバンクの優位性は徐々になくなってきているようだ。
また、現在使っているスマートフォンを購入した理由としては、「価格」「デザイン」「機能・アプリケーション」「メーカー」などが上位に来ており、「通信料金」や「通信速度」「通話音声品質」などはあまり決め手にならなかったという結果が出ている。主要通信キャリアの回線品質や速度、通信料金は横並びに近いところまで来ており、「iPhone」をはじめとした主要な端末もキャリアをまたいで発売されるようになったことから、ユーザー側も、いまやさほど通信キャリアに縛られずに端末を選ぶようになってきているようだ。
スマートフォンの利用用途は「ウェブサイト閲覧」と「メール」がダントツで多く、それ以外の機能では「カメラ・ムービー撮影」が比較的よく利用されている。逆に「アプリ・ゲーム」や「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)」は、全体の7割前後の利用と、さほど高い利用割合とはなっていない。なお、「ウェブサイト閲覧」以外の用途では、ほとんどの利用が30分未満の利用で済んでいる。
また、現在使っているスマートフォンの満足度は比較的高く、全体の約4分の3のユーザーが、「満足」と回答した。なかでも、「デザイン」「操作性」「ボディサイズ」「液晶画面の画質・サイズ」「機能・アプリケーション」などの満足度が高い。逆に不満点としては、「バッテリーの持続時間」がダントツで高く、以前と比べれば改善されてきたとはいえ、いまだにスマートフォンの最大の課題がバッテリー問題であることもわかった。このほか、「通信料金」にも不満を感じている人は多いようだ。
最後に、この9月、新たに発表されたアップルの「iPhone 6」への関心であるが、回答者の約3分の1のユーザーが「購入する・検討する」と回答している。Android勢に押され若干シェアが下がってきているとはいえ、「iPhone」の人気はいまでも引き続き高い水準にあると言えそうだ。また、最近増えてきた「低価格SIMカード」についても、まだ認知度はさほど高くはないものの、興味・関心は比較的高く、今後サービス認知が高まってくるにつれ、製品を購入するユーザーも増加しそうな勢いだ。
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- 所有率:「スマートフォンを所有している」62.6%、前回調査(2011年8月)から20.7ポイント上昇。若年層では7割超、60歳以上のシニア層でも約4割が所有
- 使用しているスマートフォン端末:「iPhoneシリーズ」(34.6%)が依然トップ。「Xperiaシリーズ」(18.0%)、「AQUOS PHONEシリーズ」(10.8%)が続く
- 購入の決め手:1位「価格」(13.2%)、2位「デザイン」(11.4%)、3位「機能・アプリケーション」(11.0%)。「通信料金」「通信速度」「音声通話品質」などは、通信キャリア間で差異がなくなり決め手とならず
- 現在使用しているスマートフォンの満足度:およそ8割が満足。スマートフォンの性能向上で、発売時期が新しい製品ほど満足度が高い傾向
- 「iPhone 6」の購入意欲:回答者全体の3割以上が購入に前向き。「iPhone」人気は健在
- 低価格SIMカードに関する興味:半数以上が興味あり。全体の2割近くが「すごく興味・関心がある」と回答するなど、潜在ユーザーは多い
- 総評
- 調査対象:
- 価格.comID 登録ユーザー
- 調査方法:
- 価格.comサイトでのWebアンケート調査
- 回答者数:
- 4,127人
- 男女比率:
- 男92.4%:女7.6%
- 調査期間:
- 2014年8月12日〜2014年8月18日
- 調査実施機関:
- 株式会社カカクコム
